ドラえもんのひみつ道具の抑え方と出木杉君が映画で活躍できない理由
思ったよりアクセスがあったので続きを書きました
ではなぜ最強万能キャラクターが制約を受けるのか
結論から言いますと物語が成り立たなくなってしまうからです
ドラえもんの映画を見たことがある人ならこう思ったことはありませんか?
あの道具を使えばすぐに問題が解決するのではないかと
ドラえもんという作品は元々個々の話が繋がっていない短編のお話だったので1話1つ出てくるひみつ道具が強力な力を持っていても次の話には影響を描写しなくても良いため問題ありませんでした。
一方で映画は長編の物語ですぐに話を終わらすことができません。そのためひみつ道具を使えないように様々な成約を課す必要が生まれました。
問題を解決するために最適なひみつ道具をドラえもん達が思いつかないのも制約の1つです。
ひみつ道具が修理中というのも映画冒頭に描写されるのを見たことがある人もいると思いますがこれもひみつ道具を使わせないための制約ですね。
雲の王国や秘密の迷宮などはドラえもんが故障してひみつ道具が使えなくなっていますがこれも制約の一つでしょう。これらの作品はドラえもんが正気を取り戻してひみつ道具を使えるようになった後は物語が解決の方向に向かっていくためひみつ道具を使えると問題が解決することを示すと同時に物語の起承転結でいうなら転から結の移り変わりの役割も担っています。
また、ひみつ道具の入っているポケットが使えないという展開もひみつ道具を使わせない様にするための制約の1つです。
ひみつ道具の使い道をドラえもん達が思い付かないのはドラえもん達の精神的な制約の1つです。
その点出木杉君というキャラクターは頭脳明晰でとても優秀です。彼がいると最適なひみつ道具の使い方を思いついたりひみつ道具なしで物語の問題を解決する方法を思いついてしまいそうです。
思いつかないのも出木杉君というキャラクター像から離れてしまいますので彼はなかなか映画には出しづらいのでしょう。
ドラえもん のび太の宇宙小戦争では出木杉君が登場し、スネ夫達とジオラマを作りつつそこに介入してきた敵キャラをスネ夫達はドラえもんの妨害と考えるのに対して出木杉君はドラえもん達のやり方にしては違和感を覚えていました。
この映画では中盤に他の惑星に移動するわけですがそこには出木杉君は同行していません。敵の惑星においてドラえもん達は改造したラジコン戦車で対抗します。このラジコン戦車は強力でしたがラジコンのアンテナという弱点を攻撃されて負けてしまいました。
もし、出木杉君がいたらこの弱点を指摘して改善することで負けなかったかもしれません。
そういう意味で物語を作る上で出木杉は作者にとって邪魔だったのではないでしょうか。
ドラえもんという作品は国民的アニメと言えるほど大人気で40作以上の映画作品が作られています。
長編の物語を作る上で万能とも言えるひみつ道具は物語をすぐに終わらしてしまう効果を持っていて作者や脚本家にとって対処を考えなければならない問題だったのは間違い無いでしょう
このひみつ道具の制約や出木杉君という優秀すぎるキャラクターに対する長年積み重ねられた対処法とノウハウは万能能力や優秀なキャラクターを物語に登場されるために役に立つ知恵となるのではないか、なっているのではないかと思います。