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第2章 スローライフがしたいだけなのに……

 朝の空気が冷たくて気持ちいい。畑を見回して土の状態を確認していると、最近やたらと増設された“俺の農地”が目に入る。


 いや、あれはもう農地ってレベルじゃない。

 見渡す限りの土地がずらっと柵で囲われていて、端のほうではオークやゴブリンが勝手に作業を始めているところまで見える。

 俺はあいつらが手に持っている道具を確認して、思わずため息をついた。


「なあ、ボルグ……その鉄槌みたいなやつ、何のために使うつもりなんだ?」

「陛下! この新しい農地に岩が多かったんで砕こうと思ったんだ。あと、隣国の倉庫から肥料になりそうな穀物を全部かっさらってきたぞ!」

「いや、穀物は盗むものじゃないだろ。交渉して買えよ、買うって概念は知ってるのか?」

「へっ? 何のことだ?」


 彼は首を傾げて分厚い牙をガチガチ鳴らす。どうやら本気で話が通じていないらしい。勝手に広げられた畑はもはや村の範囲を超え、かなり遠くの国境近くまで伸びている。

 オークやゴブリン以外にも、ケルベロスが“陛下の縄張り”だと思い込んで周囲を巡回しているし、サキュバスのリリスはどこぞの王子様を誘惑して労働力を増やそうとしているとか。

 おかげで最近、見知らぬ若い兵士が「陛下のために頑張ります!」と農地の片隅で鍬を振るっていたりする。


「俺の名前はアレンだって言ってるのに、陛下呼ばわりばっかりだな」


 ぼやきながら畑の中心へ進むと、小柄なゴブリンがうさぎ耳をぴょこぴょこさせて手を振ってきた。

 確かミミって名乗っていた子だ。見た目は白い毛並みでもふもふ可愛い感じだが、その実態は侵略と“自動収穫魔法”を当たり前のようにやりやがる危険生物。


「陛下、この畑もう狭いよ。畑がもっとあったら、野菜もいっぱい育てられるよね?」

「おまえな……すでに広げすぎだろ。村人が耕せる範囲を超えてるんだよ」

「でも、隣の国の人たちもみんな陛下の畑を手伝いたがってるよ?」

「それ、リリスが誘惑魔法で“手伝わされてる”だけじゃないのか?」


 ミミは首をかしげて「わかんない」とあっさり言う。正直、話が通じるのかどうかも怪しい。

 そんなとき、ケルベロスが勢いよく尻尾を振りながら俺のところへ駆け寄ってきた。三つの頭が同時にしゃべろうとするから、いっそう騒がしい。


「陛下、隣国の動きが怪しいとの報告が入りました! どうしますか!」

「どうも何も、俺は干渉したくない。…というか、おまえらが勝手に隣国の領地を畑扱いにしてるから警戒されてんだろ?」

「では、先制攻撃をかけておきます!」

「やめろって言ってんだろうが!」


 そこに、リリスがひょこっと飛び出してきて、俺の腕にすり寄るように抱きついてくる。

 背丈が小さいので、まるで子どもが抱きついてくるようだが、目が真っ赤に光っているあたりが只者じゃない。


「陛下♡ 隣国の王子様がもう手元に堕ちましたよ♡ 明日にでも一緒にここへ連れてくるつもりですからね♡」

「うわ……なんの許可も取ってないよな?」

「陛下のためなら、国一つくらい捧げるのが当たり前じゃないですか♡」

「誰がそんな命令したんだよ! 勝手に人さらいまがいのことするのやめてくれ!」


 叫んでも彼女は首を振り、甘えた声を出すばかり。どうやら俺の意思なんて完全スルーだ。

 こんな調子でどんどん周囲の国が“魔王の農地”認定されてしまっているようで、実は村の周辺では混乱が拡大しまくっている。しかも当の魔王軍(?)は「陛下のためなら仕方ない」と本気で信じ込んでやがるからタチが悪い。


