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夢に落ちた  作者: アザラシ
12/25

第12章

「……ぅ~ん」

良く寝たぁ~!

寒いけど今日は天気が良さそうやし洗濯日和やなぁ♪

ってすっかりここの生活に馴れてきてしまった。私は主婦かよ(笑)

朝食を作り、掃除をしたら洗濯に雑用……と、毎日毎日、鬼三のパシリと

「愛美ちゃん、おはよう」


「あっおはようございます」


総司と廊下で会った。

癒し系の笑顔で挨拶され、少し岡田君の事を思い出しちゃった。

総司は私とは仲良くしてくれてるが、恋愛とかの対象じゃない感じ。

でも新撰組の『沖田総司』は結核で……。

本当は知ってる事も未来を変えてしまえる事も出来るのに、私は未来を変えてはいけない。


こんな人達が歴史に残る出来事を……。


総司も豪剣の一番組隊長


右に出る者も居なかった。

幼い頃、両親も結核で亡くなり近藤さんの所に引き取ってもらい、宗次郎が土方さんと出会い同時に兄ができた。

剣は誰もが歯が立たない程の腕で江戸にいた頃は平和だったのに。



二条城とか話がなかったら『新撰組』も居なかったし江戸で幸せに暮らして居れたのだろうなぁ……。


22歳って……。

数えだけど、と言うか総司は宗次郎の時は幼い子供の歳が解らずおおまかな年齢で生きていたんだよなぁ。



あんな笑顔が出来るのはきっと土方さんと近藤さんのお陰なんだろな。

ひとりぼっちで辛い私の気持ちは宗次郎と重ねて思ってくれてるのかな?



作者です。

歴史の内容が少し出ますが(/´△`\)スミマセン!




*******************




朝食も終わり片付けの忙しい中、相変わらず齋藤さんは手伝ってくれた。

「愛美さんも女中の仕事に馴れましたね。何か不敏があれば言ってください。」


「ありがとうございます。齋藤さんも忙しいのに毎日手伝っていただき……きゃっ「愛美さんっ!」」


滑って転けそうになった瞬間


「チビが沢山持つから下が見えてねぇんだよ」

間一髪、鬼三がたまたま転けそうになった寸前で支えてくれた。

「助けていただきありがたいんですがチビは余計だと思います!」


「副長、愛美さんの不注意を僕が気付かないですみません。」


齋藤さんが何で私の事で謝るの?

悪いのは私なのに……。


「齋藤は席を外してくれ」

「わかりました」


って、この空気は何?

私だけ鬼三の前に今から説教なのか今からゲンコツなのか?


「手に持ってる物を置け。」


ちっ……。はいはい置きますよ!


「なぁ……愛美……」


へっ?ガッツリくるかと構えてたのに。

私の足を心配そうに……見てる。

「痛くねぇか?大丈夫か?」


調子がくるうんですが……。

誰も居ない廊下で二人、私に優しく土方さんは足を心配してくれた。

「あ……だ、大丈夫!平気よ平気!」

って言いながら立とうとした時に

「きゃぁ」

足を挫いていたみたいでまた転けそうになってしまった。

と同時に土方さんの腕で受け止めてくれ胸の中で支えてくれた。

「ごめんなさい!マジごめん!」

焦りまくりな私に土方さんは

「……馬鹿。」

「ふぇ?」

急に抱き抱えられて土方さんが間近にいる。綺麗な顔、目も鼻も唇も整った顔がこんな近くでしかも普通の人間で(笑)鬼三に慣れすぎて普通が調子がくるうの


抱き抱えられながら私は部屋に連れて行かれた。そしてゆっくりと座り土方さんのあぐらの上に座ってる状態になった。

近距離の土方さんにドキドキする私の気持ちを押さえながらも

「折れてたら熱も出るからな!」

「捻挫と思いますけど……。」


土方さんは少し笑い

「愛美の顔赤いぞ(笑)」


か……顔だけじゃない。耳まで真っ赤なのは自分でも気付いてる。

そうやってイジメルから……えっ?

土方さんのオデコと私のオデコがピッタリと密着してますが!


「少し熱あるかもな薬取ってくるから大人しくしておけよ」


大丈夫とか言いながら足がどんどんと腫れてきて確かに熱あるかもなって感じ。


土方さんが戻ってきた。

私は意識してしまう……。私が2次元で恋をした人が本当に目の前に居て、足を挫いてしまったからなのか弱ってる私に優しくしてくれた。


「愛美……この角度で固定するけどいけるか?」

「あ……うん。ありがとうございます」

「二人の時ぐらいよそよそしくするなよ。俺は普通の愛美が……「いたっ!」」

ほどけないようにと包帯をキツメにしたけど腫れているので痛かった。

「腫れが引くまで緩めでお願いします」

「だから、さ、俺と二人の時ぐらいよそよそしくするなって、言っただろ?」

私に?私に言ってくれてるのかな?

