Scene28『高城八重』
唐突な助けと、その人物が状況的に名乗っている場合じゃないのに平然と名を明かしたことに唖然とする尊。
対する着物女こと高城八重は、鬱陶しそうに振り返る。
「色々と聞きたいとこやけど、まずはうっさいこれを始末しまひょかね?」
そう言ってため息を吐いた八重の足元に電光が走る。
「え?」
次の瞬間、銃撃は止んでいた。
何故なら、八重の姿がいつの間にか土蜘蛛に触れらるほど近い位置に移動しており、それによって当たったであろう光の壁に二丁の機関銃が潰されていたからだ。
(あ、あんな使い方があるんだ)
高速移動魔法を併用したからこそ防御の魔法が攻撃にまで転化した光景に、尊は状況も忘れて呆然としてしまう。
それは土蜘蛛も同じなのか、一瞬で起きた異常事態に僅かに停止する。
勿論、相手は自動兵器。直ぐに復旧して次の行動に移るだろうが、八重がそれを許さなかった。
「居合十二支技・亥」
ぽつりと八重がつぶやくと共に、土蜘蛛の体は頭から真っ二つになって吹き飛んだ。
(へ? な、なに今の!? なにが起きたの!?)
何が起きたのかさっぱりわからない尊が呆然を延長させながら八重の後姿を見ていると、彼女は振り返り苦笑する。
「なんてね」
茶目っ気たっぷりにしているだろうが、多脚戦車を人の身であっさり壊されてしまえば、尊としては顔を引きつらせるしかできない。
もっとも助けてもらった身の上なので、あまり動揺し続けるというものなんなので、思考をどうやって? に集中させて心を落ち着かせることにする。
(切り裂かれていたことを考えれば、やっぱりあれは仕込み杖なのかな?)
視線を八重が胸前で持つ杖に向けると、カナタが視界内にVRA動画を展開した。
それは探知領域を使った斜め横に見下ろすスローモーション映像であり、尊はそれを見てようやくなにが起きたか理解する。
八重は至近距離から電光を纏って土蜘蛛の頭部に突撃し、すでに前に構えていた杖をぶつけると同時に仕込み刀を抜刀。
刀身自身が土蜘蛛の頭胸部を切り裂きながら膨大な電流を放出し、新たな刃を構築しながら腹部を切断。更に拡大した雷の刃に押し出されることによってその巨体は二つに分かれながら吹き飛ぶ。
そして、ほぼ一瞬といい速度で納刀し、尊の方へ振り返っていたのだ。
(あ、RS持ちの人ってとんでもないね)
(肯定します)
体を勝手に動かし技を放たせてくれる動作補正プログラムのある普通のVRゲームならいざ知らず、ほとんど自らで動かなくてはいけない武装精霊において今の一連の動作がどれほど凄まじい技術か、一週間近くぺけさんと戦い刀の技術を磨いた今の尊だからこそわかってしまう。
(精霊領域補助に全部身を任したらできるかな?)
そう思ってしまうが、
(不可能です。今の一瞬で精霊魔法も使われていましたので、同時並行で全てを行うことはどんなに成長した武霊でも無理でしょう)
即座にカナタによって否定されてしまう。
つまり、武霊の手助けもいくらかあったとしても、そのほとんどは八重自身の力ということになる。
呆然としている尊に、八重は若干意外そうな顔になった後、なにか面白いものでも見付けたといった感じに微笑む。
妙な背筋の寒さを感じながら、尊はハッとした。
「まだ上空に蜻蛉が!」
「ああ、そんならここに来るがてら倒したわよ。というか、ここら辺のは全部掃討済みやね」
あっさり心配を杞憂にされ、もはや絶句するしかない尊だった。
周囲の自動兵器を全て破壊したとはいえ、直ぐに転送球から新たな機体が送られてくるので一時しのぎにしかならない。
と説明を受けた尊は、八重の案内で安全な場所へと向かうことになった。
途中、名乗るより前にこの一週間どうしていたのか聞かれたので、軽くではあるが説明した。
「ほ~地下ダンジョンに一週間も閉じ込められとったん? RSも持ってへんのによう戻ってこれたな? よっぽど良い属性の武霊なん?」
「いえ、ほとんど武装化武器で切り抜けてきました」
「ん~地上で見た時は刀を振るえるようには感じられへんかったんやけどな? とはいえ、足運びは見違えるようになったんは確かやな」
そう言いながら前を歩く八重は尊の方を一度も振り返っていない。
「えっと……見えてませんよね?」
流石に気になった尊が躊躇いながら聞くと、八重は振り返り後ろ歩きをし始める。
「そうよ。薄目も開けてへんでしょ?」
「そう見えますね」
「うちは子供の頃に殺傷事件に遭ってね。その時に両目を失っとるんよ」
「そ、そうなんですか」
いきなり凄惨なことを言われ、尊の顔が引きつるが、言っている八重は特に気にする様子もなくのほほんと話を続ける。
「で、うちん家は代々武術家でね。失った視覚を補うためにそらよういわん修行を課せられてね。それをこなしていく内に視覚以外の感覚が常人以上に鋭くなってるんよ。日常生活にまるっきし支障がないレベルでね」
などと言いながら、道に転がっている瓦礫や倒れている柱などをまるで見えているかのように後ろ歩きであっさり避けていく。
