第18章X'mas
広間に夕食の準備が出来た。
で、今日の事を土方さんは近藤さんに報告をしに行っていた。
なので近藤さんの部屋に向かい呼びに行く事にした。
と、途中で総司と廊下で会った。
「愛美ちゃん簪凄く似合ってますよ!副長からの贈り物ですか?」
「えへへ///////。わかっちゃった?」
「わかりますよ。僕も愛美ちゃんが恋仲だったら素敵な物を贈りたいと思うよ」
「総司ったら……。」
笑いながら二人で話して居ると話し声が聞こえたのか、近藤さんの部屋から二人が出てきた。
「あっ……。あの夕食が出来たので呼びに行こうと今、向かってました」
「ありがとう。」
近藤さんはそれ以上、何も言わなくて土方さんはアイコンタクトで何か伝えてきた。
「総司、広間行こう♪」
私はさりげなく総司の手を引っ張って廊下を歩いた。
あ……あれ?私、総司と普通に手を触れても嫌な気持ちもなく好きとかでもなく仲の良い友達って感じ。
これは土方さんも公認の仲なので『友達』のいない私の為に総司も心配してくれ今に至る。
夕食も終わり、部屋に戻って私は簪をずっと見てた。
「おーい愛美、入るぞ」
「あっうん!」
簪を手にしてる私を見て土方さんは
「そんなに気に入ってくれて嬉しいなぁ♪愛美は何でも似合うよ」
土方さんに言われまだまだ恥ずかしから照れてしまう。
そうだ!スマホで写メっとこ
私はスマホを取り出し簪を写メろうとした。土方さんは凄く興味深く見てた。
でもちょっと待って?
今日の日付って
今日って
『クリスマスイブ』
しかも、この時代にきて25日が経ったとかクリスマスイブのイルミネーションとかデートとか……はぁ何もなく溜め息付いた。
「どうした?なんで溜め息なんだ?」
「えっと……あの……今日は『クリスマスイブ』と言う祭みたいな」
「くりすますいぶ?」
「うん!イエス・キリスト様が生まれた日を祝う祭なんだけど……。」
『島原の乱』があったから言いにくいなぁ
「そのキリストは結局、未来の日本に執着するのか?」
「いや……あのぉいろんな事があって宗教は個人の自由化になったって感じかな?ただ家族とか恋仲や大切な人と特別な日として1年に1回盛り上がる行事なんだけど……。」
「行事か……。で、どんな風に?」
デートとか予約席でディナーして高価なプレゼントをもらい、イルミネーションで飾ったツリーを見たり……あれやら、これやら通訳しながら苦戦して土方さんに説明をした。
私、めちゃんこ疲れてます。
土方さんはクリスマスを理解でき
「結局、女子が特をするんだな(笑)」
「そんな事ないよー!好きな人が喜ぶ顔を見れる日、と理解しましょう(笑)」
まだまだ沢山あるけどケーキやら屋根の煙突とか言い出すと切りがないのでデートバージョンでほとんど説明させてもらった。
「で、俺の『くりすますいぶ』はあるのか?」
あるわけないじゃろ(笑)
「じゃ、私の『クリスマスイブ』はあるの?(笑)」
二人でにらめっこ状態だけど何か笑えそうで笑ったら負けみたいにお互いに見合ってた。
どちらともなく一言
「「クリスマスイブ!!」」
私は唇をとがらせてスネていた。
「てゆぅか、愛美の住んでる世界で今日が誰と過ごすとか決めてたんだろ……。べ、別に気にならないけどなぁ」
土方さんも何故かスネている。
全然意味のない『気にならない』とか意外な所が何か好きになってきた。
本当は気になるんでしょ?
誰と過ごすはないよ(笑)私の『土方歳三』と妄想で、過ごすだけなのに。
「幕末でクリスマスイブでもしよっかなぁ~」
とスマホで土方さんと一緒に写メを撮ってみた。
勿論、土方さんはビックリして
「今、何した?何か眩しいものが……」
私、爆笑しちゃった。だってあのイケメンの土方さんがビックリしてる様子を見て、それが楽しくて爆笑してしまった。
「何笑ってんだよ!」
「だってトシさんのビックリした顔が……あぁ笑いすぎてお腹いたぁ」
「笑いすぎてだろ!ほとがらは初めてだったからな……。」
「じゃあさぁもっと撮ろうよ♪」
「仕方ねぇなぁ……。」
とか言いながらも撮る気満々の土方さんに写メを一応見せた。
「こんな感じで撮れるからね」
「ほぉ……凄いな」
表情が固い(笑)固いんですけど……。
「もっと笑顔で……」
色々なポーズをやりながらも
「トシさん……私の為にクリスマスプレゼントちょうだい!!」
「ぷれぜんと?意味がわからないが別に良いけど」
「じゃあこっち向いて!」
私も勇気を出して頂きます!クリスマスプレゼントを……。
そっと私から恥ずかしいけど唇を重ねた。
そして写メった……。
「トシさんありがとう。」
たぶん真っ赤になってる、けど土方さんも鳩が豆鉄砲を食らったようなキョトンとした顔だった。
それなりに勇気を出して取った行動だったけど、何か反応してよ(笑)
こっちが恥ずかしくなるから……。
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少しの沈黙が長過ぎて土方さん少し話そうよ?