「土方さん……。本当に良いの?」

「土方さんも何か違和感あるなぁ……。俺の名前で呼んでくれた方が、ぅ……」

頑張れ土方さん!ちゃんと名前で呼んでくれた方がうれしいって気持ち伝えないと!←作者も応援


包帯も巻き終わり土方さんが動けない私の足を楽な格好に座らせてくれた。


「土方さん……ありがとう」


「これぐらい平気だ!それよりさ、土方さんじゃあなくって名前で呼んでくれ」


あぁぁぁ~!命令形じゃなかったのに!

愛美に『トシ』ってその甘い声で言って欲しかっただけだったのに!!

しまった!もう一度言います。

「と……と、トシって呼べ」

また命令形で言ってしまった!

これだから愛美に嫌われるんだよ俺は!

上手く言えたら俳句なんて書かねえし


「あの……土方さん」

愛美が袖を引っ張ったせいで俺まで倒れそうになってしまった。

はぁ間一髪。ってこれってそうとうマズイ態勢になってしまった。


私の上にかぶさる様に土方さんが上にいる。しかも股の間に『マタワリ』なっておりますが!

壁ドンにアゴクイにマタワリまでされた。と、言えばされた。

ロマンチックもないし土方さん……意外に素直じゃないし、それにこの態勢で名前で呼んでとか(笑)

「トシ……さん」


「ごめん!足に当たらない様にしたつもりが……」

土方さんに『トシさん』て呼んだら意外に照れ屋みたい。

「トシさん……だいじょ!」


腕で頭を抱えられ、それは違う!

このシュチュエーションは事故発生と、同じやん。

もう一度言います。これは事故で起こった態勢です。


「愛美ちゃん大丈夫?」

『スパーン』


総司が私の足が心配で来てくれたけど……



「「「…………………………」」」



三人がフリーズ状態。



総司は無言で襖を閉め出掛けて行った。

私はこの状態から起きれないから土方さんに頭を抱えてもらっていて

土方さんは私が袖を引っ張ったせいで倒れた。


そこに恋愛からの発展でもなく

偶然に事故が発生して総司が見ただけ。


これって総司に言い訳する所なの?

いや違う!

土方さん……態勢替えませんか?

このままは流石にマズイねんけど。

「今、愛美を離したら総司の所に行くんだろう?俺と二人で居ろ」

あぁ!また命令形で言ってしまった!

「言い直す。愛美は俺の傍に居ろ。違う!もう一回、俺の傍に居てく……居てほしい。で、トシと呼んでくれ、違う!トシと呼んでくれたら嬉しい」

土方さん頑張って言い切ったので力尽き私にかぶさってきた。


その結果、私がとっさに土方さんの首を両腕で回し、しがみついてる大胆な態勢になってしまった。


「あの……ごめんね、えっととっさにしがみついてしまっちゃって。私、土方さんに馴れ馴れしく触ってしまっちゃって……。」


「また『土方さん』とか馴れ馴れしくとか言う?俺が嫌いか?」


私の耳元でそんな声で言われたら……。

「またそうやってイジメル?」


「いじめてなんかいない。俺、最近さぁ変なんだ。総司と仲良くしてる愛美を見て嫉妬したり総司も愛美の首筋に顔を埋めたり……でも愛美は総司を拒否しないだろ?俺……」


私はたぶん心臓がドキドキしている音が土方さんにバレないように恥ずかしくて隠すので精一杯なのに……。


「愛美を思うと胸が痛いんだ。」

それは迷惑ばっかりでヒヤヒヤの方なんだろな。

ここに世話になってから私もドンクサイし土方さんも忙しい中、なんやかんやで面倒見てもらってるし。

「すみません……。胸が痛くなるほど迷惑かけるつもりじゃないのに」


「もう少し話すともう体調が悪化するぞ」

と同時に温かいモノが優しく降ってきた。



「愛美……もう一回、名前で俺の事、呼んでほしい……」

こんな土方さんは初めて。

優しい甘い声で耳元で囁かれたら本当に勘違いしてしまう。

顔を見つめられながら、こんな土方さん、初めて見た。20センチ位の距離で


「トシさん」


私も勇気を出して見つめながら名前で呼んでみた。



ギュッと抱き締められた!


「愛美、もう少しこのままで抱き締めていいか?俺が嫌いでも何でもいい。」


えっ?この感触はいつも夢の中で抱き締められて落ち着く感触と同じだった。

懐かしい感じの、いつも夢の中での感触だった。

「もう少しだけで良いの?」

言ってしまった!私、夢の続きと間違えて大胆な発言を言ってしまった!


「俺……初めてなんだ。愛美を思うと胸が締め付けられる。嫌いって思われても言う!」

初めて土方さんが私に優しさを見せた。

本音で抱き締められながら私に明日、もしくは今日、いつ消えるか解らないので後悔したくない性格の土方さんだからこそ思った事、伝えてる……って言うか、内容が考えてみたらコクられてるやん。


「忙しくないのだったらこのままでも平気だけどイジワルとからかったりは禁止やで」


「じゃあその反対だったらいいんだよな?」

反対って?

首筋に顔を埋めたりままだから土方さんはどんな顔をしてるのか?悪魔の微笑みなのか?天使の微笑みなのか?

怖くなってきた。


首筋にチクンッと痛みが走った。

えっ?何したのよっ!



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