夫の手続き不備、出世できないことを嫁のせいにする姑と舅
出産前に私が携わっていた仕事は、中央省庁の国家公務員。国会対応による残業も多く、育児をしながら続けられる仕事とは思えなかったため、出産を機に退職、育児が落ち着いたら転職活動を行おうと考えていた。退職したため、夫の扶養に入ることになったのだが、夫は私の退職後も扶養手続きや健康保険の手続きを1カ月も放置し、結局、私は健康保険証がないまま1年間を過ごす羽目になった。扶養手続きが上手くいかず健康保険証がなかったためか、年金を担当している区役所や税務署から、私が国民年金を収めていないと催促状が幾たび来たので、私は夫に職場の人事部門とよく相談して手続きを進めてほしいと依頼した。夫は仕事が多忙という理由で、その手続きもまた放置し、区役所や税務署の職員が、わざわざ私たちが住んでいたマンションまで催促にくる始末となった。私が夫の職場で手続きができていなかったこと、退職した時期や出産した時期等、一部始終の状況を説明したところ、夫の職場だけでなく区役所でも手続き可能と言われたので、自ら区役所や税務署に赴いて、ようやく滞納していた(本来、扶養家族分として夫の給与経由で支払う予定であった)国民年金を自分の貯金から収めた。また、私が通院する際は、健康保険証がないためかかる病院から都度「なぜ健康保険証がないのか?」と言われ、その度に状況を説明し書類を書き、夫の職場に還付手続きをとってもらう羽目となった。もちろん、これらの夫の不手際について、夫の両親は何も知らない。別に話す必要もないと思うが、正直、夫が社会人として基本的な手続き(家族を扶養に入れる手続き、専業主婦の健康保険証を取得する手続き等)ができないことに呆れかえっていた。そういえば、娘の出産直後も出産証明書の手続きを夫が怠り、結局私が退院するまで取得せず、おかげで娘の健康保険証の入手も遅くなった(故に、産後の健診等はしばらく全額負担し還付手続きをとった)。
何も知らない夫の両親は、相変わらず「私たちの息子は優秀」と思い込んでいる様子で、夫が産後に1週間ほど育休を取得した際、「育休を取ることで、真一郎の出世に響かないか」と心配し、「優子さんが育休を取れとせまってきたのではないか」「優子さんの両親が九州から来て、どこかのホテルにとまってタクシーで真一郎たちのマンションに通えば、育休を取らなくても済むのではないか」と嫌味を言ってきた。夫はそれに対して、自分が育休を決意したとはっきり言わない。両親に歯向かえないからなのか、私に対する夫の両親の攻撃には、何も口を出さないのだ。
娘が生まれた当時はまだ新型コロナ禍で、高齢者は移動を控えるよう政府から通知が出ている時期であった。特に、九州から首都圏のような、地方から都心への高齢者の移動は控えなければならなかった。まだ新型コロナの予防接種もはじまる前だったから。遠方の私の両親の状況がこちらに住み込みで来ることは難しい状況であり、行政ですら、新型コロナ禍に出産した夫婦への補助金や支援制度を設けている時期だったのに(しかも首都圏に住み車で来れる距離にいる夫の両親は、産後依頼しても家まで手伝いにくることはなかったにもかかわらず)、そのような状況で育休を取った判断は、全て私の責任か。正直、夫は1週間の育休期間も自宅でパソコンを立ち上げて仕事をしていたし、私自身も夫の仕事に影響が出ないように努めていた。
夫の手続きの放置や不備による一部始終を知っている私は、夫が出世できないのは1週間の育休ではなく、本人の能力と気が付いていたが、両親の前で夫は「優等生」である故に、夫が上手くいかないことは、全て私に責任転嫁されるらしい。私自身が仕事人間でバリバリ仕事をこなし、ある程度のポストにもついていたので、客観的にみて、色々な面で腑に落ちなかった。夫の両親と会う度、話す度にこのような呆れかえるエピソードや腹が立つことが多く、産後で睡眠時間がほとんど取れないまま育児に励む私にとって、ストレスが徐々に蓄積されていくのだった。