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第37話 半信半疑

 不思議な後輩も我が家に引っ越しに来ることになり、現在我が家には俺も含めて七人いることになる。

 八恵は今回も反対したがもう何も言っても無駄だろうと諦めてくれた。

 より一層面倒なことになりそうだったからパワースポットの件は伏せて、適当な理由をつけておいたがその問題は早々に片付けておきたい。

 けど、本人にそれを伝えてもそれは自分の仕事だと言い張り重要なことについては何も話してくれない。これでは手助けしたくても出来ないので仕方なく勝手ながら手を打たせてもらう。

「正直に吐け。その方が身のためだぞ」

 彼女が話さないのなら事情をもう一人に聞くだけ。俺はとある男に電話かけた。

「まさか実の息子からそんな台詞を言われる日が来るとは思わなかったよ。それで何を吐けば良いんだ? 愛おしい息子のためなら何でも吐いちゃうぞ」

「吐くのは本当のことだけでいい。この前、親父の名前を知ってる子がいきなり家に居座ることになったんだよ。しかも親父の仕事も知ってるような口振りだったぞ」

「ふ〜む。そうかそうか。お前もそんなことを気にする時期になったか。成長したと喜ぶべきか悲しむべきか……いや、ここは親として喜ぼう! おめでとう我が息子よ」

「ありがと。それとサッサと吐け。誤魔化そうとしても無駄だぞ」

「そうか。そこまでして聞きたいのか……。だが全てを受け入れる覚悟はあるのか?」

「正直、親父がどんな仕事してようが俺には関係ない。継ぐ気とかさらさらないからな。けどその仕事がどのくらい大事なのかは俺が一番知ってるさ」

 子供と仕事どっちが大事なんだと言いたくなるが、何よりも優先しなくてはいけないこともあるだろう。それが自分にしか出来ないことなら尚更だ。

「……大人になったな。もうこうしてはぐらかすのは邪推というものか。それじゃあ、懇切丁寧に教えてやろう」

「やっとその気になったか。それでパワースポットだとか言われたがそれと関係があるってことか?」

「ああ、一般的にパワースポットと言われてるところを保護するのが俺たちの仕事だ。琴陵っていうのが来たろ? あいつは日本支部で期待の新人だって騒がれてる奴でさ。まあ、色々とあれだから面倒見てやってくれ」

「そのつもりだ。どうにも危なっかしいからな。けど、あいつが日本支部の人間ってことは親父は何処の支部に所属してるんだよ」

「俺は何処にも所属してないぞ。だからこうして気ままにフラフラしてられるのさ」

「フラフラしてる自覚はあったんだな」

「まあ、そのおかげで色々と頼まれんだなこれが。やっぱりそういうの溢れちゃってるのかな。頼れるオーラ的なのが」

「だからってあの子を俺に押し付けるな。正直、どうやって扱ったらいいかわからなくて困ってるんだよ」

「大丈夫だ。あいつはちゃんとしてるから環境が変わっても上手くやってくだろ。問題はお前の方なんじゃないのか? 可愛い女の子に囲まれてハーレム状態だから若気の至りでつい手を出しちまったりしてないか?」

「してねえよ! 親父じゃあるまいし、ちゃんと線引きはしてるからな」

 妹と幼馴染にそんな気が起こることはらないし、問題は八恵だが最近は何故か大人しいので親父が言うようなことは一切起こっていないし今後も起こることはない。

「ふ〜ん。それなら良いけどよ。とにかく、俺は仕事があるから切るぞ」

 まだ言いたいことは山ほどあるが興は一つだけ確認したいことがあった。

「それどこまでが本気なんだ?」

「……それは自分で確かめるんだな」

 結局、有益な情報は得られなかったが親父と関わりがありそのせいで我が家に暮らすことになっているということだけはよ〜くわかった。

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