【土方さん】
頭の中で何考えてるのかもわからなくなってしまってた。なんて愛美にバレたくない!この俺が唇が触れる程度の接吻で何を焦ってるのだ!
あんなに大胆な事を愛美からしてくるなんて思いもしなかった。
未来の女子は……わからん。
ドキドキが隠すだけで精一杯なのに、愛美は『ありがとう』とかってあんなカワイイ笑顔で言うとか反則だ!
くりすます、ってあんな事するのか?
もしここに愛美が居なくて、くりすますに誰と接吻するとかあるのか?
俺、何考えてんだ?
最近ずっと愛美にヤキモチ妬いてバッカリだし。
それに『桂小五郎』との事も……。
誰にも触れさせたくない!
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「ねぇトシさん?」
「はっ!何かボーっとしてたよ」
誤魔化しながら慌てて我に返ったのだけど愛美は満足そうに
「嬉しくて嬉しくて♪トシさん大好き」
いや……俺の方が嬉しくて気持ち隠すので精一杯なのに。
「あぁ、俺も愛美が大好きだ」
なっなっ……!!俺がこんな言葉を言うなんて、愛美が言わせるような空気を作るからだ。大好きじゃなくて『愛してる』だろ!愛美のペースにはまってしまってる。
「今日だけね、特別な日だからトシさんの唇食べちゃった」
俺は愛美の全部を食べたい。
なんて……。
私は唇が触れた場所を嬉しくて指で確認してクスッと笑った。
クリスマスプレゼントだわぁ!
今までにない最高のプレゼントなんですけど////////////////。
その様子を見て土方さんは指で唇をなぞる愛美がいとおしくて思わず抱きしめてしまった。
「ひゃんっ!」
私はビックリして大好きな土方さんが両腕で優しく包みこんで胸元にぴったりくっついた。ん?土方さんもドキドキしてる?
ほとがらに魂を抜かれるとか(笑)私のペースで写メ撮って初めてだったから(笑)ドキドキしてるの?
「俺の脈が早くなってるのに笑うな……」
「だってねぇトシさんほとがらでドキドキしてるのが「違うよ……馬鹿」」
両手で私の顔を触れ真っ正面に向き合った。
「愛美にドキドキしてる……。」
「……。私に?」
土方さんが私の唇にそっと唇を重ねた。
「俺のぷれぜんとってのは?」
えっ?準備も用意も何にもしてないんだけど……。どうしよ
「俺は愛美が欲しい。」
甘くて耳元で囁かれ
変な声が出そうだった。
「ぅ……ん。」
返事に取れるような声だった。
それは幕末でも未来でも恋人同士だったら身体を重ねるのって今日は普通の事だよね?
髪を撫でながら土方さんが私の唇をなぞるように触れたり優しく食べていく。
溶けてしまいそうな感じでもう力が入らなくなった。
「ふにゅ……。トシさんズルいよぉ……」
そんな言葉も無視されゆっくりゆっくり食べていかれる。
初めての時、凄く恥ずかしかった。
今も恥ずかしいけど唇を弄んでる行為にジラされてる……。
私も反撃に入った
土方さんの顔を両手で持ち私からキスをした。
火照ってきたので少し熱い吐息と接吻の音が部屋中に響いた。
「はぅ……ん。トシさん……」
私からなんて……。
「熱い……トシさんが私に火を付けたんだからね……。」
着物を脱がせてって目で煽ってみた。
帯紐を取りながらキスをする。
少し強引気味に脱がされた……。
「愛美をめちゃめちゃにしていいか?」
「ダメって言ってもするんでしょ……。」
ニヤリと笑い土方さんが私を食べていく。
本当に溶けてるのかなって思うほど……。