表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
揮染(キセン)の龍  作者: 月の銀兎
プロローグ
1/5

1、賭けをしよう



西暦25**年、地球が悲惨な状況の中、神々のいる世界に、3人の人間(ひと)と3人の鬼が出向いたという。


その世界の名は“無界(ムカイ)”、唯一異世界とのバランスの影響を受けない世界だ。その世界の八割が海でできており、陸は全て独立した島である。その世界には多くの神々が集まっていた。


その中でも、各世界を創造した神々は強大な力を持っていたという。そして、その神々の前に3人の人間(ひと)と3人のの鬼が現れた。


神々は突然現れた彼らに驚きもせず、ただじっとみていた。4つの翼を持つ女神が口を開いた。



「あらぁ、人界の子供達、いらっしゃい。

私は、神の血を引くものが住む世界を創造した母神・“白陽黒月神”よぉ。よろしくねぇ。

あ、気軽に“クート様”って呼んでねぇ〜。白陽黒月神じゃぁ、長いものね〜」



クート様は6人を歓迎しているようで、子供達と呼ばれた6人は安堵した。彼らは正直言って、瞬殺されると思っていたそうだ。


クート様の呑気さに、4つの獣耳を持つ男神が怒った。



「おい、クート。

アンタな、少しは警戒しろよな‼︎アンタがそんなんだから、俺の部下が傷つくんだよ‼︎

少しは自覚をしろッ!」


「もぉ、晶狼(ショウロウ)ったら。

相変わらず部下思いよねぇ〜…。

あ、そうだわ。名前を聞いていなかったわねぇ〜。教えてくれるかしらぁ?」



やっと本題に入った。6人は『はいッ‼︎』と返事をした。


まず人間(ひと)の代表として、銀色の長い髪の女性が自己紹介をする。



「申し遅れました。初めまして、世界を創造した神々。私たちは陰陽師であり…」



3人は少し前に出た。彼女の右隣りにいる金色の長い髪の女性が膝をついた。



「彼女は、金蘭(キンラン)家の13代目当主・風里(フウリ)、そして…」



そして、左隣りにいる、青色の短い天然パーマの男性も膝をついた。



「彼は、山茶花(サザンカ)家の13代目当主・火座(カザ)。そして最後に…」



最後に銀髮の女性も膝をついた。



「私は、蘇桜院(スオウイン)家の13代目当主・淋奈(リンナ)。…以後お見知り置きを」



続いて鬼の代表として、紫の短い髪の女性が自己紹介を始める。彼女の右には緑の長い髪の青年と、左には、赤の短い髪の青年がいた。



「初めまして、創造神の方々…。

私は、金鳥(キント)家の3代目当主・花陰(カイン)

後ろにいる彼らも私と同じく鬼神です。

右隣りは、鬼霊(キリョウ)家の3代目当主・鉄鎖(テッサ)

左隣りは、精鬼(セイキ)家の3代目当主・(ナダ)

…以上計6名、ただいま参上いたしました」



彼らの自己紹介が終わる頃に、灰色の髪の少年(?)と水色の短い髪の少女(?)がやってきた。


少女が6人を一人一人見た。



「そうか…まぁ、また会えるのは稀だしな…。

…そうだ、君たち、私と【賭け】をしないか?」



彼女が何を言っているか、6人には分からなかった。少年が補足を加える。



「私たちは君たちの世界の創造神。私は“右京黒金(ウキョウクロガネ)”、こいつは“左京白銀(サキョウシロガネ)”。私たちが考えたのは、地球を出て行ってもらうこと。これが【賭け】」


「私たちは君たち人界の人々に2000年の猶予を与えようと思うんだ。もし2000年以内にこの星を出て行けなかったら、私たちは容赦せずに、君たちの全てを奪うよ」



彼女は6人をジロリと見た。その目はまるで虫を見るかのような、冷たい目。だが、すぐ楽しそうに微笑んでいた。



「まぁ、出ていくか出ていかないかは、君たち人間の自由だよ」


「そうだ、白銀!いいこと思いついた。

500年早く出ていったら、人界のものたちとの交流は途切れさせないでおこうよ?」


「君の気まぐれにしては、いいことを言うじゃないか、黒金‼︎

それじゃぁ、地球に似た、この先君たちが移住する星に門を用意しよう。そこからこの星に移動できるようにしておこう!」



つまり1500年で出ていくということだ。今の技術力であれば、何百光年もの距離を渡ることは可能だ。だが、地球と似てて、門がある星を探すのには苦労しそうだ。



「ただし、条件があるよ?」


「「「条件?」」」


「そう、君たちの子孫の【鬼と人間(ひと)のハーフ】じゃなきゃ、門が開かないようにするからね。

決まりだ。そう言うことで、よろしくね。

…まぁ、せいぜい人界のものらしく足掻くんだね」



6人は強制的に人界へ帰され、そして、西暦45**年…つまり、天暦5**年の冬。


ある少年の生活が始まる。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