(五感のどれかを失った人が、残りの感覚が普通の人より鋭くなるって話は聞いたことがあるけど……ここまでになるって話だったけ? これが普通のVRゲームならキャラ付のために全盲の振りをしているだっけって可能性もあるけど……)
言葉だけでは信じられない話だったが、実際に見せ付けられればそれが真実だと認めざるを得ない。
とはいえ、ちょっと気になることがある。
「治療はしてないんですか? 今の治療技術なら本物の目と遜色がない義眼を入れることができるって聞いたことがあるんですが?」
QC・QNの陰に隠れているが、現在の医療技術は飛躍的に高まっており、あらゆる疑似的な身体パーツを作り出すサイボーグ技術が確立されている。そのため、四肢の欠損や五感の喪失程度であれば、それ相応の治療費が必要になるが治療は可能だった。しかも、確立されたのは二十年前、第三次世界大戦の頃であるため、多くの負傷者が出たことによる経験値の蓄積によってその精度は高く、素人が見ただけでは生身との違いが判らないほどであり、場合によっては治療者自身も自分がサイボーグになっていることを忘れてしまうほどにだ。
なので、全盲のままというのはどうにもおかしな話だったりする。
「ん~……そないいえば、名前聞いてなかったわよね?」
「え? あ、はい。黒姫尊です」
「よろしゅうね尊ちゃん」
「はい。よろしくお願いします」
下手な誤魔化し方に尊はどうにも首を傾げてしまう。
治療費がなくて義眼を入れられなかったとしても別に誤魔化すようなことでもないと思ったからだ。
(サイボーグに偏見を持つ人がいるって話は聞いたことがあるけど、今の時代は少数派だったはずだよね? ん~それを気にしているようには感じられないし、そもそもそんなことを気にするような人かな?)
僅かしか触れあっていないが、なんとなく他人の批評なとどこ吹く風な感じのイメージを八重に感じる。
そんな人であれは更に問えばあっさり答えてくれそうではあるのだが、例えそうであっても言いたくないことなら無理に聞く必要はないので、この話題を口にするのは止めにした。
というより、それどころではなくなることを八重から言われてしまうのだ。
「にしても……尊ちゃん。もしかしてその服ずっと着たはる?」
「え? ええ、着替えは持ってませんし」
「やからなのね……むちゃ臭うわよ?」
「にゃっ!?」
八重の指摘に、慌てて袖を嗅いでみると、確かに鼻を物凄く刺激した。
思わず涙目になるほどであり、袖ですらそうなのだから、より体に触れている場所はどうなっているか、考えただけで顔が真っ赤になってしまう。
「うぅにゃんで? か、カナタぁ~」
「説明します。精霊領域で臭いを消していました」
「VR体リセットは? 服もなってなかったの!?」
「説明します。VR体リセットは、あくまでVR空間にダイブインした時の現実の体に戻すだけです。そのため、VR上で手に入れた服まではその対象に入っていないのです」
「精霊領域で臭いの原因を排除できないの?」
「可能ですが、今の精霊力ではできません」
「なんで余裕があるときにしてくれなかったのさ。これ、絶対、一週間分でしょ!?」
「命令されていません」
「臭いは消してたのに!?」
「マスターの集中力を阻害する原因であると共に、魔物などに察しされる可能性もありましたので」
「ううぅ……じゃあ、いきなりに臭い出したのは、精霊力が限界間近なのと、安全だから?」
「肯定します」
ガクッとうなだれる尊に、八重は若干距離を先ほどより開け、かつ、風上に移動しつつ微笑んだ。
「ほな、ちょい寄り道しまひょか?」
八重によって連れてこられた場所は、ショーウインドーらしきものがあったであろう砕けたガラスが四散する大窓枠がある廃ビル一階前だった。
入り口前に倒れている立て掛け看板を見た尊は首を傾げる。
「フェアリードレス?」
「NPCナビが経営していた服屋よ」
そう言ってさっさと中に入っていく八重。
視線だけで後を追うと、確かに本物のマネキンが店内で倒れており、どう見ても真新しい服が着せられていたのだ。ただ、ガラス片だけでなく天井や壁などの壁の一部が転がり覆い被さっているので、いまいちどんなのがあるのかよくわからなかったりする。
そんな凄惨たる状況に入るのに躊躇いを少しだけ覚える尊だったが、八重がどんどん奥へと入っていくため少々慌てながら後を追う。
「NPCナビがってことは、QCティターニアの子供ですよね?」
「そやね」
「ナビさん達は無事なんですか?」
「無事と言うたら無事やけど、あれを無事と言うてええんかしらね?」
「なにかあったんですか?」
「意識を失っとったらしいわ」
「親であるQCティターニアのクラッキングの影響ですか……ティターニアの領域内に本体があるのですから、なにかは起きているだろうとは思ってましたけど……そうですか、意識を……らしいってことは、誰かが保護しているんですか?」
「盾の乙女団が全員安全な場所に移動させてとるわ」
「そうですか」
ほっとする尊に、八重は苦笑する。
「頭がよお回る優しい子ね。おねーさんは感心したわ。武霊にも話しかけとるみたいやし」
(ん?)
