表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
揮染(キセン)の龍  作者: 月の銀兎
プロローグ
3/5

3、都市に到着‼︎


俺の家の玄関のドアを開けると、そこには紫色の長髪を持つ女子が待っていた。彼女はプクッと頬を膨らませ、俺に可愛く怒る。



「もぅ、夏晋っ、遅いよ!

バス行っちゃうよッ⁈」


「あぁ、悪りぃ悪りぃ」


「ちょっと、もう少し反省しなさいよッ‼︎」



彼女は俺の適当な返事に説教をする。俺の同級生兼幼馴染だ。


彼女の名は“(セキ)アオイ”。長髪の間からピョコピョコッと狐耳が生え、フワフワとした尾が6本ある。


彼女は、狐の妖曾(ヨウヒ)人間(ひと)のハーフだ。 田舎とはいえ、外でこんなにも堂々と姿を現して大丈夫か?と思うだろう。



この世界、いやこの時代では妖曾(…大昔の地輿星でいう妖怪)のハーフという人は珍しくない。


人間(ひと)の純血が全体の4割、妖曾の純血が全体の2割、そしてハーフが全体の4割ぐらいだ。俺は多分人の純血だろう。一度調べてみようかな?



俺たちはバス停へ走って向かう。


バス停への道の両側には田畑がある。


そこは春になると色とりどりの草花を咲かせ、秋には収穫物が色づき、黄金色の絨毯が敷かれる。今は冬なので雑草が所々生えているだけだ。



俺たちはバスにギリギリ間に合い、都市まで40分ほどバスに揺らされる事になった。俺たちは1番後ろの席に座る。


乗ってから20分間は俺たち以外誰も乗ってこなかったが、少しずつ人が乗って来て、最終的に人が入らないほどぎゅうぎゅう詰めになっていた。



都市の高さ50mの壁が俺たちを迎える。全部で6個ある巨大な門の1つを通り、都市の市民区に入る。道の両側にレンガ造りの立派な建物が並び、人々が行き交っている。道の端に喫茶店・酒場・呉服屋・雑貨屋などの色とりどりの看板が置いてある。



「わぁ、見て見て‼︎

店、たくさんあるよ!」



窓の外を見て少し興奮気味のアオイ。都市なんだから、店が多いのは当たり前だろうに…。俺は、『はいはい』と軽く返事を返し、窓の外を眺めていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