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第3話 ダンジョン

忙しかったですが四日以内に投稿することができました。それでは第三話をお楽しみください。

異世界転移してから1週間が過ぎていた。武器の扱いや魔法ができるようになってきたので、対人戦での練習が始まろうとしていた。


地点A、Bにわかれて立てられている旗を手にした方が勝ちというルールだ。魔法の使用は禁止(杖を選んだものは例外)で武器のみで戦う。これまでの練習をどう活かすか、チーム戦なので考え方によっては逆転できる非常に難しい戦いだ。


地点Aは大和チーム、地点Bは龍也チームとして分かれた。2人以外はくじで決めていた。キンジはというと大和組だ。


「これはただの模擬戦かもしれないが、俺は全力でやろうと思う。みんな精一杯頑張ろう」

「大和の言う通りだみんな頑張ろうー」

「おおー」


「大和のチームか。まぁ適当にどっかに隠れてやり過ごそうかな」

「だめだよキンジくんも頑張らなきゃ」

「うおぉい、って姫川さんか」


天音がこっそり耳打ちしてくる。振り返ると顔が近くにありドキッとさせられる。いろんな意味で心臓に悪い。いちよう天音も大和チームだったらしい。誰にも聞こえないように言ったつもりだったが聞かれてしまったと思って焦った。しかも、美人さんの顔が目の前にあれば誰だってドキッとするだろう。


「驚かせないでくれよびびったわ」

「ふふっでもこれも訓練の一環なんだからちゃんと頑張ろう、ね?」

「うぐっ、ま...まぁー頑張るよ?それなりに。とりあえずこんなとこ見られたら危ないから離れた方がいいよ」

「すぐ始まりそうだし、いいじゃん少しぐらい」

「あっちには神崎さんがいるんでしょ?」

「あーそうだね!愛香ちゃんはあっちのチームだから負けないように頑張ろっと」


ピィィィィィ


天音と話していると模擬戦開始の笛がなった。


「僕に続けぇぇぇ」

「オオーーーーー」


大和が声をあげて特攻組連れて前線に入っていった。


「さぁ私達も頑張ろっ」

「そ...そうだねーあははは」

(さて、どうやって隠れようか)


自分が行ったって何の役にもたたないと知っているので隠れることしか考えていない。この1週間ずっと剣を振り続けてきたが運動があまりできないのでなんの戦力にもならないだろうと思い、せめて邪魔にならないのが1番役に立つのでは?と自分に言い聞かせるのであった。


前線では大和と龍也がぶつかっていた。


「やはり龍也、君が僕のライバルだよ」

「俺もそう思っているぜ相棒!!」


大和は片手剣、龍也は斧を持って、ギンッギンッと金属音を鳴らしながらぶつかりあっている。普通に加勢しようと思って近づけば斬り合いに巻き込まれてそっこうリタイアだろう。


ギュインッ


壮絶な斬り合いに割り込みが入った。


「ん?愛香か」

「龍也、加勢するわ」

「おう、頼むぜ」


「こっちが不利になったようだね」

「大和、私援護するよ!」


そこにまた天音が加わり2対2の戦いが最前線となって、戦いは激しさを増していった。


そのころキンジは近くにあった木にのぼって高みの見物をしていた。木じたいは大きく、外からは見えていない。


「いい眺めですな~これは。大和と龍也が戦っているな、すごい迫力。なんでこんな差あるんだかね。まっ運動してない俺が悪いんだけど」


「龍也また腕を上げたな!」

「あぁ毎日頑張ってるからな」


ギンッ...ギンッ...ギュイン...


