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異世界転移で高待遇  作者: 神納 一哉
9/16

9 晩餐会でお披露目をしました。

今回のお話はご都合主義全開でお届けします。

あまり深く考えないでください。

宰相さんからの諸々の説明が終わって、俺達は再び晩餐会の会場へと案内された。


会場に入ってすぐ、俺達を先導していた宰相さんが奥の方に居た王女様へと駆け寄って行く。俺達のことは護衛隊長さんが中央のテーブルまで先導してくれた。


「殿下、御使い様が居られるなんて聞いていませんよ~」


「あら?そうだったかしら?」


「醜態を晒してしまいました」


「ごめんなさいね。シモン」


宰相さんと王女様ってフレンドリーだなあ。話し方も砕けている感じ。王女様が宰相さんのことを愛称で呼んでいるし。


「……ところで、どうして皆で俺を取り囲んでいるのかな?」


「そんなん決まってるじゃん。恭祐(きょうすけ)はあたしたちのリーダーなんだし」


「リーダー!?それに名前呼び!?ってか橘さん、俺の名前知ってたんだ」


「え?普通クラスメイトの名前くらい覚えるでしょ?つーか、あたしが名前呼びしてるんだから恭祐もあたしのこと姫乃って呼ぶし」


「いきなり女子を名前呼びするのは、俺にはハードル高いって」


「恭祐は王様みたいな身分になるんでしょ?名前呼びには慣れといた方がいいし」


「そうだぜ恭祐。あ、俺のことも気軽に清吾って呼んでくれ」


「恭祐。俺のことも浩二と呼んでくれると嬉しい」


「ぜ、善処する」


あ…ありのまま、今、起こった事を話すぜ!


俺は、晩餐会の会場に入ったと思ったら、いつの間にか元城山グループ+委員長(女子)グループ+ユカのグループに囲まれ、橘さんにグループのリーダー認定されて、旧城山グループの面々に名前呼びされていた。


な…、何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…。


…まあ現実逃避はこのぐらいにして、さっきから背中にユカからの無言の圧力をヒシヒシと感じている。


ここは覚悟を決めるところだと判断して、大きく息を吸い込んでからユカの側へと歩いて行き、そのままユカの肩を左腕で抱き寄せて、二人で並んでクラスメイト達と対峙する。


「えーっと、実はですね。俺、村雨恭祐と水瀬由香里は幼馴染で許婚の間柄だったりします」


「恋人同士でやることは、全部経験済」


「いや、言う必要あるそれ!?」


「キョウの隣は私の場所。異論は認めない」


俺にしがみ付いてユカがクラスメイトを牽制する。そんなに警戒しなくてもいいと思うんだが。


「村雨殿。このリア充。もげろ!」


「マジか。恭祐。羨ましい」


「水瀬ちゃんがつれなかった理由が分かったぜ」


「…由香里って全部経験してたん?あたし恥ずかしい」


「由香里ちゃんの許婚って本当に居たんだね。しかもクラスメイトだとは思わなかったよ」


「ところで村雨君。なんでこのタイミングでカミングアウトしたわけ?」


「これからのことを考えたら、人間関係ははっきりさせておいた方がいいと思ったからかな。幸い俺はある程度わがままが効く身分らしいから、ユカは俺のものってこの際はっきりさせておこうと思って」


「キョウ。好き。愛してる」


「くっ!てめえらの血は何色だあ!!リア充、爆ぜろ!」


「オタ野うるさい。ってか、由香里もぶっちゃけすぎ」


「隠す必要なくなったから」


「はいはい。ごちそうさま」


女の子って恋バナを切り上げるのに、なんでごちそうさまって言うんだろうね。


ごちそうさまで思い出した。晩餐会だよ、晩餐会。


テーブルの上にはいつの間にかたくさんの料理が置かれていて、給仕の人がテーブルの間を行き交っていた。俺達の話が終わったのを見計らって、給仕の人が果実水の入ったグラスを俺達に渡しに来た。


