表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

VS 城の魔物

俺の目の前にはありえない光景が広がっている。お城だぜ、お城。日本のあのお城じゃなくてシ〇デ〇ラに出てくるようなお城さ。いきなりのお城に俺以外のメンバーも驚いたようだ。良かった、伊集院も岩瀬もちゃんとした人としての感性を持ってい…

「ハッーハッハッハッハ…!!俺の野望に、正にピッタリではないか!!」

「…面白そう…」

…ないようだ。

「ここって、学園?…よね?」

良かった、ルミナは普通だ。

「私の家にも無いのに…」

前言撤回。言動がおかしいね、うん。

「さて…My new friends 諸君、我らが新たな学び舎にこうではないか」

伊集院の言うとおりだろう。もうこのお城のネタで突っ込むのも疲れたしな。

「そうね、行きましょうか」

ルミナも俺達を促す。見れば岩瀬も小さくうなずいていた。無表情だが顔立ちがいいのでかなり可愛い。が、そう思ったのもつかの間、

「…どんなボスがいるんだろう…」

彼女の口からとんでもない言葉が飛び出した。ボスってなんだ!?ド〇ク〇か!?それともF〇か!?

「とにかく、入ろうぜ」

正直、突っ込みつかれた俺は早々に校舎という名のお城に逃げ込むことにした。これ以上は流石に付き合いきれんさ。


土間でスリッパに履き替え、何故か土間にあった地図をとって描いてある通り教室に向かったまでは良かった。だが、俺の受難はまだ続いていた。

「ギャオォォォォン!!」

何でドラゴンがいるの!?つか、本当にボスがいたぁ!!

「ほぉう…面白いではないか…」

伊集院は不敵な笑みを浮かべてるしぃ!!

「…大きい…」

岩瀬、ここは冷静になってる場合じゃにだろ…

「これ…どうするの!?」

良かった、ルミナは普通らしい。

「つか、本当にどうするんだよ!?」

試しにみんなに聞いてみる。すると、

「我が親友、神沢よ…あれを見ろ」

いつからお前と親友になった!?とりあえず伊集院が指を指した場所に目をやってみる。そこにあったのは…ご丁寧に人数分置かれたバトルライザー。

「これでドラゴンと戦えってかぁ!?」

驚愕の声を俺が上げる。実験台になっていた俺なら慣れているので、面倒だが大丈夫だ。だが、初心者にそう簡単に使いこなせるわけがない。しかし、困って驚いてたのは俺だけの様だ。

「フム、これは肩に着けるのだな」

「…初陣…」

「やるっきゃないわけね!!」

みんなやる気満々だ。…もうどうにでもなれ!!俺はバトルライザーを肩に着ける。そして…

「ライザーシステム、起動アウェイクン!!」

バトルライザーを起動させた。

「「「起動アウェイクン!!」」」

三人も続けて起動させる。そして魔法陣が自分の足元に浮かび上がる。


ここでバトルライザーについて説明しておこう。最初に説明した通り、バトルライザーは血を流さない国家間の争いの解決のために開発された機械だ。その最大の利点とは、最新技術をつぎ込まれて造られた擬似戦闘システムにある。一定範囲で感覚まで現実と一緒の空想空間を作り出し、その中で自分の武器えものを持ち込んで兵隊さんが戦闘を行う。その空想空間内での戦闘では、痛みも感じるし服とかも破れたりと本当に現実と大差が無い。しかし、一度空想空間を出るまたはバトルライザーを停止させると、なんと体力を消費しているだけ、つまり血が流れないという訳さ。勝ち負けはその時によってルールが違うらしいが、戦争の事なんて俺は詳しく知らんさ。それを学校用に改良したのが俺の両親、理事長と学園長だ。色々な商品や特例を勝ちとらせるために生徒同士にクラス間で戦争させ、それによって学力の向上を狙ったのさ。だが、戦争させるだけじゃあ学力向上にはつながらねぇ。だが、システムにテストで採った点数を力としてリンクさせる、つまり、勉強しなきゃあ強くなれないようにしたのさ。しかも点数が高いと、超能力的な新しい能力に目覚めるのさ。…まぁ、とりあえずはどんなバカでも戦えるように工夫はしてあるんだがな。その工夫ってのは初期装備システム(俺命名)といって、最初にやった心理テストのデータをバトルライザーに読み込み、それによって自分にあった武器とちょっとした特殊能力を得られるってシステムだ。…何?ネーミングセンスが皆無だと!?…気にするな!!まぁ、こんだけ知ってるのは俺が実験台だったからなんだけどな。ちなみに、この学園では敵のバトルラーザーを破壊した方が勝ちだ。


