第11章
スマホを片手に私はいつも皆と写メる時に後ろの背景まで気にしていなかったけど後ろにいつもちょっかい出してくる『桂木さん』が写っていた。
「半分ストーカー入ってるやん……。」
私は岡田さんを思い出し、少し総司と似てる存在だなって懐かしく思った。
今、みんなは何してるんだろ?
淋しくなってきて一人で部屋に居るのが嫌になってきた。
総司……何してるんだろ?
部屋に遊びに来てくれたらいいのになぁ
…………って私、すっかり総司とか思っちゃってるし。
土方さんなんてちっとも気にもならなかった‼
しかし退屈だよな……。
テレビも無ければ漫画の本もなく
友達もいなければ
すっごく孤独な気分。
私、さっきから溜め息ばっかりついてる。
鬼三の居ない部屋は少し寒くて退屈。
自由にゴロゴロ出来るけど何書いてるのかわからない字が書いてる本ばっかりだし、昔の人って退屈……。
目を瞑ってじっとしてたら眠れるかな
起きたら自分の部屋に戻ってたらいいのに。
眠りと同時に涙が出てきた。
私が眠りについた頃、土方さんが帰って来た。私は眠っていたので気付かなかったけど土方さんはスマホを見付け珍しい物に興味を持ち触ってみた。
皆と写ってる写メにずっと見ていた。
写メの写真は私が化粧して笑ってる顔だった。
【土方さん目線】
はぁ……疲れた。愛美の顔でも見て癒されよっかな。
「お~い愛美、入るぞ」
返事がないのでソッと襖を開けたら愛美は変な物を持ち寝ていた。
これは2015年の物なのか?
画面に触った瞬間ドキッとした。スマホの画面が付いたので俺はびっくりしてしまった(笑)
「眩しい物だな……。ホトガラか?」
ちょっと借りてみた。愛美が物の中で沢山の人間と笑ってる。
楽しそうに……しかもこんなに笑ってる愛美の顔なんて1回も見たことなかった。
2015年の服にもビックリした。
なんて格好なんだ!肩も全部出ているし足もほとんど出して靴は変な物を履いて……。
けど……こんな愛美を皆に見せたくない。
「化粧してるのか?すっごく…………」
可愛いじゃねえかよ!愛美の馬鹿!
可愛すぎる!しかも隣に写ってる男と肩も組んでるし!つか肌触らせてるし!こいつと恋仲なのか?総司みたいな男だな。愛美は総司みたいな男が好きなのか?
こいつの住んでる世界に嫉妬しても仕方ないか……。来世と言うものが本当にあるとしたら愛美と会いたい。会いたいだけじゃ物足りないな。
はぁ……。愛美の寝顔をソッと覗いた。
「泣いてるのか?」
ホトガラを見て寂しくなったのか?
起きないように愛美の顔の涙を拭った。
変な物を置き、愛美の顔を見ながら考える。俺…………何でこいつをこんな風に思うんだ?調子がくるう。
愛美の隣に座り顔を触れ髪に触れ……。
何してるんだ。俺は女に不自由もしたこと無ければ寄って来る女は綺麗なやつらだ。なのに愛美を見ると落ち着くし、こいつと居ると自然と自分で居れる。
俺らしくない。
これってこの気持ちって何なんだ?
ドキドキする時も愛美には気付かれないようにからかってるつもりが本当は俺の方がそんな時、避けられるんじゃないかと半分、不安な行動もしたことあるけど愛美は俺を避けたりしない。
って、こんな事だけで喜んだりしてる俺は俺じゃない!
愛美は俺が嫌いだろな。
いつも『鬼』で居なければ守れないんだよ……。愛美に優しくしてやれるのはこんな時だけだよな。
「……ん、」
ビックリしたぁ~!!愛美が寝返りをうったのか。
可愛いなぁ……。
ちっちゃくてギュっと抱くと潰れてしまいそうな体。寂しかったら俺に甘えて来てくれたら受け止めてやりたい。なのに総司に甘えてムカつく!
考えても仕方ない。今日はもう休もう。
朝も早いから毎日、一緒に寝てるとか愛美は知らないんだろな(笑)
「おやすみ。愛美……」
抱き枕のように愛美と一緒に眠った。
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夢の中なのか私は優しく髪を撫でられていた。そしてソッと私をくるんで温もりが伝わる。凄く温かくて落ち着く……。
これが私の好きな土方さんだったらな……なんて夢なんだから、そんな訳ないか(笑)
タイムスリップをしてから唯一、私が安らげるのは夢見心地なこの時が一番好き。ずっとこんな夢が見れたなら幸せなんだけどなぁ……。
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二人が本当の事を気付かないので
毎日、スレ違いが続くけど
二人の距離は縮まってくのも
まだ知らなかった。