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龍祓録(りゅうばつろく)  リメイク版  作者: エビ


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7/7

3話

少年――零龍は、ふと何かに気づいたように視線をずらした。

「あー……」


少しだけ残念そうに笑う。

「ほんとはさ、兄さんともっと話していたいんだけど」


肩をすくめた。

「どうやら時間切れみたいだ」


昴龍が眉をひそめる。

「……時間?」


零龍は意味ありげに笑った。

「またそのうち会えるよ」

「逃げられないからさ」


次の瞬間――

すべてが消えた。

鏡には、普段通りの自分が映っている。


同時に、止まっていた世界が動き出した。

昴龍はしばらく鏡を見つめていた。

だが、何も言わない。


やがて蛇口をひねり、顔を洗う。


歯を磨き、髪を整える。

異常をなかったことにするのは、慣れている。

先に外へ出て、玄関先で待つ。


しばらくして扉が開いた。

「身支度、時間かかっちゃって……ごめん」

龍華が少し申し訳なさそうに言う。


「大丈夫。まだ余裕あるから急がなくても間に合うよ」

昴龍は軽く肩をすくめた。


二人は並んで歩き出す。


試験会場までは徒歩圏内。

龍族組合の建物だ。


学園そのものは隠蔽領域に存在する。

だが、その入口に立つ資格を測る場所は、人間界にある。


朝の街を進む。


しばらく歩いたあと、龍華がぽつりと言った。

「……なんか今日、街が違って見えるね」


昴龍は横目で妹を見る。

「試験だから?」


龍華は少し考えて、首を横に振る。

「ううん、そうじゃなくて……」

「なんか、全部ちょっと明るく見える」


昴龍は小さく笑った。

「それは分かるかも」

空を見上げる。

「俺も、こんな形で学園に行く機会があるとは思ってなかった」


龍華が不思議そうに見る。

昴龍は肩をすくめた。

「妹と一緒ってのは、想定外だったな」


龍華は少しだけ照れたように笑う。


二人はそのまま歩き続ける。

やがて――

前方に、龍族組合の建物が見えてきた。

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