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この世界のことを整理しよう。

今のうちに自分の知る情報を整理しようと思う。


まず、レベルとは何か?

レベルとはその者の存在の強さを表し、レベルが上がればステータス数値が上がる。

だが全てのステータスが上がる訳でもない。どのような経験をするか、どのように戦うかで上がるステータスが異なり、またその上昇する数値も異なる。


ステータスには魔力・筋力・敏捷・耐久・感覚の5つがある。

魔力を上げれば魔力量(MP)や魔法の威力が上がる。

筋力を上げれば腕力や脚力の力だけではなく、握力など体全身の力が上がる。

敏捷を上げれば脚の速さだけではなく、攻撃の速度や身のこなしも早くなる。

耐久を上げれば体全身が頑丈になり、体力的にも肉体的にもよりタフになる。

感覚を上げれば視覚・聴覚・嗅覚などの五感機能が上がり、記憶力が良くなったり反射神経や思考速度が早くなったり、手先や身動きの器用さが上がったりする。


魔法使いならレベルが上がれば魔力数値は上昇しやすいが、筋力や敏捷などの身体能力が大きく上がる事は期待できない。身体能力の数値がまったく上がらない場合もある。

逆に、武器を持ち己の身体能力を生かして戦う武芸者達は、レベルが上がっても魔力数値は上がりにくく、その人の得意戦術などで筋力や敏捷性、耐久性や感覚性の上がる数値は異なり、レベルが上がっても上がらないステータスもある。


レベルアップには経験値が必要となり、経験値を得る方法としては魔物や人間などと戦う事だが、なにも戦う事だけが経験値を得る方法ではない。

剣の修行や魔法の練習でも、少しずつ経験値を得ることができる。



この世界で戦う者達には大きく分けて二種類―――武芸者と魔法使いという存在が居る。

まず武芸者とは己の身体能力に頼った戦術を得意とするが、まったく魔力を使わないわけではない。

魔力操作という技術で体内の魔力を操作し、強化したい体の部分に魔力を流し集める事で筋力や耐久度を高めることが出来る。さらに感覚も強化して目を良くする、耳を良くする、反応速度を上げることも可能である。

武芸者の技術は他にもある。魔力操作よりさらに高度な技術―――体内の魔力を体外へと放出し、体の一部や全身、武器などにも魔力を留め付与する事で、その部位の威力や耐久度を飛躍的に高める技術、これを魔力付与と言う。


しかし魔力付与は一朝一夕で出来る芸当ではない。


魔力を体の外へ放出し、放出した魔力を収束し留め、さらには付与を維持する技術は、長く厳しい修行でようやく実戦に使えるレベルとなる。

魔力付与の強化は、魔法の【強化】とは違い、純粋な魔力をそのまま使う分威力が高い。武芸者の高い身体能力に魔力付与による補助が付けば、魔法にも劣らない大きな力へと変わる。


さらに武芸者には武芸者たる所以、魔力(MP)を消費する事で武芸という特殊な技を行使する事が出来る。

厳しい鍛錬と尋常ではない気力で得られるこの武芸は、魔法程ではないが人の常識を超えた力があり、攻撃だけでなく移動・防御・回復・回避・感覚強化・身体能力の向上など、様々な種類がある。




そして魔法使いとは、呪文を詠唱し魔力(MP)を消費して魔法を発動させる事で、仲間の補助や回復、敵への攻撃など、様々な魔法を行使する事で、人としてあらゆる可能性を持った者達の事である。


魔法使いは人が生まれながら持っている属性により得意な魔法が異なる。

属性には火、水、氷、風、土、雷、闇、光、木、命、幻、門、の12種類の属性がある。

火、水、氷、風、土、雷の属性を持っている者は多いが、闇、光、木、命、幻、門は珍しい属性として持っている者は少ない。

属性による魔法は、攻撃に移動や守り、封印や回復、呪いや幻術など特異な魔法が異なる。火属性なら攻撃を得意としているが、だからと言って火属性に回復に転移。幻術や呪いなどが無い訳ではない。

他の属性も同様である。


唯一、命属性にだけ攻撃魔法はない。門属性の魔法も召喚と転移しか出来ず、召喚が出来るのは門属性だけである。

人により持っている属性の数が異なるが、最低でも二つは持っており、三つ持っている者は希少で、四つも持っている者はさらに希少である。

高等魔法として属性同士の魔法を組み合わせる魔法もあるが、その際は属性の相性が重要である。


自分の持っていない属性でも、他の属性の魔法を覚える事は出来る。しかしその威力は属性を持っている者と比べると遠く及ばない。

例えば、火属性を持っている者なら火の魔法の力を90~100%引き出す事ができるが、火属性を持たない者が魔法を使っても、精々20%程度の力しか引き出せない。

そもそも自分の持ってない属性の魔法など、覚えるだけでも困難である。


魔法は属性魔法だけでなく、どの属性にも区分されない無属性という属性があり、生活魔法、強化、封印、魔弾、結界、使い魔、障壁、念話、念力、占い、転移、錬金術、探索などなどの魔法使いなら鍛錬すれば殆どの者が習得できる基本的な魔法がある。

