高谷 高天留(こうや たかまる)
第1話 高谷 高天留
ー高谷高天留はその地域でも名の通った公立の有名学校、甫雅中学校に通う中学二年生。
そう平凡なー。
平凡といっても良いのか図らない程、’中心的な者たち’の周りからは目立たないただの中学二年だった。
只、
彼はその中学に通うだけのことはあり、頭は良かった。
頼りに出来る友も一人、居た。
しかし彼の日々はある一つの箱によって、一転する事になる。
2014年3月23日
時間の流れの感じ方は人、年、歳などによって異なるが、この冬。14歳の僕にとっての冬はなぜか少し長く感じた。
基本的にこの地域では季節によって気温は激しく変化し、夏はそれほど暑くないが、冬になると驚く程に冷え込み、この日付になってもまだ肌寒さは消えないのだ。
はぁ。なあ〜んで世の中ってこんなにつまんないんだろう。
僕にあるモノと云ったら、-全て-とは言い難い、少なくとも勉学についての環境は整った、退屈な学校。全然知らない母親、昔っから叱ってもくれない、僕に自分を見せる事をしない親なのかも良くわからない父親、失踪した兄、そんな退屈な奴らだ・・・
でも、一番信頼できる、大切なモノ・・・それはー。
キーンコーンカーンコーン
六時間目終了の時を告げるチャイムが、静まり返った校内に響き渡った。
「ーという三原則を覚えていると、この問題は簡単に解くことができる。
先ずはコレを押さえていないとこの文法問題は解けんからな。
たしか今年度の1学期に教えた事だったな。ちゃんと覚えるんだぞ〜!
よし、これで今学期の全課程は終了だ!多分各教科の先生から聞いているとは思うし、わかってると思うがこの春休みを越えると皆はもう三年だ。受験の一年後なんてあっという間だぞ。つまりだ、高谷。
どういうことだ。」
急に振ってくるから嫌になる。
「・・・・この春から受験に向けて今まで習った過程を出来る限り全て復習しろ、ですか」
話を聞いていなかったが今日という日と、聞いていたところまでの内容をつなぎ合わせて何となく答えた。
「ああ。その通りだ!皆もちゃんと心がける様に!」
国語。あまり好きではない教科だ。深い意味はないが、担当の教師も入れて計算すると、5教科ではワースト。
今日で二年生は終わり、明日から春休みだ。
皆さっさと帰りたくて日直の仕事なんてやっていたからもう誰も居なくなっていた・・・。
教室を出て階段を下りようとしたとき、もう一度その教室のある少し薄暗い誰もいなくなった不思議な雰囲気の廊下の方へ振り返ってみた。
するとたまたま偶然に友がやってきたのだ。そう隣のBクラスの洟前 登礱だ。
彼は僕の一番の理解者であり、大切な、・・・大切な存在だ。
彼もまた同じ様に僕を親ってくれていた。
「おっ!タカマルじゃん!今帰りなのか?」
「おう!ミノル!日直の仕事やってたから遅くなったんだ。本当ならさっさと帰って漫画読んでグッタリしてーのによ。」
「わかるわかる。俺も学級委員でさあ先生に頼まれて仕事してたからー。」
ミノルはしっかりしている。クラスの学級委員もしっかり務め皆からも認められている。立派だしおまけに頭もすごくいい。僕にはもったいない親友だ。
そのまま僕たち二人は誰も居なくなった人気ない今朝の雨で少し湿ったアスファルトで続く通学路を自転車で駆け抜けた。




