Ep3 伝説の考え方
『時代は常に変わり行き、一世を風靡したものは突然姿を消してしまう。
当時主流であった遊びや、過去には人間の職業であったものは、ゲームや機械等の電子機器に移り変わっている。
だが、その忘れ去られたコンテンツは、別に終わったわけではない。
いや、人から忘れられない限り、コンテンツに終わりはないのだ。
最近ブームの一つとして頭角を現し始めた過去の物を改めて再評価する"レトロゲーム"もいい例だろう。
流行りは過ぎ去り忘れ去られそうになっていたものが、一度また目を当てられれば忘れ離れていた人間が戻ってきて、あらゆる人間に火をつけるのだ。
当然それは、私達が普段親しむために聴く音楽もそうだ。
演歌は古いと言う先入観から人から忘れられ、クラシックは上品すぎるという何気ない決めつけで、無意識に遠ざけてしまっているのだ。
それは、僕の愛するロックやヘヴィメタルも例外ではなかった。
デスボイスは汚い声で耳障りが悪いと罵られ、シャウトはただ叫んでいるだけと一蹴され、楽器の演奏は電子音で解決すると思われてしまった。
だが僕は一つ言いたい。
それはあの頃皆が知っていた良さを、君たちが知らないだけであると。
挑戦することには必ず意味があり、挑戦することは、人に魅力を思い出させることだということを。
君たちの日常にもあるだろう。
認められなかった悔しさが。
理解されなかった虚しさが。
だからこそ僕は、それを忘れないため、そして皆に思い出してもらうために歌を歌い、曲を演奏する。
デスボイスなんか皆が聞き飽きるくらいやってやるさ。
だって飽きるってことは、その魅力を知り尽くしてもらうことができたってことだろう。
それは誇らしいことじゃないか。
そして、そんな僕たちの誇らしさの自己満足のために、これからも僕たちはロックを、ヘヴィメタルをやり続けますよ』
〜FLYING FLAMEリーダー
ギターボーカル 京田拳人 インタビュー資料〜