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【制裁編】掲示板

学校の教室に着くなり、私は自然と友達の輪に入った。いや、正確には「輪」というより、私たちが教室の中心だ。いるだけで空気が変わる。誰もが私たちに注目してる……とまではいかなくても、視線がこちらに向いているのは間違いない。


「ねえ聞いてよ、昨日さ、またブス川ネタ投稿しといたんだよね」


カバンを机の上に放り投げる。グループの女子たちが一瞬で笑いを堪えきれなくなるのを見ると、正直、悪い気はしない。そりゃそうだ。私の投稿、めっちゃウケてたもんね。


「しかもさ、ただの掲示板じゃなくて、出会い系の方にも番号書いてやった」


「えっ、マジ?」


「ちょ、鬼すぎるんだけど!」


「大槻最高~~!」


みんなが一斉に笑い出し、その声が教室の中で反響する。くすくす、げらげらと繰り返されるたびに、私たちの昨日の嫌な思い出が少しずつ薄れていく気がする。


「ブス川にどんだけいいね来るか楽しみだよね~」


「それより、マッチングとかしたら爆笑なんだけど!」


話が弾む。いや、弾むどころか、この瞬間のために学校に来てると言っても過言じゃない。授業なんて面倒だし、先生もうるさいし。でも、こうやってバカ話で盛り上がるのは悪くない。これって青春じゃん?


「てかさ、実際見てみようよ。掲示板、どんな感じ?」


誰かが言い出す。もちろん、私が止める理由なんてない。


「いいよ、ちょっと待って、スマホ出すから」


私は制服のポケットからスマホを取り出す。クリアケースには、友達とお揃いで買った韓ドルのお洒落で可愛いチャームが揺れている。パスコードを入力して、画面に映るアイコンをタップしようとした、その時。


「……え?」


隣に座っていた瑠奈のスマホが突然鳴り出した。いや、鳴るなんてもんじゃない。バイブレーションの音が机に響き渡り、教室の他の生徒たちが一瞬こちらを振り返るくらいには派手だ。


「何これ……」


瑠奈が不思議そうに眉を寄せながらスマホを持ち上げる。着信の表示には見知らぬ番号。しかも、一つじゃない。二つ、三つ、いや、次々と番号が増えていく。表示された番号が消える間もなく、新たな番号がスクリーンに重なる。


「え、ちょっと待って、何これ!」


瑠奈がスマホを握りしめる手を強くする。その様子を見ていた私も、最初はただのいたずらかと思っていた。でも、次第にその数が尋常じゃないことに気づき始める。


「何、何これ!?怖いんだけど!」


瑠奈の声が少し震える。教室の他の子たちもざわめき始める。私は机に肘をついて、その様子を見ながら何か言おうとしていたけど、結局何も言葉が出なかった。


――だって、こんな状況、想像もしてなかったから。

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