第十九話 あと少し!
「はぁ~飽きてきた……」
今俺がいるのは八十六階層。LVは97になっていた。
しかし、ダンジョンに入ってから数千体の魔物を白輝の剣を振り回すという単純作業で討伐してきたせいで戦闘が嫌になっていた。ゲームでレベリングが辛くなるのと同じような状況だ。
だが、早くLV.100にしたいという思いの方が強いせいで、今も戦い続けているのだ。
この階層では前と変わらずアースドラゴンやワイバーンがよく出現する。そして、たまにリッチ・ロードが出現するといった感じだ。
今も、前方にリッチ・ロードとワイバーンが何体かいる。ここで我慢の限界を超えた俺は魔法を使おうと思った。
「ふ~では、ちょっとぶっ放すか!〈炎之龍息吹〉!」
俺はストレスの溜まった声で叫ぶと、〈炎之龍息吹〉を撃った。
前方にいた魔物たちは圧倒的な熱量で焼き尽くされ、消し炭になった。
「はぁ~すっきりした」
万が一の為に魔力を温存してきが、ストレスを解消する為に泣く泣く(?)使用した。だが、魔法をぶっ放すのは思ったよりもすっきりするので、ストレスが溜まったらまた最高火力の魔法をぶっ放してすっきりしようと思った。
「よし、九十階層のフロアボスか……」
俺はあれから更に二日かけてフロアボスがいる部屋の前に着いた。因みに今はLV.98である。
「……開けるか」
そう呟くと、俺は扉を開き、中に入った。
「……広いな」
今回の部屋は、天井までの高さが百メートルほどありそうだ。
そんな巨大な部屋の中央にいるのは深紅の鱗を持つ体長三十メートルほどのドラゴンだ。大きな翼と口から漏れ出る炎が威圧感を出していた。
〈鑑定〉をしてみると、
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名前 フレアドラゴン LV.92
体力 24800/24800
魔力 23100/21300
攻撃 19300
防護 18900
俊敏性 15100
弱点
・水属性
スキル
・回復速度上昇LV.MAX
・威圧LV.8
魔法
・火属性
炎をつかさどる最強のドラゴン。
口から放たれる炎は万物を焼き尽くす
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と表示された。
「……強いな」
ヒュドラを軽く超えるステータスに俺は目を見開いた。
すると、中央に鎮座していたフレアドラゴンが、金色の瞳を俺に向けた。
「グルルルゥ」
フレアドラゴンは俺に気が付くとより威圧感を出して、俺のことを睨みつけてきた。
「威圧感が半端ねえな」
そう思っていると、フレアドラゴンが咆哮を上げた。
そして、それと共に口から圧倒的な熱量を持った炎の球を放った。あの熱量からして、恐らく〈獄炎地獄〉を温度をそのままに小さくしたものだろう。
いくらここまで強くなった俺と言えど、〈獄炎地獄〉をもろにくらったら死にはしないが、致命傷は免れない。
「ちっ氷之龍――」
俺は〈氷之龍息吹〉で〈獄炎地獄〉を消し、そのままフレアドラゴンを攻撃しようとしたが、ギリギリのところで踏みとどまった。
(まてよ?あの炎に水属性はダメだよな?)
トリスの図書館で読んだ本の中に、〈獄炎地獄〉は超高温の為、水属性の魔法で迎撃したら大爆発を起こすと書いてあったのを思い出した。そして、恐らくその大爆発というのは水蒸気爆発のことだろう。
「それじゃ、炎を拡散させてやればいいな!〈風之龍息吹〉!」
こうして放たれた〈風之龍息吹〉は〈獄炎地獄〉を一瞬で消滅させると、そのままフレアドラゴンに襲いかかった。
「!? グガァ!」
すかさずフレアドラゴンは口から〈炎之龍息吹〉を放った。そして、俺が放った〈風之龍息吹〉とフレアドラゴンが放った〈炎之龍息吹〉は衝突した。
何秒か当たり続けた後に二つとも消滅した。だが、これが迎撃されるのは俺の予想通りだ。
「じゃ、死ね!〈氷之龍息吹〉!」
俺は〈風之龍息吹〉が相殺された直後に〈氷之龍息吹〉を撃った。
「!? グガアアアアァ!!」
フレアドラゴンは〈氷之龍息吹〉に反応することは出来ず、もろにくらった。そして、そのままフレアドラゴンは氷漬けとなり――塵となった。
「はぁ~流石に二発も撃つと相当魔力を持ってかれるな……」
一発で一万の魔力を使う魔法を二発連続して撃った為、俺はかなり消耗した。
その後、俺は氷の山を破壊して魔石を回収すると、扉を開いて部屋の外に出た。
「……そう言えばLVは上がったのかな?」
LVが上がっていることに期待しながら俺はステータスを見た。
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名前 ユート・アラキ 不老人族 LV.99
体力 23800/26100
魔力 5100/29800
攻撃 21200
防護 16900
俊敏性 27200
スキル
・鑑定LV.MAX
・言語翻訳LV.MAX
・身体強化LV.9
・剣術LV.9
・アイテムボックスLV.MAX
魔法
・火属性
・水属性
・風属性
・土属性
・光属性
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「あと少しでLV.100か……」
このダンジョンに入ってから今日で十一日目。あと少しでLV.100になる喜びを感じながら、俺は九十一階層に下りた。
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