やがて、俺達全員がグラスを持ったのを確認したのか、国王がグラスを掲げて声を上げる。


「今宵、こうして異世界の方々を歓迎する宴を開けたことに感謝する。皆様には心行くまで食事を楽しんでもらいたい。では乾杯」


―――乾杯―――


乾杯の大音声に危うくグラスを落としそうになったのは内緒だ。


ともあれ、テーブルの上に並べられた数々の料理に舌鼓をうつ。色々と見た目と味のギャップに驚いたけど。


例えば見た目は豚肉なのに鶏肉の味がするとか、見た目からトマトソースかと思えば、味はホワイトソースだったりするのだ。まあ、美味しいからいいけれど。


「ムラサメ様。ミナセ様。ごきげんよう。楽しんでいらっしゃいますか?」


「王女様。まあ、楽しませてもらってます」


「それは良かったですわ。シモン、いえ、宰相から職業の説明を受けたと思いますが、何かわからないことはありますか?」


「この世界の成人は何歳?」


「16歳を迎えた時点で成人となりますわ」


「キョウ。結婚しよう」


「ユカ。いきなり何!?」


「元々婚姻可能な年齢になったら結婚しようって約束していた。だから結婚しよう」


「いや、確かにそうだけど」


俺がユカの剣幕にたじろいでいると、何故かそれを聞いていた王女様の瞳がキラキラと輝いていた。


「ミナセ様、ムラサメ様とは成人したら婚姻との約束を交わしておりましたの?」


「ええ」


「ムラサメ様。相違ありませんか?」


「え、ええ。確かに約束していました」


俺が同意すると王女様は満面の笑みを浮かべ、俺とユカを連れて国王の元へと連れて行く。それから国王に何やら話しかけると、それを聞いた国王もまた笑顔を浮かべて、俺とユカを一段高くなったところにある王族の席へと呼び寄せて、会場を一望出来る国王の椅子の前に並んで立たされる。


国王が席を外したので、すぐ側に居る王女様に話を聞いた。



「王女様、これって一体どういうこと?」


「ムラサメ様、ミナセ様、婚姻の約束は神聖なもの。故に条件が整っているのならば、速やかに儀式を行わねばなりません。ムラサメ様の婚姻儀礼を取り仕切る栄誉を我がクレンティーヌ王国が賜りましたこと、光栄に存じます」


「それって、結婚式ってこと?」


「はい。国王陛下が祝福と宣誓を行います。お二人は粛々と宣誓してください」


過去の地球出身者のカップルが、召喚されてすぐに結婚したのかもしれない。それが紆余曲折を経て、神聖な儀式に格付けされたとかそんなところだろう。


「ユカ、どうやら結婚するしか無いようだよ。本当はもっとちゃんとしたかったんだけど、時間が無いから簡潔に。水瀬由香里さん。俺と結婚してください」


「喜んで。よろしくお願いします」


「まあ、こんなのも異世界っぽくて面白いね」


「ラノベなら『高校生の俺が異世界で幼馴染と結婚して幸せに暮らしました』みたいな感じだね」


「そうなるように頑張ろう」


「ん。一緒にね」


国王が何やら馬鹿でかい杖を持って戻ってくるのが見えた。殴りたい、あのドヤ顔。殴らないけど。


駆け足でプロポーズをして、二言三言、言葉を交わしてから、あっという間の結婚式である。


「皆の者。此度、我がクレンティーヌ王国に訪れた者の中に、将来を誓い合ったにもかかわらず、成人では無い故に婚姻を出来なかった二人が居た。だが、我が国では十分に成人であるが故、これも神のお導きと思し召しと感謝し、二人を祝福するとともに、神の聖名のもとに二人の婚姻を認めようと思うのだが、如何(いかが)?」


―――王の御心(みこころ)のままに―――


「キョウスケ・ムラサメ。汝、ユカリ・ミナセを伴侶とすることを誓うや?」


「誓います」


「ユカリ・ミナセ。汝、キョウスケ・ムラサメを伴侶とすることを誓うや?」


「誓います」


「宣誓は成された。今日、この時よりユカリ・ミナセは、ユカリ・ムラサメとなることを神の聖名(みな)のもとに承認する」


―――神の聖名のもとに承認する―――


「ムラサメ夫婦に、神の祝福を」


―――神の祝福あれ―――


殷々と響き渡る祝福の言葉を聞きながら、いつかユカにウエディングドレスを着させようと思うのであった。

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