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実践訓練

 初授業から翌日。賢司は今日、主に魔法学と政治について学んでいる。昨日は初回なのでこれからどんな授業をしていくのかのレクリエーション的な面が強かったが、今日からはより専門的なことを学んでいくため、一日に勉強する教科数を絞っているのだ。



 そしてまずは政治について。


「このように、我が国は竜王大山脈から採れる豊富な鉄鋼資源の輸出収益、そして魔窟の大森林で冒険者が狩ってきた魔物の素材を冒険者組合が買い取り、それを国が受け取り、管理して他国に輸出して得る収益、さらには南方で獲れる海の幸の輸出収益、これらの3本柱で成り立っております」

「なるほどね。我が国は大自然に囲まれてばかりで一見、住みにくそうな国に見えるけど、それら自然の扱い方さえ把握していれば、これほど有利な経済効果をもたらせるってわけだね」

「仰る通りでございます」

「幾つか気になったんだけど、良いかな?」

「勿論ですとも。是非お聞きくださいませ」


 ならばと賢司は遠慮なく山村子爵に質問をぶつける。


「まず一つ目なんだけど、冒険者が狩ってきた魔物の素材を組合が買い取ると言うのはわかるんだけど、その後の国が受け取るっていうのはどういうこと? 国はタダで組合からもらえるということなのかな? だとすると組合はどうやって収益を上げるのかな?」

「おぉ、そこに着眼なされますか。流石でございます。そうですね、一言で申し上げますと、組合は国家の管轄なのです。ですので組合が得た素材はそのまま国家所有ということになります」


 その説明を聞いて、賢司はようやくなるほど、と思った。


(つまり、組合は公共事業の一環ということか。だから給料は国から直接出ることになるのだろう)


 流れとしては理解した賢司は次の質問に移る。


「それじゃあ、次は……」



 その後も色々と質問をした賢司はとても充実した時間を過ごした。特に鉱石資源及びその他天然資源の事などについては、賢司にとって興味深いものであった。


 種類としては以下のような感じになる。


・魔晶石:あらゆる道具の動力源となる石。何百年もの長き年月を掛け、地中に流れ込んだ濃密な魔力が圧縮されてできた鉱石。


・魔導水:原理としては魔晶石とほぼ変わらない。違う点があるとすれば、それは魔導水は液体であり、魔力濃度が濃い空気が漂う湖などに混ざり合っていることが多い。この湖のことを魔導湖(まどうこ)と言う。そして魔導湖から獲れる魔導水は魔晶石より魔力純度が低い。しかし純度が低いと言っても有用な資源であるのに変わりはないので、いろんな国で重宝されている。


・鉄鉱石:武器の製造などに使用されるありふれた鉱石資源


・魔金:金や銀などと同じ貴金属の一種。ただ一つ違う点があるとすれば、この金は名前から分かる通り魔力を含んでいる。なので普通の金や銀などよりも価値が高く、これを加工して作られた魔導具や宝飾品、武器はその価値や性能が段違いであり、市場でも破格の値段で取引されている。


・魔銀:少し価値は劣るが、上に同じ。


・魔銅:上の二つよりさらに価値は劣るが、使い道は同じ。


・魔法樹:魔力を帯びた樹木。これで造られた建築物は途轍(とてつ)もなく丈夫になると言われている。皇族の住居である大和城(やまとじょう)はこの木材を使って建築されている。普段から政務に使われている宮廷も基本構造は石造りだが、内装の至る所にこの魔法樹が使用されている。


・アダマンタイト:神によって生み出されたと言われる伝説の鉱石。あまりにも希少ゆえに、ほとんど特権階級にしか出回っていない。



 以上の中で大和皇国は、魔晶石、魔法樹、アダマンタイト、鉄鉱石、魔銀と魔銅がよく採れる国である。とは言っても、アダマンタイトに関しては年に数回発掘されるかされないかという程度でしかない。なので主力品目は魔晶石、魔法樹、魔銀と魔銅である。



 

 次は魔法学。



「お次は魔法についてですね」

「うん、よろしく頼むよ」

「お任せください」


 魔法学は細かな分野に分けると、このようになる。


 ・魔数学 ・魔薬学 ・魔法陣研究学 ・呪文学 ・魔法理論 ・魔導具学


 そして当然だが、これらは全く別の視点から魔法を研究するためのものであり、全て魔法学と一括りにされてはいるが、学ぶことは全くの別物である。


「例えばですが、魔数学。これは主に魔法陣研究学や魔薬学、魔導具学と併用されることが多く、汎用性が高い学問です。全ての魔法学に応用できるわけではないですが、数を扱う知識は大抵の問題を解決します」