鉄と鉄がぶつかりあう金属音。


「大和、障壁をはるよ!」

「やらせないわ!」

「くっ...」


天音が大和の援護をしようとするがそれをゆすまじと攻撃する愛香。


このあと模擬戦が終わるまで大和と天音、龍也と愛香の戦いは続いた。


ピピィィィィィ


模擬戦終了の合図がなった。結果は大和グループがおしていたものの旗を取るまでにはいかなかったらしい。


「やっと終わったか。さてと宿に戻るか」


このあとの訓練は得意魔法についてらしいのでキンジは図書室で本を読むことにした。


図書室にきて本を探していると一冊の本が目に入った。


「冒険者について...か...」


キンジは冒険者についての本を読みながら思う。


(ここにずっといると飽き飽きしてくる。まるで籠の中の鳥じゃないか。もっと外に出て経験をつんだほうがいいんじゃないか?この籠の中で勇者として生きるじゃなくて、冒険者としてこの世界をまわりたいな)


そんなことを思いながら本に夢中になっていると。ギルから食堂に集合だ!などと聞こえてきたので食堂に移動した。


「キンジくんどこにいってたの?まさかまたおサボり?」

「ん?違うよ?ちゃんと頑張っていたとも」

(本を読むのを、ね?)

「ほんとかなー」

「ほんとですよ、姫川さん」


食堂に行く途中ばったり天音と会った、というより会ってしまった。一緒にいるとまずいので天音が食堂に行ったのを確認してから少し時間をおきキンジもはいる。もうみんなすでにあつまっているようだった。


「やっと集まったか。明日の予定なんだが、明日はダンジョンに行こうと思う。1週間これまで訓練してきたが、人が成長するために経験をすることが一番大事なことだと私は思っている。詳しい説明は明日する。今日は明日にそなえてしっかりと休め。では、解散!」

「ダンジョンか...嫌な予感しかしないだが...」


ダンジョンという言葉に不安を募らせながら、今日はもう休むことにした。


次の日の朝宿の前で集合した。


「よぉしこれで全員そろったな。昨日も話したとおり今日はダンジョンに行く。今から行くダンジョンは洞窟型で地下階層になっている。現段階では40階層まで到達している。まぁ今日は1階と2階しか行かないから安心してくれ。万が一のために俺ら騎士団もついていく。生と死がまじかにあること、これだけは肝に銘じてくれよ」

「はい!」


「ダンジョンかぁ~緊張するなー」

「スライムみたいのいるのかな?」


(まぁ1階とか2階ならスライムはいるだろ、本で読んだし。けどまぁーみんなが予想しているスライムは水色で形が整っていて目がついてるってやつなんだろうが、違うんだなぁ。反応が楽しみだな、ククク...)


キンジが悪いことを考えているような顔(考えている)をしていると、また不意に...


「キンジくん何か変なこと考えてる??」

「わぁっぷ、ひ、姫川さん?」

「なに?わざっぷって?」

「いやただ驚いただけだよ...」

「そぉ??」


(隠密スキルでももってんのかなこの人は?怖っ。それにしても不意をつかれるのはきつい。今後気をつけよう...)


不意からの攻撃に気をつけようと肝に銘じるキンジだった。


宿から歩いて15分のところに洞窟の入口はあった。


「案外近かったな」

「30分ぐらいかかると思ってた」

「まぁー今度からは数秒で行けるようになるぞ。『転移の羽』をだせ」

「「「『転移の羽』?」」」

「ん?ウィルの老人から貰わなかったか?」

「あーそういえばそんなものあったな。すっかり忘れてた」

「まぁとりあえずキャンプまでいくか」


キャンプそれはダンジョンなどでところどころにある休憩所、いわば準備施設ってところだ。この洞窟には階層ごとに強靭な結界を張ってその中をキャンプとしているらしい。


「よぉしキャンプについたぞ。あそこの台座の上に水色に光ってる水晶があるだろ?あそこに羽を置いてみろ」

「おおー光ってる。一緒に羽も光るのか」

「きれい...どうなってんだろう?」

「見てみろよ『テヌミ洞窟』って書いてあるぞ」


どうやらここのダンジョンの名前は『テヌミ洞窟』らしいな。転移の羽を持っている状態でステータスを開き持ち物から転移の羽を選んで場所を選択しようとすると名前が出てくる。そこから確認したらしい。


「さぁー準備だ10分後またここに集合だ」


ちらばって散策の準備をする。


「さぁ1階にいくぞ。ついてこい」


ギルが先導する。そして俺達は『テヌミ洞窟』の1階層へと歩いて行った。


~1階層~


ぞろぞろと1階層に踏み込んでいく。先頭にギルともう一人の騎士兵がいて、うしろにも二人騎士兵がいる。とりあえずこの形態なら前と後ろは大丈夫だろう。少し進むと、ピョコンっとなにかが前に飛び出してきた。


「おっ、出てきたか。あれがスライムだ」


見てみると緑色のスライムが2体いた。


「あれか!スライムは...ゴクリ...]