魔法の詠唱には特別な発音が必要で、難しく魔法の素質がなければ発音も聞き取りもできない。なので魔法使いでない者が詠唱を聞いても何を言っているのか分からない。

強い魔法を使うほど詠唱は長く複雑になる。


魔法には初級、下級、中級、上級、精霊級、幻想級、神話級というランクがある。

初級ではただ火や雷などを発生させるだけで、さほど威力はない。

下級は個人に向ける魔法で、一人や二人を対象に使う。

中級は軍隊など複数の団体を対象とし、数多くの相手に使用する。

上級の攻撃魔法ともなれば、城や山をも吹き飛ばす威力がある。

精霊級の魔法では大陸すら消滅させ、天変地異すら引き起こし、ほぼ核ミサイルと同等―――もしくは以上の威力がある。

幻想級では俺達の世界の地球一つ分、つまり星一つ分の面積を消滅させる力が有る。もしくは星一つ分に影響を出す魔法がある。

神話級にもなると、世界そのものに影響を与える……らしい。

人間が使える魔法は最高でも上級魔法までが限界で、精霊級や幻想級、神級などの超高位魔法は人の身では届かないとされている。


魔法使いは行使できる魔法により、様々や役割がある。

代表的なのが以下のような存在だ。



自分の持つ属性魔法で攻撃や守り、味方の補助や相手の妨害を行う一般的な魔法使い―――魔導士。

どの属性魔法も攻撃や守り、癒しに束縛、呪いに補助などの魔法が有るが、属性によりその得意分野は異なる。

火属性や雷属性なら攻撃力の高い魔法が多い。氷属性や土属性なら束縛系や封印系魔法、魔法により作り出す武器やゴーレムなどの造形魔法が得意である。



門属性を持ち、召喚生物や召喚現象を呼び出す魔法使い―――召喚士。

召喚の魔法は他の魔法と違い、魔法を覚えた後でその召喚魔法と契約するという特別な工程がある。召喚魔法と契約しなければ魔法は使えず、契約にも様々な種類がある。

召喚生物系の魔法なら、呼び出した生物を倒さなければ契約できない……なんて事や、生贄を捧げたり、契約時に大量の(MP)を消費するだけで契約出来る事もある。


召喚士が魔法と契約できる数は無限ではなく、その者の存在の器により大きく左右される。高位の召喚魔法なら人により一つしか覚えられなかったり、低位の魔法を複数覚えるだけで契約数が限界を迎える者もいる。

なので、せっかく結んだ契約を破棄したり、魔法文字が扱える者なら自分の代わりに魔道書や巻物に契約の印を記し、その魔道書を媒介にする事で魔法を使う者もいる。

契約数を増やす為の存在としての器は、レベルや魔力数値を上げる事により上がる。



闇属性を持つ、本物の呪いを掛ける魔法使い―――呪術士。

呪いには様々な種類がある。相手を苦しめ殺す呪いもあれば、自分や相手の姿形を変えさせてカエルやカカシなどに変身させるおかしな呪いや、相手を様々な状態異常に陥れる呪い、自動的な傷の再生や幸福を齎す呪い、厳しい戒めを自分に科す事で力を上げる呪いなんかもある。


魔力数値の高い者は、魔法に対する耐性を持ち、魔法に抵抗することが出来る。

束縛系の魔法や、状態異常に陥れる魔法などは耐久数値を上げても抵抗出来る物ではない。あからさまな攻撃魔法は耐久数値によりダメージが変るが、それでも魔力数値が高ければ多少は低減される。

しかし呪いに関しては話が別である。

魔力数値が高ければ呪いも多少は低減できる―――が、それで気持ち程度である。

呪いに対抗するには、呪いによる耐性を特別に付けるしかない。魔法使いが身を護る為に使う魔法障壁でも、ただの障壁では呪いはすり抜けて防げず、障壁にも特別な物を用意しなければならない。


命属性を持ち、本格的な癒しを行える魔法使い―――治癒術士(ヒーラー)

属性すべてに自身や他者を癒す回復魔法があるが、命属性の回復魔法は他の属性魔法による回復魔法の比ではない。

打撲や骨折の、切り傷や火傷など負傷した体を癒し、毒や麻痺などの状態異常を治し、呪いの解呪までも、命属性の魔法は治癒に特化している。



無属性魔法の錬金術を使い、調合や作製系の技術やスキルが無くても、魔法陣と素材さえあれば、どこからともなく薬や道具、武器を作り出す魔法使い―――錬金術師。

【錬金】は素材の理解し、正しい知識が無ければ物を作り出す事の出来ない、魔法以外の知識も必要な難しい魔法である。

しかしその錬金術師が齎す物は大きい。

必要な道具もなく、紙や鉄、薬や食材すらも作り出す……ある意味では様々な行程を無視できるその行為は、あらゆる場所で必要とされる存在である。

これらが魔法使い達の代表的な例だ。





そしてステータスについては―――魔力・筋力・敏捷性・耐久・感覚の数値はレベルが上がれば数値も上がるが、体を鍛えるだけでも身体的なステータスは上昇したり、魔法の訓練を積めば魔力数値や魔力量(MP)は上昇したりする。