 それは賢司にも理解できる考え方だ。前世で設計士をやっていたことから、数学の力というものの底知れなさは、誰よりも知っていると言えるかも知れない。


「なるほど、では具体的にはどう扱うものなの?」

「そうですね。基本的な構造は算術と何ら変わりはありません。必要な数字を式に当てはめ、解を導いて行く。その過程で計算していく対象が魔法陣だったり、魔薬の分量だったり、魔導具の設計だったりするわけですね」

「う〜ん、魔導具の設計だったり、魔薬の分量計算はなんとなくわかったけど、なんで魔法陣も?」

「魔法陣は魔法ごとに大きさも図形も、その図形を構成する線の長さも全てが異なります。そしてそれらは少しでもズレがあると魔法は不発に終わります」


 その説明を受けてようやく賢司は魔法陣への魔数学の使い道を理解した。ただ、まだ疑問点はいくつかある。


「でも、その魔法陣の長さや大きさっていうのは魔法を発動させる時に毎回計算するの? 既に開発されて魔導書に載っている魔法の魔法陣でも?」


 その質問を賢司がすると、山村子爵は心底驚いたような顔をした。


「驚きました。まさかそこにも私がお話しするよりも先に、お気づきになられるとは……いやはや末恐ろしい」

「ははは、大袈裟だよ。それで? どうなのかな?」

「大袈裟ではないのですがね……。えぇっと、そうですね。賢司殿下が疑問に思われた通り、実際に魔法を発動する時に魔法陣の計算をする必要があるかどうかですが、これについては必要ないと言うのが答えです」


 この答えに賢司はかなり驚いた。先ほどの話の流れからおそらく必要ある言われると思っていたからだ。そんな賢司の驚いた様子に微笑みながら山村子爵は解説を続ける。


「では具体的にどう言う場面で必要なのか、それは予め魔法陣を紙などに書き記しておいて、後から魔力を流して発動させる方式の魔法の時だったり、新たに魔法陣を開発する時の設計の計算などに使うといった感じですね」

「なるほど! 確かにそれなら必要そうだね。後から発動式の魔法に関しても、紙に書いたりするのであれば正確な書き込みが必要になる。その際にしっかりと計算する。そう言うことだね?」

「ご名答でございます」



 こうして次々と魔法についての解説がなされていき、他の分野についての解説も終了した。因みに今回、いくつかの魔法も授業で取り扱った。理由は明白。この後実際に攻撃魔法を使った戦闘訓練も行われるからだ。





 午前中に政治と魔法を学んだ賢司は昼食を取った後、直ぐに宮廷の一角にある戦闘訓練広場に来ていた。


 今回は学んだ魔法の実践訓練と、さらに武術も学ぶため、この訓練広場に来たのだ。

 


 待つことおよそ10分程。



「大変お待たせ致しました、殿下」


 かなり急いで準備をしたのだろう。少し肩で息をしている山村子爵が訓練広場に現れた。その隣に1人の人物を連れて。


「いやいや、大丈夫だよ山村子爵。僕は教えてもらってる立場なんだから、これくらい待つのは当然だよ」

「ははは、そう言っていただけますと、ありがたいですね。おっとそうでした。殿下、こちらの御仁を紹介させていただいても?」

「いや、大丈夫。知ってるから」

「なんとッ!? 私だけでなく、この方もご存知だったのですね。軍略に興味をお持ちだと陛下より伺っておりましたが、まさかそこまでご興味を持っていただけていたとは……これは、ますます張り切らねばなりませぬな」

「ははは、そうしてくれると嬉しいよ」


 賢司が知っていると言ったもう1人の軍人。それは、


「私のこともご存じでしたか。誠に光栄でございます」

「うん、よろしくね。近衛抜刀隊(このえばっとうたい)副隊長、山本慎一郎(やまもとしんいちろう)伯爵」

「はは! お任せを!」



 こうして揃うべき人間が揃った賢司たちは、早速魔法の練習に取り掛かる。



 この世界にはたくさんの魔法が存在する。大まかには属性魔法。そしてもう一つは特殊魔法。


 これら二つの違いは単純明快。属性を操る魔法であるか否か


「属性魔法にはたくさんの種類がございます。炎・水・氷・雷・大地・風と言ったものです」


 山村子爵がまずは属性について説明するようである。賢司はそれを食い入るように眺め、聞く。


「次に、特殊魔法と呼ばれる魔法です。具体的には転移・結界・身体強化・神聖(しんせい)魔法・冥闇(めいあん)魔法となります。この中でも、転移魔法、神聖魔法、冥闇魔法は特に難しいとされております」


 今度は山本伯爵が解説を始めた。そして賢司はもちろんこの話も喰らいつくように聞いていた。しかし気になることも幾らかあったので、賢司は2人に質問を投げかける。


「なるほど、種類などについては分かったよ。そこで質問をいいかな?」

「何なりと」

「それじゃあ、遠慮無く。まずは……」


 