「おい、リリス……その、王子ってやつは嫌がってなかったのか?」

「最初は抵抗してましたけど、あたしの魅了魔法には勝てませんでした♡」

「そうか…ごめんな王子。心の底から謝りたい」


 実力行使で周辺国を次々と従属させている以上、もう俺が説明したって誰も「アレンはただの農業好き」なんて信じちゃくれないだろう。

 実際、近ごろは“魔王アレン”の名が世界中に広まっていると村の人から聞いた。もちろん俺は全力で否定するつもりだが、魔王軍本人たちが「新たな魔王誕生!」なんて勢いよく布教してまわるんだから、誤解が解けるはずもない。


「何かいい方法はないのか……」


 と首をひねっていると、甲冑の足音が地響きのように近づいてくる気配がした。嫌な予感しかしない。案の定、畑の入口付近に見えたのはかつての仲間たち——元勇者パーティの面々だ。

 リーダー格の戦士がこちらをにらみつけながら、勢いよく剣を構えている。


「アレン! どういうつもりだ! おまえが裏で糸を引いて魔王軍を動かしているんだろう!」

「ちょっと待てってば! 説明させろ。俺は——」

「言い訳は聞かん! 世界がこんなに混乱しているのは、おまえの仕業だろう!」


 そこへリリスが妖艶に笑いながら介入する。


「へえ、陛下の仲間だった人たちですね♡ 陛下に剣を向けるなんて、許せません♡」

「だから仲間だって言ってるのに、そこの殺気はやめてくれ!」


 彼女の背後にドラゴンのルナが小さく浮いているのが見えた。まるで子猫みたいに丸い目をしているくせに、口を開けばブレスが飛び出す最凶火力持ちだ。

 まさかとは思うが、ここで撃つ気じゃないだろうな。


「ぷぎゅ♡ リリス、陛下を狙う悪い人が来たら焼いちゃおうよ」

「ほんとそうしたいけど、陛下が嫌がるんですよね♡」

「ちょっと待て、そんな物騒な相談をこっちの耳に聞こえるようにしないでくれ!」


 元仲間たちが危機感を強め、逆に攻撃態勢をとろうとしている。魔法使いの仲間が詠唱を始め、戦士が突進の構えに入っているのがわかる。ここで乱戦になったら、畑どころかこの辺一帯がただじゃ済まない。 


「くそ、止まれって言ってるのに、誰も話を聞かないのか……」


 あたりを見回すと、ケルベロスが早くも三つの口から火と氷と雷を吐き出す体勢になっているし、オークのボルグはニヤリと笑いながら巨大な棍棒を構えている。ゴブリンのミミはウサギ耳をピョコピョコさせて「畑に害を与えるやつは全部しばいちゃえ!」などと無邪気に言っていて、まるで容赦がない。


「やめろー! 本当にやめろ! 攻撃する必要なんかない!」

「でも陛下、あいつらはあなたを敵視しています!」

「だからってぶっ飛ばしたら、ますます誤解されるだろうが!」


 大声で叫ぶが、場の空気は殺気立ったままだ。そうこうしているうちに、勇者パーティの戦士が思い切り剣を振り上げる。その刃先からまばゆい光が走った。

 あれは聖剣の一撃か? かつて共に魔王を倒すのに使った技を、まさか俺に向けて振るうなんて。 


「ごめんね、アレン……!」

「お前、本気で俺を倒すつもりなのか——」


 言葉が途切れる。思わず身を引いた俺の目の前を、ケルベロスの猛烈な火炎ブレスが通り過ぎていった。轟音とともに閃光がかき消され、戦士は大きく吹き飛ばされている。 


「おいおいおい、やりすぎだ! 死んだりしてないだろうな……」


 がれきが舞い上がった先で、戦士が煙を噴き出しながら倒れ込んでいる。かろうじて息はあるみたいだが、よほどのダメージを受けたことは間違いない。思わず苦い思いがこみ上げてくる。


