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見鬼眼【1】
見鬼眼【1】
それはいつもの風景だった。
朝の喧騒、たくさんの制服姿、通い慣れた登校途中。
信号待ちをしている横断歩道で、砂利を積んだトラックが目の前を通り過ぎた。
石が右眼を直撃する!
大事には至らなかったものの、それからなぜか連続して不可解な事故に遭うようになり……。
※※※
美女は指をつきつける。
『良いか?あれらが狙っておるのは華緒、そなたなのだよ』
※※※
鬼卵石、鬼雛。
それは啖らうことで得られる強大な力の源。
「癒着?」
眼に飛び込んだのはただの石ではなかったのか……?
その眼を欲し、跳梁するは数多の妖怪。
――正直、私は運が悪い。
果たして満月まで生き延びることができるのか。