遭遇
昨日はあれからしばらく街に向かって進みキャンプをしてセーブした。
このペースなら食料が尽きる前になんとか着きそうだ
今日も街に向かって進むためにキャンプの後片付けをしていると昨日レドから聞いた食べられるきのみを見つけた
親指サイズのこのきのみは果肉より種の方が大きいくて食用には向いてないが甘酸っぱくてなかなかイケる
このきのみは胸らへんの高さの木の枝先にたくさん実るらしいのでもっと食べようと探すが見当たらなかった
少し名残惜しいがキャンプ地に戻るとフル装備のギルと短刀を構えたレドが馬車を守るように立っていた
「何があったんだ、盗賊か?」
「いや、獣みたいだ、それもかなり大物だ」
俺はさっきのきのみを思い出した、もしかしたらここ一帯はその大物の餌場なのかもしれない
「早くここから逃げよう」
ギルとレドが警戒してるうちに残りの荷物を積んでいつでも出られる準備をする
「いつでも出られるぞ」
「行こう」
まだ旅は始まったばかりだってのに運が悪いな、胸の中で悪態をつきながらも慌てて馬車を走らせる
石や木の根が行く手を阻む悪路に馬を走らせるのは不安だか緊急事態だ!
ここを抜けられたらたっぷりの果実と冷たい泉の水でもてなそう。
周りの景色が木々から剥き出しの岩肌に変わる頃になってからやっと一息つけた
「抜けたか」
ギルの一言を皮切りに二人は足を止めると座り込んだ
俺は操舵していた馬車から降りると馬を解放してやりとっておきの果実を用意してやる、
それから座り込んでいる二人に近づくと俺もそこに加わった
「寝る前は安全だったんだがな」
「早めに馬車の用意をしていて幸いでした」
「日が昇って餌を取りに来たのかもしれないな、追いやられる様にキャンプ地を出た時は運が悪いと思ったが真夜中に襲われなかっただけ運が良かったのかもしれない」
「もうすぐ街に着くはずです、休息はそこで取りましょう」
「ハァ、そうだなもう一踏ん張りしようか」
気持ちを切り替えて立ち上がると興奮した馬の嘶きが聞こえた
ハァ、運が良かったってのは撤回しようもう一波乱ありそうだ。