4 好奇心には勝てませんでした。
コンコンコン
「……はい。どうぞ」
「失礼いたします。第一王女殿下からの指示で素材をお持ちしました」
王女様、仕事が早いな。
部屋に入って来る侍女さんは6人ほどで、全員が衣装ケースくらいの大きさの木箱を持っていた。
「ええと、その木箱が全部?」
「はい。どちらに置きましょうか?」
「じゃあテーブルの横に重ねて置いちゃって」
「畏まりました」
侍女さん達は言われたとおりに木箱を互い違いに重ねて置いていくと、それぞれが一礼をしてから部屋を出ていった。
どうやら上蓋が無いタイプの木箱のようだ。
とりあえず上から順に空間収納に収納していく。
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空間収納 レベル1 22/100 上限1000
技能:収納 倉庫 解体 整理 消去
植物素材屑 0.4
木箱(蓋無) 6
綿織物 20
麻織物 20
毛織物 10
綿糸 50
麻糸 50
毛糸 30
絹糸 10
懐紙 1000
板紙 200
銅地金 2
鉛地金 2
鉄地金 2
硝子塊 5
小水晶 20
小魔石 20
紅玉石 10
蒼玉石 10
薬瓶 50
薬瓶栓 50
薬草 100
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布、糸、紙、金属、鉱物、薬草といった、なかなかな数の素材が用意されていた。王女様は試すのは晩餐会の後にした方がいいと言っていたが、試してみたいことがあったので、そちらに意識を集中する。
木箱(蓋無)を選び、解体と念じて、それから空間収納の中を確認する。
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空間収納 レベル1 24/100 上限1000
技能:収納 倉庫 解体 整理 消去
植物素材屑 0.5
木箱(蓋無) 5
綿織物 20
麻織物 20
毛織物 10
綿糸 50
麻糸 50
毛糸 30
絹糸 10
懐紙 1000
板紙 200
銅地金 2
鉛地金 2
鉄地金 2
硝子塊 5
小水晶 20
小魔石 20
紅玉石 10
蒼玉石 10
薬瓶 50
薬瓶栓 50
薬草 100
オーク板材 6
鉄釘 40
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オーク板材を確認すると、2m×15cm×1cmくらいの木の板という情報が表示される。試しに取り出してみると、合板ではないちゃんとした木の板が出てきた。錬成術すげえな。あと、空間収納もすごい。重さとか感じないし、安全な場所に取り出すことが出来るし。
まあそれは置いといて、紙屑も木屑も『植物素材屑』というくくりで纏められているのが気になったので、植物素材屑を確認してみる。そうすると植物由来の材料の屑といった説明が出てきた。
「うーん。紙屑も木屑も同じ扱いだから植物素材屑って名前なのかねえ?」
残りの木箱を解体した後、試しに綿織物を解体してみて、空間収納の中を確認する。
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空間収納 レベル2 23/200 上限2000
技能:収納 倉庫 解体 錬成 整理 消去
植物素材屑 1.1
綿織物 19
麻織物 20
毛織物 10
綿糸 52
麻糸 50
毛糸 30
絹糸 10
懐紙 1000
板紙 200
銅地金 2
鉛地金 2
鉄地金 2
硝子塊 5
小水晶 20
小魔石 20
紅玉石 10
蒼玉石 10
薬瓶 50
薬瓶栓 50
薬草 100
オーク板材 36
鉄釘 240
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おっ。空間収納のレベルが上がったぞ。なんか数字が大きくなっているし、技能欄に錬成が増えている。
さっそく錬成を確認してみると、源素を生成するとの説明が。うん。よくわからない。
試しに植物素材屑を錬成してみる。
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空間収納 レベル2 23/200 上限2000
技能:収納 倉庫 解体 錬成 整理 消去
綿織物 19
麻織物 20
毛織物 10
綿糸 52
麻糸 50
毛糸 30
絹糸 10
懐紙 1000
板紙 200
銅地金 2
鉛地金 2
鉄地金 2
硝子塊 5
小水晶 20
小魔石 20
紅玉石 10
蒼玉石 10
薬瓶 50
薬瓶栓 50
薬草 100
オーク板材 36
鉄釘 240
植物源素 0.5
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植物源素を確認すると、緑色の粉末のようで液体のようなものがイメージとして浮かんでくる。取り出してみようとしたが、空間収納から取り出すことは出来ないようだ。説明は植物の源素と実にシンプルである。
次に懐紙を100ほど錬成してみる。すると懐紙100は植物源素10に変換された。そんな感じで空間収納の中のものをサクサクと錬成していき、小魔石を錬成したところでものすごい倦怠感に襲われたので作業を中止し、空間収納の中とステータスを確認する。
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空間収納 レベル3 24/400 上限4000
技能:収納 倉庫 解体 錬成 整理 消去
綿織物 10
麻織物 10
毛織物 10
綿糸 30
麻糸 30
絹糸 5
懐紙 900
板紙 200
銅地金 2
鉛地金 2
鉄地金 2
小水晶 10
小魔石 10
紅玉石 10
蒼玉石 10
薬瓶 50
薬瓶栓 50
薬草 100
オーク板材 20
植物源素 70.9
生物源素 16
鉱物源素 5.2
硝子源素 5
魔源素 5
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キョウスケ・ムラサメ
レベル2
職業 錬成術師
体力 101/200
魔力 2/200
耐物 21
耐魔 21
俊敏 11
幸運 11
才能 異世界人・言語理解・創造・神秘・魔力錬成
技能 空間収納3・無属性魔法1・生活魔法1・鑑定10・素材理解4・測定1・調合1・錬成3・複製1
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空間収納のレベルも俺自身のレベルも上がっている。魔力が2って、さっきの倦怠感は魔力枯渇ってやつだったのか。やばいやばい。
体力と魔力は100上がったけど、他は1しか上がってない。うん。相変わらずの弱ステータスだな。
でもこれで戦闘を行わなくても技能を使っていればレベルが上がるということがわかった。地味にだけど。
晩餐会が終わったらある程度は回復しているだろうから、そうしたら源素を使って何か錬成してみよう。
生物源素は赤色、鉱物源素は金色、硝子源素は白色、魔源素は紫色の粉末のようで液体のようなものだった。硝子って鉱物とは別物になるんだ。知らなかった。
おそらく、源素を生成できるのは錬成術師だけだろう。空間収納の機能欄に錬成とあるのだから、錬成術師特有のものと考えるのが無難だ。
そうだとすれば、空間収納も錬成術師特製なのかも。まあ取り出せない素材が収納できる時点で確定だろうけど。
「後で幼馴染に空間収納のことを聞いてみるか」
そう呟くと再び机に突っ伏して、ゆっくりと目を閉じるのであった。願わくばこのまま晩餐会まで休めますように。