「このバカちんが……味方だった人間を何で簡単に燃やそうとするんだよ!」

「陛下を脅かす者は、例外なく殲滅対象です!」

「例外を作れ! っていうか殲滅自体がアウトだろ!」


 周囲では他の仲間が声を上げているが、リリスの誘惑魔法とゴブリンの謎の結界で、身動きが取れないらしい。どうやらまた返り討ちになってしまったわけだ。そもそも相手が無自覚に最強な魔王軍なのだから、普通の勇者パーティがかなうはずもない。

 分かっちゃいるけど、これはあんまりだ。 


「リリス、あいつらを解放してやれ。こんな形で倒すのはおかしいだろ?」

「えー、だって陛下を襲ってきたんですよ♡ でも、もし陛下が望むなら……」

「望む。すぐやれ! あいつらには話すことがあるんだ」


 リリスは不満げに唇を尖らせながら、しぶしぶ手を振る。すると、ぼんやりしていた仲間たちがハッと意識を取り戻し、地面に倒れこんだ。戦士も含めて、皆ボロボロの状態だ。

 俺は急いで駆け寄りたいが、魔王軍が危険だから迂闊に動くのも怖い。


「大丈夫か、立てるか?」

「くっ……やはり、おまえが……魔王……!」


 その反応に、俺はもどかしさを感じる。

 誤解されているのは分かるが、いい加減聞いてほしい。


「俺は魔王じゃない。そこを信じてくれ。おまえらを攻撃したのだって、俺の意思じゃないんだ!」 「じゃあ、こいつらをどうにかしろ……このままじゃ世界が……」


 仲間が言葉を詰まらせているそばで、ケルベロスが唸り声を上げる。まるで「陛下を侮辱するな」とでも言いたげだ。俺は急いでその頭をなだめながら、戦士に説明を試みる。


「俺だって、やめてほしいんだよ! でもこいつらが“俺が魔王だ”って言って暴走してるんだ。収拾がつかないんだよ……」

「暴走って、あくまでおまえの手先じゃないのか?」

「違う! 本気で止めたいんだ。でも馬鹿みたいに聞いてくれない……」


 言い合いになっているうちに、リリスがツインテールを揺らしながら割り込んでくる。


「陛下、そんな人たちよりも、あたしやケルベロスたちのほうがずっと役に立ちますよ♡」

「そういう話じゃない。俺は誰も傷つけないで暮らしたいんだよ!」


 そんな俺の必死の言葉も、魔王軍にはなかなか伝わらない。

 結果、勇者パーティは再度剣や魔法を構えようとするし、魔王軍は「陛下に逆らうならやっちまえ!」と肩を怒らせている。ここで再び衝突すれば、また多くが負傷してしまうに違いない。


「どうすりゃいいんだよ……」


 追い詰められた気分で天を仰ぐと、ケルベロスが尻尾をぱたぱた振りながら報告を持ってくる。


「陛下、実は周辺の国々があなたに降伏を表明し始めました。すでにいくつかの城が『陛下の大農地にしてくれ』と願い出ています!」

「なにそれ……頼んだ覚えないんだけど?」


 どうやら「魔王アレン」に逆らえば一瞬で灰にされると思った隣国たちが、早々に寝返りを決め込んだらしい。その噂がさらに広がって、真面目に世界征服が進行しているというわけだ。

