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夢に落ちた  作者: アザラシ
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第4章

心地良いリズムで運ばれてく。

よっぽど疲れてるのかな……。



夢の中で2次元妄想が暴走してしまった。

これは愛しのあの人が私を迎えに来てくれたのよ!


私の王子様ぁ~






「……で落ちてたって?」


「一応この寒い季節に倒れて居たので」


「しかし着物も変わった物を着てる。それに髪の色も黒くないぞ!異国の者か?」


「それは目が覚めてから本人に聞くけど落ちていた者を……」


「この者が可愛くなかったら連れて帰らなかったんだけど」


「そこ?そこを強調する?(笑)本当にお前って馬鹿だよな」






……んん……。何か周りで誰かいる?

頭が重い。

うっすらと目を開けた。




「目が覚めたか?」




「えっ?あ……あのぉ……これは状況が把握出来ないのですが」

目を開けた私に見えた景色は

畳に布団、かなりレトロ感たっぷりな部屋に袴姿の男子がいて

ここは私の部屋じゃない


ってこの男子は?


「俺が倒れてる所を発見したんだ!」


「ありがとうございます……。」

倒れてたの?

仕事から帰って、部屋で桜の花弁を押し花にしてた本を手にして


誘拐?それか2次元妄想の夢の中?

ほっぺたをつねってみた。

痛い!

夢でも妄想でもない。




「おい、佐之助は幹部を集めてこい」


「はぁ~い」





背中しかわからないが偉そうに命令する人と二人になってしまった。

佐之助ってまさか『原田佐之助』じゃないよね?乙女ゲームのやりすぎ?


それに背中しか見えない人はかなり怖いですオーラが出てる。

マジ怖いです。今から私の身に何が起こるの?


「おい女、なぜこの寒い中倒れてた?」


「あの……私、倒れてたんですか?」


「馬鹿が連れて帰って来やがって……はぁ、女だからって容赦はしねぇからな」


「私自身も自分の部屋で本を見ていたら急に……。私、どうなるんですか?」


良く見たら何となく住んでる時代じゃない。ここは映画村?この人達はコスプレ趣味?本格的に整ってる江戸時代のセット。


怖い人は筆を置いて私の方に顔を向けた。

「えっ?土方歳三?」


「おいお前、なんで俺の名前知ってんだ?まさか間者か?」


「なんで知ってるかって2次元オタやもん!コスプレイヤーには負けるけどね。」


「意味のわからねえ言葉を使うな!斬るぞ。俺は女だからって容赦はしない」




ちょっと待ってよぉ!

コスプレイヤーに顔立ちまでソックリとか新撰組が好きなのは充分に解るけど、まさか斬るとか拷問までキャスティングされてるとか?


「これってblog見て誘拐とか?マジ警察に通報するから……」


ってポケットに手を入れてスマホを取りだそうとした時


『スパーン』

「土方さん、入りますね」


「もう入ってるじゃないか?何回も同じ事言わせるな総司」


「はいはぁ~い」


「ちっ……。」


「佐之助が言ってた可愛い子!」


お……沖田総司ですか?

なんて軽く聞けない。誘拐だったら私、殺される?

誘拐犯達はコスプレをし、バレないようになりきって殺すんだ……。


「おいトシ、この女子は佐之助から聞いたけど別に間者とか拷問は要らないと思うが」


「かっちゃん甘いだろ?」


「佐之助が勝手に連れて帰って来ただけで自らの意思で屯所に来た訳じゃない。これじゃあ誘拐になるぞ」


ここは『屯所』なんだ!

かっちゃんと呼ばれてる人は近藤勇さん?それに原田佐之助の隣の斎藤一?も全て写真で見た人達。



「あの……私、殺されるんですか?」


「そんな理由もなく殺したりしないよ。だけど寒い中、倒れて居たのはどうしてなんだ?」


近藤さんが私に話し掛けた。

けど私も反対に聞きたいぐらい。


「私、自分の部屋で本を見ていたら……」


そう!

そこから私も知りたい所なんだけど。


「よくわからないの……こんな時代劇みたいな部屋に新撰組の人達がいて頭が痛い」


「その『新撰組』とはなんだ?」

土方さんの言い方って何でトゲのある言い方なんだろ!近藤さんと全然違うし


「私の住んでる街に帰してください」


「ちっ……。質問に答えろ女!『新撰組』とはなんだって聞いてんだ」


「トシはちょっと待って。この女子は自分の意思で屯所に来た訳じゃないんだ。まして怯えて何も答えられないのでは」


「かっちゃんは甘い!俺は女であっても容赦もしないし異人だったらどうすんだよ」

異人って(笑)あー髪の毛が茶色だから?


これって夢でもないし現実!?

まさかのタイムスリップとかゆぅやつ?


「あの……今、何年ですか?」


「何年?意味わかんねえ」


「だから西暦で2014年とか「に……にせん?」」


「1863年だよ。文久3年」

物静かな感じの斎藤さんが教えてくれた。


「私は2014年平成26年の時代で生活してます。151年も時の差があるんですけど帰れないんですか?」


みんながいっせいに大きくタメ息をはいた。おとぎ話をしてるにしても あり得ないし 日本の先には服も髪の毛も違うのか?って顔で見てた。



「落ちてたって言うか倒れてた場所に行ったら帰れるんじゃないか?」

原田さんが私を見付けた場所に?


「あの竹やぶの手前の?あんたかぐや姫かよ?(笑)どう見ても姫には見えないが」


原田さんも失礼やわっ


だけど竹やぶなんて家の近所になかったんだけど……。


「落ち込むなよ!いつか帰れるよ」

と励ましてくれる永倉さん。





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