 そこからは賢司の怒涛の質問攻めが始まった……



「それじゃあ魔法の強さには明確な段階があるんだね」

「仰る通りでございます。その詳細をご説明いたしますと、初級、中級、上級、特級、(せい)級、(きょっ)級、(てん)級となります。そして、武士(ぶし)たちが普段の戦闘で使っているのは主に中級までです」


 賢司は今の説明を聞いて、どうでもいいと分かっていても、あることに反応してしまった。


(へぇ、この世界では兵士たちのことを武士と言うのか。私の祖国でも昔は武士や侍と呼ばれる者たちが居たそうだが、私が生きていた時代ではほとんど消えてしまった存在だからな……。まさか武士に異世界で出会うことになるとは、なんとも不思議な気分だな)


 と余計なことを考えてしまった。しかし賢司としてもしっくり来ると感じている。何故ならその武士たちの出立ちが正に武士そのものだからだ。日本刀に似ている刀を腰に携え、着物を身につけた上で更に鎧を纏い、そして兜を被る。そのような姿で戦っているのだから。


 紛うことなき"武士"である。


 しかし今重要なのは、そこじゃないと切り替えてもう一度話を聞く態勢に戻る賢司。


「ごめんね、考え事をしちゃって」

「いえいえ、とんでもございません。誰でも新しい情報が頭に入ってくると、それを自分の頭の中でゆっくりと消化したいものです」

「ふふ、確かにね。それじゃあその消化も終わったことだし、授業の続きをお願いしてもいいかな?」

「もちろんですとも」


 それからまたいろいろと質問をしながら賢司は授業を受け続け、最後に実践訓練と称した魔法の試し撃ちと武術の体験を行う。


「では殿下、まずは初級の水魔法からお試しください」

「うん、了解。それじゃあ……」


 短くそう答えると、賢司は早速魔法を発動させるための魔力操作(まりょくそうさ)に入る。


(体全体の魔力と空気中の魔力をうまく融合しながら、体内魔力を節約して発動する、だったよな)


 授業の最初の方にサラッと説明を受けた魔力操作を念入りに行う。そして前世には無かった感覚が身体中を流れるのを感じた後、手のひらにその魔力を集めながら詠唱を行う。その際、体内魔力だけで無く、空気中の魔力も混ぜ合わせていく。


「生きとし生ける者に恵みを与える力よ、顕現せよ! 『水弾(すいだん)』!」


 賢司がそう唱えた瞬間、手のひらに手より少し大きいくらいの水色の魔法陣が浮かび上がった。その中にはいくつかの文字も含まれているようだ。


(不思議だな〜……)


 そのように余計なことを考えたのが制御を乱したのか、魔法の生成が急に荒くなり、そして急激に大きな水の塊が発現したかと思うと、次の瞬間には轟音と共に用意していた的に飛んでいった。


 ヒューーーンッ、ズッバーーンッ!!


 強烈な衝撃波と発射での反動で、賢司は後ろに数メートル程吹っ飛ばされた。

 その後、ザザザーっと雨が降るように水が空から降ってきた。


「い、今のは一体……」

「で、殿下! ご無事ですか!? 殿下!」

「あ、う、うん。大丈夫。問題ないよ」

「ふぅ〜〜。それは良うございました。ささ、お手を」


 賢司は山村子爵に手を引いてもらい、立ち上がった。尻餅をついて汚れたところや、砂埃などが付着している部分を山本伯爵がはたいて綺麗にしてくれる。


「いや〜本当に肝を冷やしましたぞ。数年分の寿命が縮まったかと思いました」

「全くだ。まさかあのようなことになるとは」

「あ、あの……2人とも。も、もしかして今のは失敗?」


 2人の大慌てした様子から、なんとなく自分が何かやらかしたのだと察した賢司だったが、なにぶん初めてのことであったが故に、不安を隠しきれずに聞いてしまった。


「うん? あぁ、そうですね。失敗……と言えばある意味そうなのですが、あれはどちらかと言えば成功寄りの事故ですね」

「ん? どういう意味?」


 意味が分からず、賢司が質問すると、今度は山本伯爵が説明してくれた。


「あれは魔力暴走(まりょくぼうそう)です。お聞きしたいのですが、殿下。先ほどの魔法を使った後にごっそり魔力を持っていかれた感覚がありませんでしたか?」


 そう聞かれた賢司は記憶を探る。しかし、


「ごめん、あんまりそういうのは無かったかも。確かに予定していたよりも多めに魔力が魔法に伝わってた印象はあるけど、それかな?」


 賢司がそう答えると、2人は絶句したような顔になる。何事だ? と不安を抱えながら賢司は2人に声をかける。


「あ、あの。2人ともどうしたの?」


 その言葉に、先に我に帰った山村子爵が説明をしてくれる。


「おっと、これは失礼。えぇ、殿下。殿下は紛れもなく天才です。それも、おそらく歴史上数えられる程度しか到達出来なかったと記録されている高みまで駆け上れるほどの大天才の素質を持っておられます」