 何もしてない俺が“魔王”呼ばわりで国を手に入れようとしているとか、笑えない冗談にもほどがある。


「やめてくれっての。こんなの俺の理想と真逆なんだよ……!」


 俺が頭を抱えていると、ボルグがやけに明るい声を出してくる。


「陛下の畑が広がるほど、食糧問題は解消されるっすよ! 世界中が陛下の恵みを受けて救われるんだ!」

「その“恵み”とやらを得るまでに、散々殴り合いや侵略やらしてる時点でアウトだろ……」


 大義名分っぽいことを並べられても、手段がまるっきり暴力的だ。せっかく平和になった世界だというのに、これじゃ根本からひっくり返ってしまうじゃないか。

 冗談抜きで、俺はもうどうしていいか分からない。

 けれど、ただ嘆いているだけじゃ何も変わらないのも分かっている。


「あー、もう。とりあえずここでの乱闘は終わりにしよう。あっちもこっちもぐったりしてるじゃないか」

「陛下、でも敵はまだ……」

「敵じゃない! いいか、彼らは俺の仲間だったんだ。話せば分かるはずだし、分かってもらわなきゃ困る」


 ケルベロスもリリスも、不満げに唸りながら視線を交わしている。ドラゴンのルナが小さな声で「ぷぎゅ…」とあくびをしながら、もう一発ブレスを撃とうとするのを慌てて止める。


「やめろ、焼くな! ここは俺の畑だぞ!」


 ルナはしょんぼりした目で俺の袖をくわえてくる。どうやらスキンシップを求めているのかもしれない。ぬいぐるみサイズのときは愛らしいが、戦闘になると容赦なく城を消し飛ばすから恐ろしい。このギャップがまた厄介だ。


「もういい、今日のところはみんな落ち着いてくれ。リリスも誘惑魔法を使うな。ケルベロスもブレスを吐くな。オークも勝手に倉庫を盗るな。ミミも結界をむやみに張らないでくれ」

「ええー、でも陛下……」

「俺は命令してるわけじゃない。お願いだ。こんなやり方で平和を手に入れても、何の意味もないだろう」


 その言葉に、魔王軍は少しだけ沈黙する。

 とはいえ「分かりました陛下!」とは言ってくれない。

 まるで「本当にそう思うなら、戦わなくても平和が維持できる証拠は?」とでも問いかけられているみたいだ。


「俺に確固たる策はないけど、それでも、誰も傷つかない形で畑仕事を続ける方法を探すしかないんだよ」


 呟いた瞬間、背後で重苦しいうめき声が聞こえた。見ると、倒れていた戦士の仲間が何とか体を起こそうとしている。血まみれというほどではないが、かなり痛々しい。

 俺は急いで駆け寄り、声をかける。


「大丈夫か? 本当に悪かった。俺が止められなくて……」

「……おまえ、変わっちまったのか……それとも……」

「どっちでもない。俺は何も変わってない。信じてくれとは言わないが、あれこれ誤解されてるだけなんだ」


 弱々しくこちらを見つめる視線に、胸が締めつけられる。かつて同じ道を旅した仲間なのに、こんな形で争うなんて最悪だ。

 どうにか彼らだけでも、今の状況は俺の望むものじゃないと理解してほしい。 


「俺はただ、野菜を育てたいんだよ。ずっとそれだけ願ってきたんだ……」


 戦士は小さくうなずくような、けれど疑念も残っているような複雑な表情を浮かべる。

 彼からすれば、俺の周りに凶悪な魔物たちがうじゃうじゃいるんだから、普通に考えたら「アレンが手引きしてる」と思うだろう。言い返せない現実がそこにある。 


「とにかく、これ以上戦うな。そっちが下がってくれれば、魔王軍も手を出さない……はずだ」

「はず……か。本当に大丈夫なんだな?」

「絶対とは言えないけど、俺が頑張って止める。だからもう無理しないでくれ」


 こうして勇者パーティはズタボロのまま撤退を余儀なくされ、魔王軍は畑を守ったと勘違いして勝ち誇っている。俺はまるで敗北した気分だ。仲間を怪我させてしまったし、周辺国の人間たちは次々と降伏してしまうし、挙げ句の果てに「魔王アレン」の名が世界中に広まっている。