しかし長い訓練を積んでいてもステータス数値はそう簡単に上がりはしない。

ステータス数値は、レベルアップの時に手に入るステータスポイントを割り振る事で好きなステータス項目の数値を上げる事ができる。


ステータスには個別能力という別枠があり、基本ステータスの5つが個人の全体的な能力を向上させるなら、個別能力は特に鍛えたい部分を選んで能力を上げる事ができる。

足に腕や指、目や耳や内臓などの部分だけを特別に強くする事も出来る。魔法使いなら魔力回復、魔力収束、魔力回路、魔力濃度、魔力量などを個別に上げられる。

個別能力を上げたいならステータスポイントを割り振る方法が基本である。



次にスキルとは―――生まれ持った特性や加護、才能などを特殊な能力として発動させられる魔法とはまた違う奇跡の力であり、高レベルのスキルは魔法以上の力があり概念にすら干渉する。

スキルは訓練や経験を積んでも必ず手に入る物ではなく、いくら努力しても才能が有る者でなければスキルとして現れる事はない。

スキルは使い続けるか、ボーナスポイントを割り振る事でレベルを上げる事ができる。

スキルにより上げられるレベルの最高が異なり、レベル5・7・10などと別れている。スキルレベルに10以上のレベルはない。

スキルによってはレベルの上下で能力が変化しない物もあり、初めからレベル5や7や10とレベルが固定されているスキルがある。

特にレアなスキルにはレベル以外の階級として★が付いている物があり、★の数が多いいほどレアなスキルである。



ステータスポイントとは訓練や戦闘終了後などで手に入り、またはレベルが上がった時に必ず手に入るポイントである。ボーナスポイントとは何かのきっかけに稀に手に入るポイントで、レベルが上がった時でも必ず手に入るような物ではない。

ステータスポイントは基本ステータスと個別能力に割り振れ、ボーナスポイントの場合はさらにスキルにも割り振れる。スキルにポイントを与えればそれだけ早くスキルレベルが上がりやすくなる。




と、いうのがこの世界の人間が成長する為に知っておかなければならない事だ。

ステータスやスキルやレベルなど、頑張って習得したりレベル上げたりする物なのだろうが……俺はチートの指輪やピアスを手に入れ、頑張ればこの世界で最強の存在になれるのではないかと思う。


だってこの〈覇王の証〉の指輪さ、ステータスポイントやボーナスポイントが手に入りやすく、通常より多く手に入り、また所有する全ポイントの数値分をポイントが使える物には全ポイント分で各スキルやステータスに与えることが出来るって……全ポイントで与えられるってアホじゃない?

神様が悪ふざけで作った代物じゃない?

例えばステータスポイントが100あって、ボーナスポイントが20あったら、魔力、筋力、敏捷性、耐久性、感覚性に120ずつ与える事ができるってことでしょ? 

レベルが上がりにくくなる? いーよいーよ。そんなの気にしないって。その分普通にレベルが上げるより強くなるんでしょ? 充分ですよ。


「よしっ‼」


こうして、俺の地獄での訓練は始まる。




取り敢えず今は魔物を倒してレベルアップだ。

だが魔力が足りず〈竜魔刀〉は使えない。使うなら〈無敵の1分薬〉という薬液を飲んで、ステータスとMPが1万+されてからだ。

数えたが〈無敵の1分薬〉は全部で12本。大切に使わなければならないが、レベル0から脱出する為にはさっそく飲むべきだろう。

そしてMP1万なら〈竜魔刀〉が100秒は使えるが、1分しか薬の効果がもたないから実際は60秒の戦闘だ。

〈無敵の1分薬〉でステータス1万+され、さらに〈竜魔刀〉でステータス1万+される。敵が多いい所に行って、薬を飲んで大暴れすればポイントは手に入りレベルも上がるはず。


まずは魔物の多い所を探さなきゃな。

いつでも飲めるように右手に瓶を持ち、腰の左に刀をさす。

最初は左手に薬を持って、右手は開けといた方がいいのではないかと思ったが、薬を飲む前にとっさにこの刀を抜いてしまったら、魔力が足りず生命エネルギーを吸い取られ一瞬のうちに陀仏だ。


さっきまでとは違い、洞窟の通路を走り回ったりなんかしない。

念のために「気配遮断スキル」を使い存在感を薄くする。

テクテクと進んでいくと出口が見えて来た。

ゆっくり出口に近づき、中を確認すると―――そこは部屋と言うより穴だった。

出口の先に道はない。大きな穴があり、下には何らや無数に蠢く生き物が見える。時折魔物と思われる猛獣たちの鳴き声や、戦っているような激しい音が聞こえるが……下は暗いし穴が深くてよく見えない。


〉「聞き耳スキル」:レベル1を得た。

・小さな物音も聞き逃さず、レベルが上がれば遠く離れた相手の内緒話しま聞ける。

〉「暗視スキル」:レベル1を得た。

・暗闇の中でも昼間のように視界が明るく、レベルが上がるほどに鮮明に見えるようになる。

〉「遠見スキル」:レベル1を得た。

・望遠鏡など無くとも、遠くの彼方までよく見えるようになる。


…………うん、ホント便利だね。

スキルってとても希少な能力の筈なのだが、こんなに簡単にスキルが手に入っていいのか? とは思うが今はありがたい。


穴の下を覗くと、そこはパッと見では蠱毒みたいな場所だと思った。

壺の中に大量の虫を入れて殺し合わせ、最後の一匹を決めるってやつ。

穴の下ではまさに蠱毒のように多種多様の魔物が殺し合っている。魔物が死んでも死んでも次から次えて魔物達が何処からかやってくる。魔物達の血の匂いに誘われたのか、全然下の魔物が減る様子は見られない。


おいおい、迷宮で魔物の数を減らすのは人間の役目じゃないの?

