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魔力操作無双~魔法が使えないで虐げられていた俺は、魔力を体内でひたすらグルグルしてたら、ざまぁしてました~  作者: 喰寝丸太


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第81話 脱獄

 ワイズベルが行う予定のマフィアのボスの毒殺を防がないと。

 分身ナンバー1がボスを見張っている。


 ボスが食事を手に取った。

 姿を現さぬまま分身ナンバー1が、ボスの手を叩く。

 こぼれた食事をちょうど出て来たネズミが食べて血を吐いて死んだ。


「誰が俺の命を狙っている? 心当たりが多過ぎて、やんなるぜ」

「ボス、これからは差し入れの食事だけにしましょう」

「そうだな。同じ組織の手配なら信用できる」


 これで、毒殺の目はなくなったな。


「ボスは運が良いですね。毒の食事を手にしたらこぼすんですから」

「ああ、それな。誰かに手を叩かれた」

「牢内に幽霊が?」

「ファントムかもな。奴は裏の者出身だと聞いた。俺に恩があったのか。誰かに頼まれたか」

「何にせよ運が良いですね」


 運が良いのは脱獄までだ。

 そこからは地獄の底にまっしぐら。


 そして、脱獄の日になった。

 鉄格子はヤスリで既に切られている。

 マフィアのボスと手下は、ぞろぞろと牢を出た。


 笛が鳴り渡る。

 牢番が脱獄を見て鳴らしたのだ。

 用意が良い事に牢番達は盾を持っている。


 暗器を持った手下が襲い掛かったが、盾で何ともない。

 牢番達は適当に相手してから押し込まれた感じで撤退した。


 ボス達が牢から出ると、構成員が多数いてボスを取り囲んだ。

 そこへ現れるクラフティ達。


「よし、ぶっ殺す。身体強化(フィジカルブースト)

火炎竜巻(ファイヤートルネード)


「お前ら、ぬかるんじゃないぞ」

「がってん、水竜(ウォータードラゴン)

電撃(サンダー)


 魔法の打ち合いが始まった。

 マフィア側の魔法使いは多いので、クラフティ達は押されまくった。

 防戦一方だ。


「くっ、こいつら強いぞ。撤退だ」


 クラフティ達は弱いな。

 撤退は早すぎじゃないか。


 分身ナンバー1がワイズベルの顔を張り付けて、姿を現す。

 抜き身の剣を下げてだ。


「お前はワイズベル、迎えにきたわけじゃないよな。裏切るのか」


 手下の中にはワイズベルと面識がある奴がいるからな。


水球(ウォーターボール)、窒息」


 実際は(デス)だけどな。


「ぐがが」

「水球が速すぎて見えなかったぞ。みんな口を閉じろ」

水球(ウォーターボール)、窒息」

「ががぁ」


「くそ。一斉攻撃だ」


 魔法が分身ナンバー1に集中する。

 だが、魔力結晶の分身は痛くも痒くもない。


水球(ウォーターボール)、範囲窒息」

「ぐぐっ」

「ぐわっ」

「がっ」

「あぐ」

「ぐがあ」

「なっ」


 数人を残してマフィアは全滅した。

 もちろんボスも死んでいる。

 分身ナンバー1はボスの脈をとるふりをしてから立ち去った。


 そして、数時間後。

 マフィアはワイズベルの命を取るべく結集した。


「どうなっている?」

「ボスの仇だと言ってます」

「くそ、毒殺がばれたのか。真相究明は後で良い。前に盗賊が来る予定だった時に設置した罠はまだ有効だよな。学園に招き入れて殺せ」

「はい」


 魔法学園の門が破られて、マフィアの構成員がなだれ込んできた。

 トラップの威力は絶大で、形勢はワイズベル側に傾いた。

 8割ぐらいの構成員が死んで、あとは降伏したようだ。

 降伏した構成員には隷属魔法が掛けられた。

 殺されるよりましかと生き残った構成員は魔法を受け入れたようだ。


 今回、得したのは、プリンクとワイズベルか。

 特にワイズベルは何十人という奴隷を得た。


 俺は王様から金一封を貰ったが、プリンクとワイズベルほどは儲けてないな。

 ちょっと悔しい。


 だが、考えてみたら、プリンクは金を儲けると蛇女との逢瀬で寿命が縮む。

 ワイズベルは王都の構成員は軒並み潰したが、地方にいるマフィアの残党も馬鹿にできない。

 おそらくこれから血で血を洗う戦いが始まるのだろう。

 ワイズベルを倒した奴が次のマフィアのボスになるのは間違いないだろうからな。

 ワイズベルは気が抜けない生活になるぞ。


「サマンサ先生、魔石モーターと魔石エンジンとゴーレムはどうなりました」

「進んでるわよ。画期的なアイデアは出てないけど。魔石モーターは魔動車いすで十分かなと思います。生産追いついてないでしょ」

「うん、まあね。でもほら、巨大魔石を切ったり削ったりすれば、普通の職人でも加工は可能だから。巨大魔石作りはそんなに面倒じゃない」

「とにかく馬車は無理。重力軽減を使えれば別だけど。グラビアが押さえているのよね」


「何だ。そんなことか。話を通すのは簡単だよ」

「やった。馬車が羽の軽さになれば、トルクなんか関係ない。魔動車いすにも重力軽減を使っても良いわよね」

「好きにすると良い。いっそのことキックボードと魔動車いすはグラビアから出そうか」

「儲けが変わらないなら」

「決まりだね」


 魔石モーター駆動の馬車が走ることになった。

 ただ、重力軽減はかなり魔力を食う。

 遠出するには向かない。

 奇しくも、電気自動車初期みたいになったな。

 航続距離が問題みたいな。

 充電スタンドの問題がないだけましかも知れないが。


 この航続距離問題に、サマンサ先生は力技で解決した。

 重力軽減の魔力を巨大魔石に頼ったのだ。

 コスパを考えると失敗作だろう。


 だが、馬と違って何時間も連続で走らせられるとあって、裕福な貴族が購入したらしい。

 おまけに貴族は巨大魔石の魔力を犯罪奴隷を使って、充電されるように、ファントムに頼み込んできた。


 チョロい仕事で割りが良かったから受けたけど。


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