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第30話 お買い物

 八恵との遊園地巡りが終わり、一日目が終了。

 そして今日は二日目。

 魅雨、華蓮という姉、妹の順番で今日一日は潰される。

 まずは、魅雨姉に言われた銀色の時計の近くで待っていた。

「ま、待たせてすまない」

 聞き覚えのある声だったがそれは見覚えのない服装だった。

「お、おお……魅雨姉がそんな服着るなんて珍しいな」

 ピンクの上着に水玉模様のスカート。

 まるで華蓮が着そうな服装で現れ、一瞬誰か分からなかった。

「へ、変か? せっかくだからと華蓮に着せられたのだが」

「いや似合ってるよ。ちょっといつもと違うから驚いだけだ」

 普段は制服かピシッとした感じの服しか着てないのでギャップがものすごく、不覚にも一瞬脳の活動が停止してしまった。

「そ、そうかなら行くか」

「行くかって、俺行き先聞かされてないんだけど」

 前回の八恵は遊園地に行くと言っていたから大体何をするは分かっていたようなものだが今回はここで待ち合わせするとだけで、こうして会ってから何をするかは全く知らされていない。

「か、買い物だ。実は華蓮に服が可愛くないと怒られてな、せっかくだから興に選んでもらおうと思ったんだ」

 別にファションセンスがないというわけではないのだが、地味なものばかりでアイドルで派手なものばかり着てきた華蓮にとってはそれが我慢ならなかったらしい。

「ふーん、でもそれって俺でいいのか? 魅雨姉が好きな服じゃないかもしれないだろ」

 俺が選んだ服が魅雨姉が好きな服とは限らない。もしかしたら嫌いな服がなのかもしれない。そんな服を金を出して買うなんてバカバカしい。

「いいんだ、どうせ他に見せる人はいないしな」

 まあ、休みの日とか出かける時に着る服だから親しい友人が少ない魅雨姉にとって見せる人は我が家の住人くらいしかいないだろう。

「魅雨姉がそれでいいなら分かったよ。自信はないけど付き合うよ。それで何処の店に行くか決まってる?」

「それなら華蓮にいくつか教えてもらっている。それを順に回って行こう」

「ああ、魅雨姉に任せるよ」




***




 まずは最初は待ち合わせ場所のすぐ近くにあった『コスモ』というピンクの壁が目立つ店だ。

 いかにも女の子が入る店で興は完全に浮いていて、店内の空気に甘い香りが漂っている。

「じょ、女子高生恐るべし。最近はこんな店が流行ってるのか」

「いや私も女子高生だが、こんな所に来るのは初めてだ。なんというか目眩がするな」

 特にこの甘い香りが頭をおかしくさせる。

「だけどこっちは人が少ないぞ」

 店長のオススメというコーナーなのに人っ子一人いない。

「本当だな。しかし、何故だろう?」

「どもでーすお客様! 何かお探しでしょうか?」

 突然高い声で現れたのはフワフワの髪の上にベレー帽を載せたやけにテンションの高い店員で、グイグイ来る。

「あ、いや、その、特にこれといって探しているものはないんだが服を探しているんだが…」

「あ〜、彼氏さんとデートってことですね☆」

「か、彼氏じゃない‼︎ 興は私の弟だ。勘違いしないでくれ」

「まあ、まあ恥ずかしがらなくてもいいですからとりま何かご試着してみますか〜?」

 どうして俺を彼氏にしたいのか、魅雨姉の訂正を聞こうともしない。

「そうだな、せっかくだしお願いしよう。しかし、一体何が良いのか分からないのだが……」

 何をどう組み合わせるか、それが問題なのだがその組み合わせが分からない。

「お客様は〜、スタイルがいいので何を着ても似合うと思いますよ〜。もしよろしかったら〜私がオススメする服を着てくれませんか? 大幅に安くしますら」

「それはモデルをしてくれということか? いや、しかし私はそうゆうのは……」

「彼氏さんも彼女さんが可愛い服着ているところ見たいですよね!」

「そうだな……。見てみたい」

 いきなり質問してきてビックリしたが、見たくないと言ったら嘘になる。

「そ、そう。興が見てみたいなら仕方ない。着てみるか」

 こうして魅雨は試着室へと入って行き、しばらくしてカーテンが開けられるとそこには驚くべき姿があった。

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