勝手に殺し合ってくれてるけど、ここの迷宮は普通の迷宮とは何かが違うみたいだ。いや他の迷宮の事なんて知らないけどさ……。

取り敢えず薬を飲んで下に突っ込んでみるか。でも正直怖い。

それに帰りはどうしよう? ここまで上がって来れるかな? 

考えれば考えるほど負の感情が心を支配していく。


きゅっ―――ごくごく!


ここまで来たら考えるより行動しろ!

蓋を開け勢いよく薬を飲みほし、全身の力が異常に上がるのを感じ始める。

そして〈竜魔刀〉を鞘から引き抜くと、刀から禍々しい力が体に流れてくるのを感じた。鞘も黒いが、刀身はもっと黒く柄も鍔も黒い刀。そして魔力(MP)を急激に取られているこの感じ……正直痛い。

とにかくすでに5秒たった。

もたもたしてられない。俺は穴に飛び込み真下にいた魔物を一刀両断。豆腐でも斬ったようにスパッと綺麗に斬れる。

何を斬ったのか確認する時間も惜しい。今はとにかく周りの生物を殺しまくるだけだ。

俺を見た魔物達はすぐに襲いかかって来た。それを〈竜魔刀〉で斬る。殴って砕く。足で踏みつぶす。魔物の角を折り突き刺す。魔物を片手で持ち上げて投げる。ただ暴れるだけで下手な殺し方だが、今は我武者羅に殺す事しか考えられない。

ただ無我夢中に戦った。返り血を滝のように浴びても気にならない。


「はぁ、はぁ、はぁ―――」


今、俺はどこかの通路で息を切らしながら座り込んでいる。


「やばい、1本だけのつもりが、3本も飲んじゃったよ」


戦いに夢中になり過ぎて、ついつい3本も貴重な薬を使い戦ってしまった。

そして薬の効果が切れる前に全速離脱。敏捷性2万のスピードは音速を軽く超えた。光速までいかなくとも、常識はずれの速さだ。人間が出していい速さではない。

とにかく逃げ回って今は何処かの通路にいる訳だ。

戦いの成果を見ようと、ステータスをチェックする。


レベルは……2だった。

あれだけ強そうな魔物を殺しまくってたったの1レベルしか上がってない?

どんだけレベルが上がりにくいんだよ。

次にステータスを見ると、


MP(魔力量):3567

魔力:169

筋力:171

敏捷:172

耐久:170

感覚:173

スキル:「遠見」「聞き耳」「気配遮断」「暗視」「観察」「鑑定」「怪力」「炎耐性」「鉄肌」「投擲」「風虎の爪」「電光石火」「渾身の一撃」「体内発電」「鷹の目」スキル。

ステータスポイント:120ポイント

ボーナスポイント:30ポイント


いや……でも……レベル2にして、これか。

ポイントはまだ使わず貯めておこう。スキルはなんだか自分から生まれた物と魔物から手に入れた物がごっちゃになっている。でもこれで自分に自身がついてきたよ。

これなら、もう薬を飲まずともここの魔物の一匹くらい相手に出来るかもしれない。

魔力(MP)も3567もあれば35秒は〈竜魔刀〉を使える。けれど魔力(MP)を無駄にしたくないし、居合切りのような感覚で刀を使ってみようかな。

もしかしたら居合切りのスキルも手に入るかも。


さっきの蠱毒部屋に戻るのはまだハードルが高いので、適当に歩いて魔物を襲う事にした。今までの襲われる側から今度はこちらが襲う側になるというのは気分がいい。

「聞き耳スキル」で小さな物音を聞きながら魔物がいる方向へ足を運び、熊みたいな魔物を見つけたので後ろから一瞬で近づいて〈竜魔刀〉で一刀両断。

すぐに刀を鞘に戻そうとして、上手くいかなかったから刀を投げ捨てた。

危ない危ない。

鞘に入れていないと魔力を吸われてしまうのだ。

だがやはり今のでも「居合切りスキル」は手に入った。


そのまま出会いがしらに魔物を倒していこうとしたが、魔力(MP)回復に凄く時間が掛かった。35秒など使い分けてもすぐに使い尽きてしまうし、魔力(MP)を100回復するだけでもだいたい8時間も掛かった……。

〈竜魔刀〉に頼らない戦う技術も覚えないとな。


そう言えばお腹がすいたぁ~っと思いながら、色々な場所を探索していると、謎の赤と緑の実が沢山実っている空間を見つけた。その実を鑑定すると、赤と緑の実を一緒に食べないと猛毒で死ぬという食べるのが難しい実だと分かった。