「何がスローライフだ。ずいぶん大変な人生になってきたな……」


 小屋に戻って泥だらけの靴を脱ぎながら、深く息を吐く。

 外では「陛下万歳!」なんて声があがり、ケルベロスの大きな咆哮がこだましている。困ったことに、村人たちまで「陛下すごい……」と感心しはじめる有様だ。

 どうやら勢いに乗った魔王軍が、余計なことを吹聴しているにちがいない。


「はあ……今日の収穫だけは確認しておくか」


 一応、畑の一角にある野菜たちは順調に育っている。ゴブリンが妙な魔法を使って自動化しているせいで、一晩で急激に成長したりもしているが、品質に問題がなければまあいい。

 だけど、これでは俺が手塩にかけて育てているというより、魔法のチカラで無理やり増やしているだけだ。


「こんな形で育った野菜が、本当にうまいのか……」


 土をすくって匂いを確かめてみる。いつもの土と違って妙に魔力の気配が強い。せっかく平和な村でのどかに農業をするつもりだったのに、こんなのは俺の理想から大きくかけ離れてしまった。

 だけど、魔王軍が周辺国を制圧して回っている以上、もう引き返せる道なんてないのかも……と、ほんの一瞬、弱音が顔を出す。


「いや、諦めるかよ。絶対に何とかしてこの暴走を止めてやる」


 もし真面目にこのまま進めば、本当に世界が“魔王アレン”の領土になりかねない。笑い話どころか、大事件だ。俺は立ち上がり、夜風に吹かれながら畑を眺める。ここから見える星空だけは昔と変わらないのに、俺を取り巻く状況はどうしてこうもおかしくなってしまったんだろうか。 


「スローライフがしたいだけなのに……どいつもこいつも、ちっとも話を聞かないんだな」


 空を見上げてつぶやけば、遠くでケルベロスが尻尾を大きく振ってこちらに手招きしている。どうやら「陛下、夜の巡回に行きましょう!」とでも言いたげだ。リリスが悪戯っぽく笑いながら「あたしもご一緒します♡」と寄ってくるのが見える。


「……はあ。とりあえず今日は大人しくしてくれ、頼むから」


 正直もう、騒ぎだらけの毎日に頭が痛い。だけど、くよくよしていても仕方ないのはわかっている。

 何としてもこの誤解を解いて、世界全体が勝手に魔王軍化するのを止めなければ。王城でも、仲間たちでも、誰でもいいから、まともな話し合いができる相手を探さなきゃいけない。


 ……それにしても、誰のせいでこんなに疲れているのか。

 畑仕事がしたいだけなのに、魔王軍からも勇者パーティからも追われ、挙げ句の果てには隣国まで次々と降伏してくる。

 世界中の誰もが「アレン=魔王」と信じ込んでいるなら、本当にこの先どうなるんだろう。 


 ただ、今は一刻でも早く“暴れたがり”の魔王軍を休ませるべきか。俺は彼らに声をかけるため、重い足取りで歩を進める。

 もうクタクタだけど、ちゃんと寝てくれれば、少しは街や国の被害を抑えられるかもしれないしな。 


「おい、おまえらー! 俺が寝るから、夜中に勝手な侵略はするなよ! 約束だぞ!」


 振り返って怒鳴ると、みんな嬉しそうに「了解しました、陛下!」と声を合わせている。

 俺はその笑顔がいい意味で変わってくれたら、と願ってやまない。とりあえずベッドに潜り込む前に、明日の農作業の段取りだけはしっかり考えておかないとな。前途多難でも、畑仕事は俺の大切な日課だ。こんな状況でも野菜を放置する気はない。


「はぁ……スローライフへの道のりが遠いなんてレベルじゃないぞ」


 そう呟きながら、胸にわずかな決意を宿す。どれだけ周囲が暴走しても、俺は諦めない。

 いつか、本当に平和でのんびりした農業生活を勝ち取ってやる。

 そう思いつつ、夜空の星をぼんやり眺めるのだった。


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