表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

信じていたものが消えた時あなたはどうしますか

俺の名前は秀一。至極平凡だが順風満帆な大学生活を送っている。

いつも健と大樹という二人の友人と遊び周り、時には同じスポーツサークルで汗水垂らしている。

特に大樹は同じ高校の陸上部でお互い切磋琢磨してきた親友でもある。

健は新歓コンパの際に意気投合した仲で外向的で誰とでも仲良くなれるタイプである。

俺はというと、どちらかと言えば交遊関係は深く狭くかな…

そう思うと対照的だが、サークルで俺がケガをした際に健は真っ先に俺のもとに駆け寄り手当てしてくれたこともある、人思いなやつでもある。

健はそのトーク力を持って20歳未満だが他のグループの飲み会にもよく参加するようになり講義には良く遅刻や無断欠席をしていた。大樹も背が高く絵に描いたような端麗さから社交性を広げていたが、講義は俺と真面目に受けており、欠席した健の分のレジュメ確保や出席管理を二人で補っていた。


そんな明るいキャラの健と容姿格好の良い大樹に対して地味な俺だが、大学入学当初、講義中に知り合った彼女がいる。名前は美咲だ。美咲は大人しい性格で漫画好きという共通の趣味がハマり付き合うようになった。黒髪ロングという俺にとっては全てが揃っている彼女である。

俺と健、大樹はともに一人暮らし/学生寮なので夜な夜なお互いの家に寄ってはゲームしたりサークルの話をしたりで一晩明かたりしたりしている。一方、美咲は実家暮らしという事もあり一晩供に過ごす…という事はまだしていないが、デートしたり時々健、大樹含め4人でご飯行ったりもしていた。


こうして入学してから3年程経ったある日、俺と健、大樹の3人で受講している講義に健だけ来なかった。

「健のやつまた寝坊したか…」そう大樹と話していたがその日のサークルにも顔を出さなかった。

いつもであれば講義は欠席してもサークルには顔を出していたから珍しいこともあるんだな、と思った。

(学部3年生になるとゼミの選択や就職と忙しくもなってくる。二人との付き合いが減っているわけではないがお互いの家に泊まり込むことは減ってきた。)


しかし、3,4日経っても講義やゼミはおろかサークルにも顔を出していない。

「風邪でも引いたのかな、お見舞いに行ってやろう」と大樹と話し、早速その日の夕方健の家に向かった。

「なんだかんだ健の家に行くの久しぶりだな」そう話していると

家の前まで来た。

健の家はボロアパートだが壁は厚く、また隣は空き家だったため

夜中ある程度どんちゃん騒ぎしても怒られる事は無かった。

「おーい、健元気かー?見舞いに来たぞ!」「見舞いって…笑」

そうこうしていると健の隣の家のドアが開いた。

出てきたのは5,60代のおばさんだった。

おばさんは言う「君たち彼の友達かい?」

「はい…おばさんは?」

「私は1ヶ月前くらいにここに引っ越して来てね、彼数日前に荷物まとめて出て行ったよ。実家にでも帰ったんじゃなかねぇ。」

「(そんなバカな、この前まで元気だった奴がいきなり無言で出ていくか?それに健の実家は結構遠方だったはず…まだ大学を卒業したわけでもないのに…)」

「ねぇ、おばさん、その彼出ていく時に何か言ってた?」

「さぁ、何も言ってないねぇ、そもそも私も引っ越して来たばかりでそんなに話す間柄でもなかったからね…」

続けて言う「そう言えば出ていく数日前に争い事かしらね、物音があったよ、耳が遠いから何の話かまでは分からなかったけど」

「そうですか…ありがとうございます。」

俺達は気が動転しながらもそのまま引き下がる他なかった。

夕日が沈む帰り道、終始無言のまま俺達は別れた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