試しに二粒同時に口へ入れてみるが……何の味もしない。

だけど少しだけ空腹感が満たされた気がする。この迷宮にだけ存在する不思議な実なのか……まぁどちらにしろこんな物でも助かる。


魔力(MP)が回復したらまた魔物探しを再開する。

すると幽霊のような黒いボロローブを被ったフワフワ浮いている魔物に出会う。こいつはマシンガンのように勢いで多様な魔法を使ってきたが、相手の魔法連打を容易に避けながら、〈竜魔刀〉を抜いて一瞬で距離を詰め斬り裂いた。

感覚性と敏捷性が高くなっても、休みなく強力な魔法を連打する相手には近づくのも苦しい筈だが、〈竜魔刀〉を引き抜けば異常なスピードで間合いを詰め、距離などないに等しい。

そしてこの魔物を倒した事で、気になるスキルを手に入れた。



〉「高速詠唱スキル」:レベル1を得た。

・詠唱を早く終わらせることが出来る。

〉「無詠唱スキル」:レベル1を得た。

・魔法はトリガー(引き金)となる魔法名を唱えなければ発動できないが、呪文の詠唱がなくても使えるほどに慣れた魔法ならトリガーとなる魔法名すら必要なく無詠唱で発動できる。

〉「複数魔法同時展開スキル」:レベル1を得た。

・魔法を複数同時展開できる。

〉「浮遊スキル」:レベル1を得た。

・浮かぶ事が出来る。

〉「魔力吸収スキル」:レベル1を得た。

・生き物から魔力を吸収し自分の物に出来る。高レベルになるほど生き物から植物へ、無機物から大気中の魔力まで吸収できる。

〉「呪い耐性スキル」:レベル1を得た。

・呪いに対する耐性がつく。

〉「闇耐性スキル」:レベル1を得た。

・闇の力に耐性がつく。



魔法に関するスキルが手に入った。

〈覇王の証〉のおかげで魔法を使ってなくとも魔力数値が上がるから、魔力も魔力量(MP)も俺は高い。なら魔法を覚えるべきだろう。


でもどうやって?


今のところ魔法について分かりそうな場所は、あの骸骨達が眠る場所だろう。

確か持ち込んだ荷馬車の荷物や地面に散らばっていた本が幾つかあった。わざわざこんな場所に持ってくる本なら、魔法関係の本かもしれない。

それにまだ他にも死んでしまった人間がいて、何か持ち込んでいるかもしれない。


俄然探索にやる気が出てくる。

そうなると、魔力(MP)回復に時間を掛けているのは勿体無い。


だからステータスポイントを使う事に決めた。

ボーナスポイントはまだとって置くが、〈覇王の証〉の効果でポイントの全てを全ステータスに与えられるのなら、今使っても後で使っても同じだ。

ステータスならスキルみたいに後から増える物はないしね。


だからまずは全ステータスと、個別能力で選択できる全てにポイントを与える。

身体的な個別能力なら―――腕、拳、指、脚、足、肘、膝、関節、柔軟性、骨、爪、毛、皮膚、血、味覚、鼻、耳、目、喉、顎、歯、毒や病気や痛覚の耐性、自然治癒、器用さ(体の動かし方や手先の細かい操作)、脳(記憶力や思考速度)、反応速度、第六感(危険察知や勘による未来予測)、肺や胃などの内臓全て、魔力操作、魔力付与、属性付与、魔蕾開花、魔力放出(体のツボから)、魔力収束などなど……全てにポイントを与えた。


魔法使いとしての個別能力では―――魔力収束、魔力回路、魔力濃度、魔力感知、魔力生成、魔力最大量(MP)、魔法詠唱、魔法文字、魔力放出(魔力回路から)、魔力操作、魔力維持、魔力形成、魔法融合、魔法発動範囲、魔法効果範囲……などなどにポイントを与えた。

ステータスポイントはまた増えて現在145ポイント。

個別能力はステータスと違い、武芸者向きと魔法使い向きの能力に分れる。

魔力放出や操作、収束が武芸者と魔法使いの両方にあるのは、どちらも魔力を外に出す力や操作が必要であり、魔力放出に限っては魔力を魔法に使うか魔力付与に使うかで、体のツボや魔力回路から出すかなど放出する場所が異なる。

しかし魔法の場合は魔力放出を鍛えても使えず、発動対の補助が必要不可欠である。

また上げられる個別能力はその者の個性で異なる為、本来なら全部が全部指定できる対象として表示されないのだが、それも〈覇王の証〉の指輪のおかげで個別能力の全てを選択できるようだった。



そのおかげでご覧の通り、

MP(魔力量):5489

魔力:314

筋力:316

敏捷:317

耐久:315

感覚:318

となった。



個別能力も全て数値が145になっている。物によってはもう少し数値が上の物もある。

そしてなにより魔力生成の個別能力を上げることができたのが嬉しい。今まで魔力(MP)100回復するのに8時間くらい掛かっていたが、今では1時間くらいになった。

最初に比べてだいぶ良くなっている。スゴイ進歩だ。

これでより効率的に魔物を狩り、この迷宮を探索できる。



そこから俺はこの迷宮を隅々まで探索しまくった。

そこでまず思う事は……この迷宮広すぎるよマジで。

迷路のように入り組んだ構造。もと居た場所に戻るだけでも一苦労。そして何より安全な場所がなかった。

この迷宮には特に強い魔物達がそれぞれの縄張りを持っているらしく、うっかりその陣地に侵入しようものなら壮絶な殺し合いが始まる。

だから安全な場所を自分で作る事にした。最初に俺が落ちた湖の場所であの化け物恐竜を倒し、ここはそいつの以外に魔物がいなかったのでこの空間に結界を張って自分の陣地とした。


