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魔力操作無双~魔法が使えないで虐げられていた俺は、魔力を体内でひたすらグルグルしてたら、ざまぁしてました~  作者: 喰寝丸太


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第58話 勇者選抜試験3

 第4階層のボスは普通のドラゴンだった。

 レッサードラゴンの二回りは大きい。


「まいどお馴染みの、氷結(フリージング)からの死竜巻(デストルネード)


 うん、ドラゴンは死んだ。

 死竜巻(デストルネード)に耐えると思ったんだけどな。

 ドラゴンに通用するか大砲(キャノン)の試し撃ちをしてみたかった。


 次の階層のボスに期待しよう。

 てくてくボス部屋を探して歩く。

 地図がないからね。


 なかなかボス部屋が見つからないな。

 ゲイリックが第4階層のボス部屋に到達。

 輝く剣で斬り掛かったが尻尾にやられて壁に叩きつけられた。

 気絶したようだ。


 ゲイリックに付けている分身が、ゲイリックのポーチから出したポーションを掛ける。


「ギャオオオ!」


 ドラゴンが吠える。

 掛かってこいと言わんばかりだ。


「ひっ」


 起きたゲイリックの目には怯えの色がある。

 ハイハイで逃げる。

 小便も漏らしている。

 そして、ゲイリックが魔道具を起動したところ姿がかき消えた。


 転移の魔道具か。

 そんなのを保険に持っているから弱いんだ。

 がっかりだ。

 やっぱりハングリー精神がないと駄目か。


 分身を霧化させてボス部屋から出す。

 ゲイリックはたぶんドラゴンがトラウマになっただろう。

 たぶんもう無理だな。

 これで根性を出してリベンジできるなら大したものだが。


 やっと、第5階層のボス部屋が見つかった。

 入るとグリーンのドラゴン。

 おそらくウインドドラゴンだろう。


「ワンパターンの、氷結(フリージング)からの死竜巻(デストルネード)


 やっぱりサクっと死んだな。

 スェインが第4階層のボス部屋に到達。

 中に入るとスェインは駆け出して行って一撃を加えた。

 傷を負ったドラゴンが吠える。

 ブレスを吐く体勢になった。


 スェインが居合の構えを取る。

 そしてブレスに合わせて剣を振り抜く。

 ブレスは真っ二つになった。

 スェインは全速力で駆けると、ドラゴンの口の中に体重を掛けた突きをみまった。

 ドラゴンの舌から血が噴き出る。


 ドラゴンの舌はクルクルと丸まると口を塞いだ。

 呼吸ができないドラゴンが暴れる。

 スェインはその攻撃の全てをかわした。

 そしてドラゴンは窒息死した。


 これが養殖と天然の違いか。


 俺は第6階層に到達した。

 第6階層のボスは、金属光沢のアイアンドラゴンだった。

 ここまで来るのに5日掛かった。


 硬いだけの奴なんかどうとでもなる。


「おら死ねよ、氷結(フリージング)からの死竜巻(デストルネード)。やっぱり死んだか」


 かなり歩いて疲れたので、ポータルの部屋で休みを取る。

 食べ物と飲み物を収納魔術で出して気分はピクニック。

 プリンクと言えば相変わらず、虫の死骸拾い。

 こいつは放っておいて良いだろう。


 スェインが第5階層のボス部屋に到達した。

 何でこんなに早い。

 ボス部屋までの道のりが見えているようだ。

 地図を買ったとかいう落ちはないよな。

 あいつは貧乏だからな。


 まあいい。

 スェインはやっぱ先手必勝とばかりに斬り掛かる。

 ウインドドラゴンは軽々と宙を舞う。

 そして、ウインドドラゴンにブレスを吐かれた。

 スェインはというと暴風の中、何事もなかったように佇んでいる。

 体幹が優れているのだろうな。

 それとも風をいなしたか。


 スェインは剣を上段に振りかぶる。


「キェーイ!!」


 振り下ろし一閃。

 起こした風がウインドドラゴンを地面に叩きつけた。

 たぶん、剣で斬って風の流れを変えたな。


 振り下ろしでの小さな風がバタフライ効果を起こしたのだと思う。

 剣聖の道を着実に進んでるな。


 叩き落とされたドラゴンの首をスェインは太陽剣で切り裂いた。

 うん強いな。

 俺の(デス)も切り裂かれるかも。


 まあ、(ガン)もあるからそう簡単にはやられないが。

 スェインは着実に何かを掴みつつある。

 どこまで強くなるか見物だ。


 そしてあっさりと第6階層のボス部屋に到達した。

 スェインはアイアンドラゴンに太陽剣で斬りつけるが、ドラゴンはかすり傷ひとつ負わなかった。


 もはや、斬り合いというより殴り合い。

 鈍器でアイアンドラゴンを叩いている感じだ。

 アイアンドラゴンは体が重いのかスェインの動きにはついて行けない。

 ただ耐えている。

 スェインに疲れが見えた。

 動きの鈍ったスェインにドラゴンの尻尾がクリーンヒット。

 スェインの目が白目をむいた。

 そして脱力した状態から、連撃の数々。

 疲れなど微塵も感じさせない攻撃だ。


 そして、ついにアイアンドラゴンが死んだ。

 スェインも崩れ落ちた。

 ダブルノックアウトだな。


 スェインとちょっと話してみたいと思った。

 第6階層のポータル部屋で待つ事しばし、スェインがやって来た。


「参ったな。一番乗りだと思ったんだが」

「ボス部屋への道はどうやって知ったんだ」

「そんなの簡単だろ。風が教えてくれる」


 ああ、流れを読んだのか。

 そう言えば魔力の流れを読めば、確かにボス部屋に行き着く。

 言われなくても気づけよ俺。


「先に行くか?」

「俺はここで終わる。悔しいがここが限界だ。体がもう言うことを聞かない。おそらく1週間はベッドの上だろうね。今、立っているだけが精一杯だ」

「そうか。俺は先に行く」


 スェインは悔しいとも何も言わず、無表情でポータルに触ると消えた。

 恐らく入口で伸びているんだろうな。


 スェインはドラゴンと相性が良くなかった。

 だが戦士としては最高記録だと思う。

 王国史を紐解いても恐らく新記録。


 お疲れ。

 さあ俺はダンジョンコアを目指そう。


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