なにか八重の言葉に引っかかるものを感じた尊だったが、なにに対してなのかよくわからない。
とりあえず一番気になるのは、
「八重さんって、なんでそんな喋り方をするんです?」
適当さを感じる喋り方だった。
「ん~キャラ付? 一応、京都在住だからね。私のところのギルドはどうにも灰汁が強いのが多くて、喋りぐらい特徴出さないと埋もれちゃうのよ」
などと標準語で喋り出す八重に、尊はちょっと呆れ顔になる。
「代々武術家の家系なんじゃないんですか?」
「一定の居住地を持たない家なのよ。だから、京都に住み出したのもつい最近、適当に聞きかじった奴と調べたやつで喋ってるから、本物の京都人に変だってたまに言われるわね」
「普通に喋ればいいじゃないですか?」
「VRゲームではキャラ付って大事なのでしょ?」
「さ、さあ? 僕、つい最近VRを始めたばかりですら」
「そうなん? そりゃますますもって災難やね」
などと会話をしながらバックヤードにまで入り、そこに置かれている段ボールを指さす八重。
「ここん商品なら無事でっしゃろ。着替えたらちびっと一服しまひょ一週間、なにも食べてへんでしょ?」
「え? ええ……食べる必要があるんですか?」
一週間、飲み食いは勿論、排泄すらしていないので、VR体リセットでそこの必要性もなくなっているのだと尊は思っていた。
「確かにVR体リセットが発動すれば、空腹も改善されるんやけど、体外に放出されてしもた分までは戻らへんそうよ」
「体外に? ……ああ、汗ですか。でも、なにが?」
「詳しいことは知らんわ。とにもかくにも、早う着替えてくれん? 流石に建物の中だとちょい辛いわ」
そう言ってささっとバックヤードから出ていく八重。
「ううぅ。ごめんなさい」
尊は赤面しながら段ボールを漁り出したが、一つ開け、二つ開け、三つ開けて、ちょっと困る。
「レディース物しかないんですけど……」
尊の思わず吐いたつぶやきが聞こえたのか、若干離れた位置から八重の声が聞こえる。
「そらそうよ。ここは女性専門店やもの」
「え~……それはちょっと」
「男性用の服がある店まで行くと、遠回りになるのよね。それに、尊ちゃんの体ならレディースでも問題ないでしょ?」
「それはそうですけど……」
「レディースの中にも男性が着ても違和感ないものだってあるはずやから、探してみーや」
「……わかりました」
ほどなくして、白いシャツとカーキ色のカーゴパンツを見つけた尊はそれに着替えようとして、またしてもちょっと困る。
「……下着どうしよう?」
「はかなくてもええんじゃない?」
「それもちょっと」
「ほな、女物をはく?」
「変態さんじゃないですか」
「そらそやね」
などとやり取りをしながら、どうにかこうにか着替えを済ませ、タキシードを異空間収納にしまった尊はバックヤードから出てくる。
全身レディース物であってもなんの違和感もない。元々、どんな服を着ても女の子に見える男の娘なのだから、当然といえば当然なのだが、尊を視覚以外で認識している八重にはちょっとだけ済まなそうにしてしまう。
「男の子なのに無理させてかんにんな。安全な場所に行くまでの辛抱やから、そこに行けば他のプレイヤーもいるから男の物の服ぐらいあるわよ」
「ですか? ……なら我慢します」
「ほな、一服しまひょか?」
そう言って八重は尊が着替えている間に片付けた商品棚を指し示す。
商品を退けて、散乱していたガラスを床に落としただけだが、そこ以外に座れる場所もないので尊が座ると、八重もその隣に座った。
「一服と言うても、武装化は解いちゃあかんよ? まだ危険地区やし、なにもしなければ精霊力はほんのちびっとやけど回復するから」
「わかりました」
「よろしい。ではおねーさんからええこの尊ちゃんにプレゼントをあげまひょ」
そう言って八重が自分の前に手を差し出すと、掌の下に電撃の円が現れ、無色透明な液体が入ったラベルなしのペットボトルが出現する。
「異空間収納って司っている属性で変わるんですね」
「そやよ。ほら飲んで、お姉さんの奢りだから気にしなくていいのよ」
「ありがとうございます」
差し出されるペットボトルを受け取った尊だったが、どうにも戸惑ってしまう。のどの渇きをさして覚えてないのもあるが、なぜ必要なのかもいまいちピンときてないからだ。
そんな主を察してか、