さて、ここからストーリーに戻るとしよう。魔法陣から球体が浮かび上がり、それが各々に応じた武器になった。それぞれがその武器を手に取る。俺はシンプルな日本刀だ。伊集院は…手裏剣に忍刀にクナイ…忍者セットみたいだな。岩瀬は槍に片方に斧、片方に鎌がついている武器、ハルバードだ。ルミナは黒に金色の模様が描かれた装飾銃だ。…みんな見事に統一性がぇなぁ、おい。まぁ、いいや。とにかく、あの非現実的なドラゴンを倒すとしよう。三人とも初心者だ、俺がなんとかしよう、そう思った時だった。岩瀬が無言でドラゴンに突撃した。しかも信じられない事にドラゴンの攻撃を全て回避してやがる。そしてそのまま…無言でハルバードの斧の部分を容赦無くドラゴンの尻尾に振り下ろした。

「ギャオォォォォァァァァ…」

一刀両断、ドラゴンの尻尾は付け根の部分からバッサリと斬り落とされた。ドラゴンは苦痛の声を漏らしている。そこに間髪入れずにルミナが動いた。装飾銃を撃ちまくる。鈍い音をたてて弾丸は全て鱗に弾かれている。どうやら岩瀬は銃弾を通さないような強度を苦もなく叩き斬ったわけだ…化け物かよ。その岩瀬がまた動いた。今度は一気にドラゴンの背中まで駆け上がり、肩翼を付け根から斬り落とす。…痛そうだな…あまりの一方的な展開に、俺はドラゴンに同情してしまった。

「ハッーハッハッハッ…寝るにはまだ早いぞ、爬虫類よ!!」

いつの間にやら行動していたのか、伊集院が忍刀を両手に持ってドラゴンに一気に肉迫し、ルミナが銃弾を当てた場所を恐ろしい速さで正確に攻撃していく。銃弾によってダメージを受けていた鱗は簡単に砕け、ドラゴンの皮膚に忍刀が深々と傷をつける。そして…あっけなくドラゴンが倒れた。俺の出番はゼロだ。

「やった、勝った!!」

「フッ…当然だな」

「…クリア…」

三人が口々に喜びの声を上げる。俺の肩身がやけに狭い。まぁいいか、俺も混ざろう、そう思った時だった。不幸って連鎖するもんだな。あんの爬虫類、まだ息がありやがった。ドラゴンが立ち上がったのに気づいたのは…俺一人。

「危ねぇ!!三人とも、伏せろぉ!!」

「「「!!」」」

俺が叫んだと共にドラゴンの右フックが三人を襲った。全員直撃こそしなかったが、受けたダメージは小さくなかった。次がきたら…ヤバい。ドラゴンは容赦無く三人に攻撃しようとしている。考える時間は…無い。俺は一気にドラゴンに肉迫した。まだ刀の射程内じゃない。だが、ドラゴンの両腕に狙いを定めた。そして…

数学点数マースポイント解放!!」

「承認シマス、理数系レベル2能力アビリティ解放」

新入生では絶対に知り得ない、バトルライザーのシステムを発動させた。

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」

叫びながら力一杯刀を振り切る。剣光一閃、ドラゴンの両腕を斬り落とし、更には胴体までも真っ二つにした。刀はの刃はドラゴンにとどいてはいない。しかし、刀から放たれた光が、深々とドラゴンを斬り裂いたのだ。…力を込めすぎたかな…なんて思っていると、ドラゴンの死体が消えた。どうやらこれはバトルライザーのシステムを応用して作りだした物だったようだ。…誰が作ったのかは知らないけどな。その後、俺は気を失っている三人の目が覚めるまで、その場に留まっていたのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