「なんか...予想と違う...だと」


キンジが思っていた通りに、みんなが知っているスライムとは違うのを見て幻滅しているのを面白がって見ているキンジ。


スライムは緑色で(ここでは)地球で染色液とのりとホウ砂を混ぜて作ったような形をしていた。みんなが知っているほうで例えるならば、は○れスライムだ!!まぁスライムと聞いてふつうは混ぜて作るほうを思い浮かべるが、高校生でスライムといえばゲームのほうだろう。


スライムもこっちの気配に気づいたらしく突っ込んできた。


「さあきたぞ。戦闘開始だ!」

「うおおおお」


まず、ギルがスライムの気を引き攻撃を受け流しているすきにうしろから斬りつける。もう1体も同じように倒した。はりきって声をだしながら戦闘にはいったがすんなり終わった。それもそのはず、ここの世界での生徒たちはレベル1でも化け物級だからだ。


「1階層じゃやはりこんなものか、まぁ戦いに慣れるまではここでやるしかないな」


ギルは生徒たちを見てつぶやいた。そのあとも1階層を散策してスライムだけではなくゴブリンもでてきた。しかし、スライムと同様にらくらくバッタバッタと倒していった。そうこうしているうちに地下につづく階段が見えてきた。


「よぉし、1階層はこんぐらいでおっけーだな。見ての通りこれは2階層へとつづく階段だ。魔物のレベルも1階層と変わらないからこんどはおまえらだけで行って来い。戦い方は俺たちがやっていたとおりにやれば簡単にたおせるさ。まあとりあえず4時ぐらいには2階層のキャンプに集合だ」


ギルが言い放つとみんなは勢いよく2階層へと進んでいった。


~2階層~


2階層につくと1階層と同じくキャンプが広がっていた。キャンプに着くとグループを作り始めたが俺はボッチなので一人でどう頑張るか考えていた。天音が心配そうにこっちを見ていたが気にせず歩いていく。


みんながグループを作り効率よく戦っている中、キンジは一人さびしく散策していた。少し歩いているとゴブリンが穴を掘って何かをしているのを見かけた。幸いにも1体しかいなかったので相手に気づかれないよう近づいて行って剣をふるった。


ザシュッ...


「グギャッ」


ゴブリンは何をされたのかわからず変な声をだし絶命する。血が首から吹き出し勢いがおさまっていく。


剣をふるいゴブリンの首を斬った、キンジは慣れない感触に顔をしかめながらも生きていくためにはこれが必要なんだと思い。慣れるまで我慢することにした。そのあともキンジは1体で孤立している魔物を狙い殺していった。姑息で卑怯だとは思っているが仕方ないと自分に言い聞かせた。


「そろそろ4時だな戻るとするか」


最後にスライム1体を倒しキャンプに戻ることにした。キンジは結果的にゴブリンとスライム合わせて5体倒していた。


キャンプにもどるとみんながすでにいた。ほかのやつらのほうを見ていると魔石を20個ほど取り出した。キンジは目を疑った。思えばチームを組めば効率的に倒すことができるので一人で戦っていたキンジよりは何倍もの魔石を持っていたって不思議じゃなかった。


キンジは純粋に悔しかった。しかし悔やんでもなにもかわらないので地道に頑張るキンジは宿に転移の羽でもどり休むことにした。

次話はいつもと同じく四日以内に。あと感想や間違っているところがあれば指摘よろしくお願いします。今後、活かしていきたいと思ってるんで。

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