「説明します。VR体はVR素粒子によって構成されています」
「そっか、現実の身体を正確に再現しているって、そこからなんだ」
「肯定します。継続します。そして、通常のVR利用であればたとえなんらかの理由でVR素粒子が失われても、次のダイブイン時に現実の身体と同じように調整されます」
「うん。それがVR体リセットなわけでしょ? ……ああ、そうか、だとすると今いるVR空間が問題なわけか。本来ならシステム的に補充されるけど、異世界物理法則が優先されるティターニアワールドだとそれが正常に働かないわけだ」
「肯定します。捕捉します。そのため、この一週間マスターの身に起こったVR体リセットは全てマスターの中にあるVR素粒子によって調整されています」
「だから一度もトイレに行きたくならなかったわけか……でも、服が臭くなっていたから、体外に出てしまった汗とかはVR体リセットの対象にはできなかったんだよね?」
「肯定します」
「もしかして少し痩せちゃってる?」
「肯定します。身体機能に影響がないレベルで不必要な部分から分解再構築されていますので」
「それで補充するなら飲食の必要があるわけだ。ちなみにこのまま飲まず食わずだったら?」
「推測します。のどの渇きや空腹を覚えるでしょう」
「それでも無視したら?」
「継続します。なにかしらの身体異常が起きる可能性があります」
「なるほど、それはまずいね」
ようやく納得できた尊は、ペットボトルを開け、少し驚いた。
炭酸が抜ける音がしたからだ。
無色透明だったため水かと思っていた尊は、少々戸惑いつつ飲んでみる。
舌を軽く刺激する甘い炭酸飲料。
久しぶりに味わうそれに、尊は無言で瞬く間に飲み干してしまう。
結果、かわいらしいげっぷをしてしまい、赤面する羽目になった。
「もう一本飲む?」
尊の反応にクスクスと笑う八重に、尊は首を横に振る。
「サイダーが売られているんですね」
「ちゃう、そらプレイヤーが作ってるもんよ」
「そんなことしている人達がいたんですか?」
「システム的制限はまるっきしないからね。ゲーム目的自体もない以上、なにをしても自由なのよ。まあ、主流やったんは地下ダンジョンの探索やったわけやけど……こないなことがなかったら、地下三階の未踏域を巡って各ギルドで争いでも起きていたんやないかしらね? それ目的で結構な人数がログインしていたみたいやし」
「ゴールデンウィークの前日でしたものね……何人ぐらいいたんですか?」
「十万ちょいやな」
「十万人……」
最も人気のあるVRゲームであればそれ以上の人数が常時世界中からアクセスしているが、それらの事情に疎い尊としては多いのか少ないのかいまいちわからない。ただ、どうしてもため息が出てしまう。
「それだけの人数でも奪還作戦は失敗したんですね?」
その問いに、八重は少し驚いた表情を見せるが、尊は思った以上の数に思考モードが発動してしまったため、彼女の様子を確認せずに自分の考えを口にし始める。
「サービスが始まったばかりのゲームですし、全てのプレイヤーが協力するような大勢はできていなかったとしても、盾の乙女団のネームバリューなどを駆使すればある程度のまとまりはできているはずでしょう。プレイヤーさんの皆さんの中には高城さんのような自動兵器を圧倒できる実力者だっているわけですし、まともにぶつかれば準備の整ってないフェンリルが勝つことはなかったと思います。もしかしたら、作戦が始まった初盤は圧勝していたんじゃないですか?」
「そやね」
尊のほぼその通りの推測に八重は若干顔を引きつらせながら頷く。
「でも、負けた。となると、やっぱりVR耐性限界を利用されました?」
「全くその通りやけど……地下にいたんよね?」
「ええ。でも、なにが起きているか状況が変化しないことと、フェンリルがした妖精広場の賢覧はできても書き込みを禁止にした理由とか、地上で聞いた会話などから推測はできますよ?」
「それはそうかもしれんけど、うちらがそれに気付くのに結構時間が掛かったんよ?」
「そうなんですか? 中学生でも習うような基礎的な知識ばかりなんですけどね?」
「うち、来年で大学生やけど、知らんな……」
「え? VR関係の知識が義務教育に組み込まれたのって、僕が生まれる前だったはずですけど?」
尊の疑問に八重は明後日の方向に向き、乾いた笑い声を上げるのだった。