そう―――俺は魔法を覚えたのだ。


迷宮を探索している中で、この迷宮に来た騎士や兵士や魔法使い達の骸を見つけては持ち物を漁り、荷馬車の残骸を見つけては荷物を漁り、いろいろな物を自分の陣地に持って帰った。

その中で見つけた魔法に関する本や巻物を読みあさり、俺は魔法について学んだ。





魔法を覚える方法は大きく分けて二通りある。

まず自力で魔法を覚える方法として、体内に眠る「魔」に問い掛け魔法を習得する「魔問」という行為がある。

意識を集中させ、体内に流れる魔力から「魔」の力を目覚めさせ、上手くいけばそれで何らかの魔法の呪文が不思議と頭に浮かび魔法を覚える事が可能になるのだ。


しかし、「魔問」で魔法を覚えるのはもちろん簡単ではない。

なので、普通は魔法使いが覚えた魔法を魔法文字に変換して書き記された魔道書を見て魔法を覚えようとする。

しかし魔道書などなかなか世間一般に出回ることなどない。

魔法使いの苦悩はいつも、呪文の詠唱する為に四苦八苦することと、それを乗り越えても数多くの魔法を覚えたいのになかなか習得出来ないという苦悩が付きまとう。

自分に無い属性の魔法を覚える場合、「魔問」や魔道書などからでも覚える事は可能ではあるが、「魔問」で覚えるのはまず不可能な程に難しく、魔道書からでも覚えるのは難しい。


「魔」を言葉に表す行為を詠唱と言い、詠唱している「魔」の言語を呪文と言う。

魔法使いではない者が呪文を聞いても何を言っているのか理解する事はできず、発音する事もできない。

そして魔法文字は「魔」を字として表す行為であり、詠唱よりもさらに難しい技術である。そしてやはり魔法使いでない者が魔法文字を見ても何と書かれているのか分らない。

異常なほどに魔法文字に長けた高位の魔法使いが作る魔道書や巻物なら、魔力(MP)を流すだけで書かれている魔法を発動させる代物まで作り出せる。

しかし魔法を発動させるまでの魔道書や巻物なんかは魔力の通りがよい特別な紙で作らなければならない。


魔法文字は円と魔法文字の組み合わせ、魔法陣を描けるのが大きな特徴がある。

魔法陣がある事で魔法の威力を上げたり、まだ使えこなせていない魔法も魔法陣により安定した力で放つ事ができる。





これらの事をまとめると……俺がいくら魔法文字の個別能力数値を上げ、魔道書や巻物に記されている魔法文字を読んでも、魔法を覚えられる訳ではない。

何の魔法が書かれているのか、この魔法の呪文はどのように発音するのか、そんな魔法文字の理解力や技術が上がるだけで、書かれている魔法を自身に取り込み習得できるのとは別問題なのだ。

魔法を得るには、やはり才能がいる。


だが俺の場合は〈天の才を受ける者〉の効果で、何となく魔法文字を読んだだけで魔法を簡単に覚えられた。

さらに「魔問」を行ってもすぐに沢山の魔法を手に入れる事ができ、自分の所有していない属性魔法も簡単に覚える事ができた(使えるが威力は低い)。

魔法の才能まで補助してくれるとは、何てチート過ぎるアイテムなんだ。


魔法を発動させるには充分な魔力量(MP)を体外へ放出させ、放出させた魔力(MP)が魔法として固まるように収束させ、収束させた魔力(MP)を魔法へと正しく組み上げて構成させる能力が必要である。

しかし人間にそれだけの能力はない。

武芸者のように訓練により魔力を放出させ、魔力付与を行う技術とは違い、魔法は魔力回路を通し体外へと魔力を放出して魔法を構成させる為、ただ魔力を放出する訳ではないので同じ魔力放出でも大きく違う。

だからそれを補助する発動体が必要なのである。発動体は杖や指輪などがあるが、俺は魔法使いの遺体から良さそうな指輪の発動体を勝手に貰った。


覚えた魔法の中で一番ありがたかったのが【禊】という無属性の高等魔法で、服や体や武器の汚れを綺麗にし、体の中の汚れ(胃や肺、尿意や便意なども)を解消し、さらに毒やある程度の呪いなども荒い流す事が出来る高等洗浄魔法だ。

