見知らぬ女性
まだ書きかけのエピソードです。
多分まだ半分も書けていないので継ぎ足しながら更新していこうと思います。
普通は書きあがってから投稿するものなのかな?
目を覚ますと、見知らず女性が心配そうに私を覗き込んでいた。
動きやすそうだが守るべき部分は守れる、そんな軽量で白く輝く鎧に、赤色のインナーも汚れ一つなく、まるで今日初めて着たかのような装備に身を包んでいる。肩くらいまでの長さであろう栗色の髪の毛は手入れが行き届いており、花のような匂いがほんの少し嫌味なく香った。目、鼻、口もまた嫌味なく配置されていて、なんとも安心できる顔立ちだが、私と目が合った瞬間にそれは崩れた。
「あっっ!あ~~~~!たたたたいちょ~~~~ぅ!!来てくださぁ~~~ぃ!!!」
…うるさい、また気を失いそうだ。
目を覚ました私を尻目に慌てふためいている女性を観察していると、扉の向こうから、ドッドッドッドッという音が近づいてきた。
バーーーン!と扉が開け放たれ、これまた身なりの良い、騎士と思われる男性が飛び込んできた。
「だっ、駄目だったか!?」
「違います~ぅ!!目を覚まされたんですっ!!」
「お?あ~!本当だ!!良かったぁ…」心から安堵してくれているのが伝わる。
男性騎士は傍に来ると私の手を握り、もう一度「本当に、良かった…」と優しく呟いた。
少し気恥ずかしく、何と返せば良いか分からずにいる私に気がつくと、私の手をそっとお腹の上に置いて放し、「あぁ、すまない。このまま目を覚まさないんじゃないかとずっと心配していたんだ。目が覚めたら聞きたいことが山ほどあったんだが、全部すっ飛んでしまったよ。」
「聞きたいこと?」
「いや、今はまだいいんだ。それより君が元気になることが最優先だ!お腹、空いているだろ?」
「ん…少し」
「だろ?なんせ3日以上ぶりだからな!最初は美味くも不味くもない粥からだが我慢してくれ。アリス、準備を!」
「あ、は~~ぃ!」アリスと呼ばれた女性は足早に部屋を出て行った。扉はきちんとしめて。
「3日?」
「あぁ、少し状況の整理だけしようか。」
「その前に自己紹介だ。私の名はラッセル、さっきの女性の名はアリスだ。君の名は?」
「分からない…」本当に分からない。
「そうか…。君自身のことや最近の出来事で何か覚えていることはあるかい?」
「私自身のことは何も…。出来事、というと、気を失う前に何かが光ったのを見たような…。」
「オーケー!分かったよ、やっぱり回復が優先だってことが。今日のところはもう引き上げるよ。明日また様子を見に来ていいかい?」
「ん」
「よし、じゃあまた明日来るよ!しっかり体を休めるんだぞ、ユ…、ん!ん"ん”!!」
ずっと聞き取りやすい言葉遣いだったのが最後の最後で噛んでしまったのか、少し歯切れの悪い別れになってしまった。
その後、アリスが少量のお粥とコップ一杯の水を運んできてくれた。
次の日の朝は、昨晩より多めのお粥と消化の良さそうな副菜とコップ一杯のミルクをアリスが運んできてくれた。ミルクは少し温かかった。食事が終わって暫くすると昨日までのダルさが幾分か良くなったのを感じたので、食事を下げに来たアリスに話しかけてみることにした。
「アリス、ここはどこ?」突然話しかけられて一瞬驚いたようだが、すぐに小気味の良い表情に戻った。
「ここはウォルダン王国の中継基地です!」
「うぉるだん…」
「大変なことがあったんです!少しずつ思い出していきましょう!」
「うん…」
アリスはにこりと微笑み「また後で隊長とお見舞いにきますね!」と部屋を出て行った。
アリスを無言で見送り、自分の状況について考える。
やはり何も思い出せない。何かが光って、どうしたんだっけ?そもそも私は誰なんだろう?
そうこうしている内に太陽が大分高くなってきていることに気が付いた。今は11時くらいだろうか?そういうことは分かるんだけどな…。
ほどなくラッセルとアリスがやってきた。この日も当たり障りのない会話をしただけだった。ラッセルは平民の出だとか、アリスは少し良いところのお嬢様だとか(少しどころではない気がするが)、私はただ相槌を打つだけで良い、そんな会話だった。
次の日、昨日より更に状態の良くなった私を見たラッセルは「大分良くなったみたいだね!よし、今日は君のこれまでのこと、これからのことについて話をしよう。」と切り出してきた。
「わかった」
「あれから何か思い出したことはあるかい?」
「一つだけ」
そう一つだけ、昨日の会話の際、二人の身振り手振りを見ていたら思い出したのだ。あの黒い手のことを。
「そうか。あ、アリスを呼んでくる。三人で話そう」
私は二人に閃光のこと、その後出てきた黒い物体とその手のことを覚えている限り詳細に話した。
二人は揃って腕組みをし、目を閉じ、考え込んでいた。
「…黒い手、か…。なるほど!分からん!」
「私もサッパリです~。そんなモンスター聞いたこともありません。」
「モンスター、なのか…?一国を滅ぼすほどのもんだぞ?まだ「終わりの魔女の仕業」の方がしっくりくるぞ?」
「一国…魔女…」
「ん、そうだったな。君の話を聞こうとするばかりで君について我々が知っていることをまだ話していなかったね。」
「六日前の夜のことだ、ここから西に半日ほど離れたところに