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第18話 冒険者登録

すみません遅くなって。

目が覚めたのは早朝。鐘の音が響くと同時に起きる。


鐘がいつもなる時刻は決まっている、一時間ごとに鐘が鳴るのだが、キンジが起きたのは7時頃。昨日はゆっくりと眠れ体の疲れも抜けている。


今日のやることはあらかじめ決めといてある。それは、冒険者に登録するということだ。


理由としては、身分を証明するものが少なからずあると便利なこと。


他の国にも行く予定なので検問とかされると思う、だから冒険者だということをあらかじめ証明していれば怪しまれずにすむと思う。


アルカデアに来た時に田舎から来たなんて言わなくてすむ。正直な話、国に入れるとは思っていなかった。


「ふっふっ、........。」


剣をふったり朝の稽古も忘れずにやって、終わったらシャワーを浴びてから朝食をとる。


朝食もおわって昨日行った酒場の隣にある、冒険者ギルドに行った。


ここでは冒険者の登録に、掲示板に張り巡らされた大量の依頼、サポートもある場所。冒険者にとってなくてはならない場所だ。


「冒険者の登録をしたいんだが。」


「朝早いですね。登録ですか?少々お待ちを。」


確かに今いるのは指で数えるぐらいしかいない。受付をしていた女性はカウンターの奥に行って戻ってくると。


「ではこの紙にいくつか記入してもらって、ここに血を一滴垂らせば完了です。」


「わかった。」


名前と職種を書いて、親指の先を針でつついてそこから血が出てくる。


垂らす場所に定めポタッと血が垂れると、赤く光り血が紙に吸収されていく。


「これで完了ですね。おめでとうございます。冒険者に登録できました。少し説明をさせていただきます。」


冒険者は掲示板にある依頼を受けてお金を稼ぐ職業だ。報酬はお金の他にも素材などもある。報酬は難易度が高ければ高いほど報酬は上がる。難易度は自分のランクと同じ階級とそれよりも下のやつしか受けられない。


ランクは登録した時に貰えるプレートの色でわかる。下から順に赤銅、銀色、金色、プラチナ、ダイヤモンド。そして色ごとに、B、A、S、SSとなる。


「キンジさんは新米である、赤銅色からの開始ですね。」


もらったプレートは赤銅色のBと書かれたやつだ。


「最初は、素材集めや、危険の少ないモンスターを狩る依頼を受けるのがいいですね。こんなのなんてどうでしょう?」


討伐依頼


スライム10体


完了条件

スライムの落とすアイテムを届ける



素材採取依頼


薬草20個


完了条件

薬草を届ける



「まあ、最初はそんなものか。いいですよ。これやります。」


「わかりました。受けたところ、つまりここに届けてくれれば完了です。もし、凶暴なモンスターとあったら逃げてくださいよ?」


「わかりました。」


依頼紙を受け取りギルドをあとにした。


アルカデア王国を出てすぐの草むら。一面雑草だらけだが薬草がちらほら混じっている。ここで修行で使えるようになった『鑑定』を使う。


薬草の他にも役に立ちそうなものは採取しておく。


採取しているとどこからか粘着質の音が聞こえてくる。


緑色したスライムだった。ちょうど依頼を持っていたのでついでに倒しておく。魔剣を使う程でもないのでパンチやデコピンで倒す。飛び散ったりすると面倒だが落とすアイテムを回収できればそれでいい。


デコピンでは少々攻撃力に欠けるのでパンチにした。


「ていっ」


ビチャッ


スライムは動かなくなり蒸発して緑色の石だけが残った。これを10個集めれば終了となる。そこらへんにいるスライムを片っ端から倒していった。


「あれ?キンジさんどうしたんですか?なにか困ったことでも?」


スライムを倒し終わり早速戻ってきた。


「終わりましたどっちとも」


「え?もうですか?」


キンジは薬草とその他、スライムが落としたアイテムを10個テーブルの上に置いた。


「出ていって一時間ぐらいしかたっていません。すごいですよ。」


「いまの俺の階級で受けられる一番高い依頼ってなんですか?」


「えーと、これですかね。」


討伐依頼


ドスゴブリン1体


完了条件

ドスゴブリンが身につけている冠を届ける


「じゃあ、それ受けます。」


「え?だめですよそんな。いくらなんでも早すぎます。これが終わったら銀色のBに昇格になります。つまりそのぐらいのレベルということなんですよ」


「大丈夫ですよ。そんなに心配しなくても。だって、受けられるんでしょう?」


「ええ、まぁそうですが。」


「じゃぁ、大丈夫ですよ。その依頼紙ください。」


依頼紙を受け取りドスゴブリンを倒しに行く前にちょっとした買い物をすることにした。


武器屋に行きさっきもらった報酬で買える範囲の鉄の剣を買った。


魔剣を使いたいが周囲に人の目があるところでは使いたくないし、たぶん使ったら今の受けられる依頼の難易度の魔物が1発で消し飛ぶ。本来の狩りの楽しさを失ってしまってはやっていけない。


近くの森にきたキンジは目をつぶり自分を落ち着かせる。そして、目を開けた時には既に森の地形や魔物位置がはっきりとでていた。『空間把握』を使ったのである。


魔物のゴブリンの形をしたやつらが集まっている。10体以上の集団だ。そのぐらいの数だとどれか1匹はドスゴブリンだろう。


さっき買った鉄の剣を握りその集団に向けて走りこんでいった。奇襲だ。


手始めにゴブリン2体の首を飛ばす。


その光景を唖然して見ているゴブリン達。すると、ドスゴブリンがなにを言っているのかわからないがなにか喋り、バラけていた集団が集まり出した。


だがキンジにはそんなことは関係なかった。気にせずまっすぐ走りこんでいく。


ゴブリン数体が槍を持ってキンジに向けてきた。


キンジは大きくジャンプしてそれをかわし、真ん中にいるドスゴブリンの首だけを切り裂いた。


落ちた首を回収する。そして、他のゴブリンをと後ろを振り向くともうゴブリン達はいなくなっていた。


「逃げ足だけは速いのな。」


そして冠をとって首は投げ捨てる。


「え?キンジさん。また...。まさか、もう終わりましたなんて言いませんよね?」


「はい。終了っと。」


「やっぱりぃ。」


受付嬢の驚いた声がまた響き渡った。


これでキンジは晴れて銀色に昇格したのであった。

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