所々ケガをして血が出ていたり、汗や泥などの汚れも凄かったので、風呂とかに入って体を洗いたいと思っていたからこの魔法を覚えて使った時は本当にサッパリした。

それはもう凄く爽快だった。


結界や障壁、魔弾なども覚え、初級から上級魔法までのあらゆる雷系や土系の属性魔法も沢山習得した。

魔法を覚えたら使いたくなり、いつまでも〈竜魔刀〉に頼りきる戦術から抜け出す為にも、魔法とそこらで拾った良さそうな剣で魔物と戦ってみた。

するとどうだろう……普通に苦戦した。

いや勝つには勝ったが、思ったより苦戦してしまったのだ。俺はレベルこそ3だがそこらの騎士並みに強いと思っていたのに……ここの魔物は本当に強い。


そしてここに来てから3週間はたった。

感覚性の数値が高い俺は、体感時間までも正確になっている。そのため時計いらずで時間が分かるほどだった。

探索や戦闘、魔法の練習や迷宮での素材集め、魔物の素材で武器や道具を自分で作ってみたり、覚えたスキルをいろいろと実験してみたり、魔物で料理してみたり、服もさすがにボロボロになってしまったので魔物の素材や骸骨達の荷物を奪い新しい服を作ってみたり……忙しい毎日だった。

「魔問」で無属性魔法の錬金術も覚え、物質の構築や分解などを行い、いろいろ作る方法を身に付けたのだ。その中にも何かを作る際に「道具作成」「陣地作成」「武器作成」「防具作成」「調理」「調合」「罠作成」のスキルが手に入っている。

ホントいろいろ学べた、充実した3週間だった。


しかし……その、あれだ……俺はこの3週間で、実は2度死んでしまっている。

しかも同じ相手にだ。


いやホント〈再誕の首飾り〉がなければ人生終わってた。

だが俺は自分がチートだからと調子に乗り過ぎていた訳じゃない。不意をつかれた訳でもない。〈竜魔刀〉を持って普通に戦ったが、ただ相手の方が強かっただけだ。

いつものように迷宮を探索していたら、美し過ぎる蒼い瞳をもった白い大蛇と遭遇した。〈天の才を受ける者〉の効果で「観察スキル」をレベル10にして相手のステータスを見ると、



魔神:〈白神蛇〉

・魔神メドューサの子孫

・魔神眼という特別な瞳を所有し、その瞳に映した者に数多の呪いをかけ、見た相手や場所に瞬時に魔法を掛けられる。

ステータス数値

魔力:3万7500

筋力:2500

敏捷:4350

耐久:1600

感覚:3020



となっていた。

てか魔神かい。

しかも「魔眼」ではなく「魔神眼」なのが気になったが、まず魔神メドューサの子孫と見てすぐにヤバいと思った。〈竜魔刀〉を引き抜き速攻で斬り掛かる。


メドューサの子孫というだけあり、想像通り相手は魔神眼で石化の呪いを使ってきやがった。

だが〈竜魔刀〉により魔力が+1万になっている今の俺には、魔法にも呪いにも強い抵抗力がある。なのですぐには石化にはならず、徐々に手足から石に変わり始めた。

……体は意志になるなどたまったもんじゃない。


ここ数日魔物との戦いづくしで傷を負う事も、勢いに任せて大胆な行動も躊躇なくとれる事も多くなり―――俺は思い切って石化した左手と両足を切り落とし、「超高速再生スキル」で即座に再生させた。


けれど……回復した手足もまた石化が始まる。

ダメか。これは呪い自体を解かなければならないようだ。

全身がすぐ石にならなくても、手足が石になっては動けもしない。

動けないまま、俺は〈白神蛇〉の眼に見られただけで魔法の連打を体に直接受け続け、あっさりと死んでしまった。


魔法が飛んでくるのではない、気付いた時にはもう魔法を食らっている状態なのだ。

―――魔法で作り出した剣が、手足や背中にいつの間にか突き刺さっていた。

―――突然、俺はいつの間にか炎の嵐の中心に居て燃やされていた。

―――雷の竜にいきなり食い付かれており、俺はその雷の竜の姿を、食い付かれるまでに見る事は一度もなかった。

―――各属性の魔法の弾が数千と飛んでくる……のではなく、体中に当たっている所から始まり、全身がボロボロになった。


こんなの俺が動けようと動けまいと関係ないぞ。

〈竜魔刀〉で魔力や耐久数値が+1万となっていても、強力な魔法の連打で俺の体はボロボロになり、文字通り手も足もでないまま簡単に死んだ。


そして数秒後に復活すると、俺が死んだと思った〈白神蛇〉は幸いにも俺から目を離していた。

俺の体は完全復活し、邪眼の効果も消えている。すぐに〈無敵の1分薬〉を飲んで全ステータス+2万にるすると、相手が振り返る前に間合いを詰めた。


不意打ちによる即死狙いで突進する。

しかし―――俺が〈白神蛇〉を切り裂く前に、ぐるんと首が振り返り、その怪しい輝きを放つ瞳に睨まれた。

けれど俺は魔法など食らわない。

〈白神蛇〉は魔力数値こそ高いが、感覚数値はそこまで驚異な数値ではない。

だから俺は臆せず、相手の動体視力を遥かに上回る超速度で動き、相手に魔法や邪眼を掛けられる前にその場から瞬時に離脱を続けた。

見られるだけで掛かる魔法も、俺の残像に当たるだけ。

そして間合いを詰め、今度こそ白神蛇を何百もの肉塊に―――変える前に相手が魔法で転移した。


どこへ?