「は、はい?」


 あまりの急展開に訳が分からず、質問を繰り返した賢司。そして最終的に分かったことは、


「つまり、今の現象は魔力暴走と言って、魔法発動中に考え事などをしたりして気を逸らしたのが原因、と。そしてその際によく起こるのが、魔力の送り過ぎで魔法を予定していたよりも過剰な威力で撃ってしまうこと。しかし、これはかなり体内魔力を持っていかれる危険な現象。なので、なるべく起こさないように気をつけなければならない。だけど僕は魔力暴走を起こしたにも関わらず、魔力の減りも感じなかった。故に魔力量、魔法の才能共に凄い。貴方達の言いたかったことはこんな感じ?」

「はい、仰る通りでございます! 殿下は正に天賦の……」

「はい、そこまで!」


 また山村子爵の師匠バカが発動しそうだったので、賢司は強制的に話を打ち切った。山村子爵は怒られた子犬のようにしょんぼりして小さくなってしまった。


(可哀想だが今は他に聞きたいこともあるし、一旦放置だ。というよりも、山村子爵ってキリッとした顔をしているが、実は素の方はこんな感じなのかもしれないな。まぁ、単純に魔法バカなだけかもしれないが……)



 その後も色々と質問をした賢司。そこで分かったのは、魔法は魔法陣の形成や呪文詠唱の間違いでは絶対に発動しない。しかし魔力の増減は発動自体に影響はないようだ。


 なので言い換えれば、正しく魔法の発動手順を踏み、その上で魔力を多く送り込めるのならば、それは逆に武器になる。より威力の強い魔法を撃てるのだから。魔力暴走を魔力暴走ではなくしてしまえばいいのである。


「殿下は魔力量がそのお年で相当なもののようでございます。私見ですが、魔力は訓練すればするほど量が増えていきますので、数年も経てば我々2人も追い抜いておられるやも知れませぬ」


 山村子爵はしばらく静かにさせておいた方がいいので、山本伯爵に質問をしている賢司だが、その山本伯爵の言葉に驚く。


「ぼ、僕はそんなに魔力が多いの?」

「えぇ、おそらくは。残念ですが、魔力量に関しては学園でしか計測できない決まりとなっておりまして、ここでは測って差し上げることができませんが、間違いなく殿下は魔法において才能がおありだと私も考えます。今回私どもがお教えした魔法は、属性魔法全てなのですが、それらは全て初級でございます。しかし殿下が放たれた魔法は明らかに中級規模のものでした。そして、中級というのはそれなりに魔力を消耗します。しかし殿下は疲れる様子が微塵(みじん)もございません」


 そこまで言われて賢司は初めて山村子爵がはしゃいでいた理由を理解した。


 自分は結構とんでもないことをしていたのだ、ということを。


「そっか。それは嬉しいね。これからもその才に驕ることなく頑張るよ」

「流石は殿下。我々の一番お伝えするべき注意事項は必要なし、ですか。いやはや、お見それ致しました」

「ははは、大袈裟だよ。それよりも、今日は疲れたね。申し訳ないんだけど、武術に関しては明日からでもいいかな?」

「えぇ、勿論でございます」

「さてと……」


 賢司は放置していた山村子爵に向き直る。すると、


「うぅ、殿下〜。申し訳ありません……。殿下の才能があまりにも素晴らしいもので、私、つい嬉しくて……」


 割と真剣に落ち込んでいる様子の山村子爵。そしてはしゃいでいた理由も、自分の可能性に心から喜んでくれていたということを知り、申し訳なくなった賢司は彼に声を掛ける。


「ごめんよ、山村子爵。ちょっと早めに解決しておきたい疑問があって……。別に貴方が嫌になって意地悪な言い方をしたとかじゃないからね?」

「殿下……あぁ、私の失態を許してくださるなんて……なんたる寛大さ! 私、一生ついてゆきまする!」

「あぁ、もう! 毎度毎度大袈裟だな」

「本当ですね。全く、この男は……。魔法のこととなるといつも感情の制御ができなくなる」



 面倒だな、と思いながらも、とても忠誠心あふれる素晴らしい臣下に気に入ってもらえたことを嬉しく思う賢司であった。山本伯爵も彼のことを厳しく言っているが、長年の戦友でもあり、理解があるからなのか、ただ呆れているだけでその目に嫌悪の類は無かった。

 そして山本伯爵もまた、賢司に対して一生懸命向き合ってくれているのがわかる。



(これは……非常に心強い人材に恵まれたかも知れないな)



 本当に心の底からそう思う賢司であった。





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