頭上だ。


見上げると、〈白神蛇〉に睨まれていた。

ああ、これはもう遅い。

魔法を食らう。

それでも勢よく跳躍し、少しでも相手の近づけるように迫る。


突然体が燃えた。

骨も残さず灰になった。

いったいどれ程強力な魔法を使ったのか。あまりに強力過ぎて痛みも無い。

けれど俺は灰になっても数秒で復活した。〈白神蛇〉はもう眼前。

しかしまた相手は転移で逃げようとしている。もう姿が消えかけている。


させない。


指先で器用にポケットから〈無敵の一分薬〉を取り出し、試験管を噛み砕きガラスごと液体を飲みこんだ。

そして〈竜魔刀〉の特殊技能―――魔力(MP)1万を消費する【白夜】で、もう姿が消えそうな白神蛇を空間ごと細切れにする。

夜も白く染めるほど綺麗なこの白い斬撃は、異世界というファンタジーの中でも不思議な分類に入るのだろう。

切り裂いた空間が捻じ曲がり、〈白神蛇〉の無残な肉塊が彼方此方に転移した。

〈白神蛇〉を倒した事で、俺は「魔神眼スキル」と「超高速再生スキル」を手に入れた。



と、この3週間でそんな事があった。

本当にここは危険な場所ばかりだ。

魔神とうっかり遭遇など勘弁して欲しいよ。


たまには【禊】の魔法ではなく、普通に顔でも洗ってさっぱりしようと、腐っていた水を浄化の魔法で綺麗にして水を両手で掬う。

水面に映る自分の瞳が、異常なまでに美しすぎるほど蒼く輝ていた。

そういえばと……手に入れた「魔神眼スキル」を確認してみた。


〉★★★★「魔神眼スキル」:固定レベル5を得た。

・魔神眼の特殊能力【邪眼】が使え、目に映る相手に数多の強力な呪いを掛けられる。【邪眼】は魔神眼にしかない能力である。特に強力なのは石化の呪いであり、どんな生物も不老不死の化け物でも石になってしまう。

・目に映る相手や場所に詠唱や魔法名を唱える必要もなく、見ただけで瞬時に魔法を掛けられる。その距離に限界はなく、自分の目に映ればどんな所にも魔法を掛けられる。

・この魔神眼は魔法の発動体にもなり、幻想級の魔法までなら発動が可能である。

・魔神眼の特殊能力【理への干渉】が使える。瞳に映る万物や事象や理に干渉し、改変する事ができる。しかしどんな小さい干渉でも多くの魔力(MP)を消費する。

・魔神眼や魔眼は万物の魔力を見る事ができる。さらに霊視や未来予測など、人により魔眼の能力は異なるが、魔神眼には多くの能力が備わっている。そして目による特殊能力が増えやすくなる。

「千里眼スキル」レベル10の効果を持つ。

「観察スキル」レベル10の効果を持つ。

「鑑定スキル」レベル10の効果を持つ。

「解析スキル」レベル10の効果を持つ。

「魔眼砲スキル」レベル7の効果を持つ。

「幻眼スキル」レベル7の効果を持つ。

「心眼スキル」レベル7の効果を持つ。

「催眠眼スキル」レベル7の効果を持つ。

「鷹の目スキル」レベル7の効果を持つ。

「遠見スキル」レベル7の効果を持つ。

「暗視スキル」レベル7の効果を持つ。

「光視スキル」レベル7の効果を持つ。

「透視スキル」レベル7の効果を持つ。

「霊視スキル」レベル7の効果を持つ。

「解読スキル」レベル7の効果を持つ。

「魅了の瞳スキル」レベル7の効果を持つ。

「真偽スキル」レベル7の効果を持つ。

「未来予測スキル」レベル7の効果を持つ。

・魔神眼は普通の魔眼とは違い、目による能力は何でも高める。



となっており、魔神眼はかなりレアなスキルらしく、初めからレベル10の★付きとされていた。しかも★4つとか……すごいレアだな。

この「千里眼スキル」とは目の届かない場所はないと言われるほど広い視野と色々な目線で、物を見透かし遠くの彼方まで見通す事ができるスキルだった。

魔神眼の「千里眼スキル」を使い迷宮内を見ていたら、本当に「千里眼スキル」まで手に入っていた。

他の目に関するスキルも同じ使えば手に入った。


千里眼を使うと迷宮内はやはり想像通り……と言うか想像以上にとても広く、見える範囲だけでも地球と同じくらいの面積分か、それ以上はあるように感じた。

俺が見る事が出来たのはその程度までで、千里眼でもこの迷宮の壁は下の階層を覗くほど見えにくくなり、実際はまだまだ広い場所だと思われる。

だから精々20階層くらいまでしか見る事ができず、ここから20階層までに何億と蠢く強力な魔物達がうじゃうじゃと見え、他にも魔神らしきヤバイ奴や、色々と特殊な空間も確認できた。


千里眼で見ていて気付いたが、銀竜が居た場所は20階層に当たる場所だったらしい。

俺が『パッと行く?』を使った為、1階層から一気に銀竜の居座る20階層まで行ってしまったのだ。俺でもちゃんとした探索はまだ3階層くらいまでしか進んでないのに……変に近道するより、ちゃんとした順序で進まないとすぐに死ぬなこれ。



しかし、まぁ~~あれだ。

下層はともかく、問題は上層だ。

千里眼を使い、俺がずっと探し求めていた、ここから脱出する出口を探したのだが―――どこにもそれらしい出口は見つからなかった……。


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