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第十二話 たまにはこんな感じで…

 俺は今、三十四階層にいる。

 前方には全身暗赤色で、鬼のような姿をした筋肉ムキムキの人型の魔物が六体いる。

 腰には魔物の皮を巻いており、俺のことをじっと見つめてくる。

 〈鑑定〉をしてみると、

 ー--------------

 名前 オーガ LV.41

 体力 6500/6500

 魔力 0/0

 攻撃 7800

 防護 6700

 俊敏性 3100

 戦いをよく求めている。

 武術の技量はそれなりに高い。

 ー--------------

 と表示された。


 対する俺はスキルも武器も使わず、素手で相対していた。

 理由は、出てくる魔物のほとんどを瞬殺しながらここまで来たせいでダンジョン攻略が作業ゲーと化してしまい、飽きてしまったからだ。


「じゃ、やるか」


 俺はそう呟くと一体のオーガの目の前に立った。


「グガァ!」


 それを見たオーガは右腕を振り上げると、俺めがけて勢いよく振り下ろしてきた。

 俺はそれを見て二ヤリと笑うと、振り下ろされる右腕を左腕でつかんで止めた。


「ガガ!?」


 オーガは「何だと!?俺の拳が効かないだとぉ!」とでも言いたそうな顔をしていた。


「じゃ、眠っとけ(永眠)


 俺はオーガに軽いノリで告げるとハンマー投げのような感じでオーガを振り回すと、地面に顔面から叩きつけた。

 その後、オーガがダンジョンに吸収されたことでこのオーガが死んだことが分かった。


「グガアア!!」


 残り五体のオーガは今の光景を見て少し後ずさりしたが、覚悟を決めたように頷くと一斉に正面から襲いかかってきた。


「そこは俺を囲んでから襲った方が勝率は上がると思うんだけどなぁ……」


 俺はオーガの考えなしの行動にため息をつきながらも、最初に襲ってきたオーガの右ストレートを横にステップして回避すると、その腕を足場にして後ろのオーガの方に跳んだ。

 そして、その内の一体にドロップキックをお見舞いした。


「グギガァ!」


 オーガは顔面に俺のドロップキックをくらったことで脳にダメージを受け、そのまま仰向けに倒れて死んだ。


「次はこうだ!」


 俺はそう叫ぶと、今倒したオーガの後ろにいたオーガに腹パンをした。


「グギガ!」


 俺の腹パンをくらったオーガは苦悶の表情をしながら腹を押さえてよろよろしていた。


「今ラクにしてやるよ」


 俺はそう告げると、そのオーガの顔面を右ストレートで陥没させて倒した。


「よし、残り三体はまとめて潰すか」


 俺はそう言うと殴りかかってくるオーガの右腕をつかんだ。

 そして、俺はそのオーガをブンブンと振り回して他二体のオーガをボコした。

 結果、振り回されたオーガは気絶し、他二体のオーガは体中に痣が出来た状態で倒れ込んでいた。


「じゃ、これで終わりだ」


 俺は動けなくなっているオーガに近づくと、げんこつ(頭部破壊)をして殺した。


「んー効率は悪いけどこっちの方が楽しいな」


 やはり”作業”ではなく”戦い”の方が楽しいと俺は思った。

 その後、俺は魔石を回収すると、〈アイテムボックス〉から白輝の剣を取り出した。

 そして、〈身体強化〉、〈風強化(ブースト)〉、〈剣術〉を使うと再び走り出した。





「よし、フロアボスの部屋はここだな」


 俺はあれから五時間ほどかけてようやく四十階層の奥にあるフロアボスがいる部屋の前に着いた。


「じゃ、早速入るか」


 俺はそう言いながら中に入った。


「今度はあれか」


 部屋の中央にいたのは漆黒の体毛に深紅の眼を持つ体長三メートルほどの虎だった。

 〈鑑定〉してみると、

 ー--------------

 名前 ブラック・タイガー LV.50

 体力 7000/7000

 魔力 8000/8000

 攻撃 7800

 防護 7200

 俊敏性 9500

 魔法

 ・火属性

 夜の闇に隠れて獲物を狙う。

 素早い動きで獲物をしとめる

 ー--------------

 と表示された。


「んーだいぶ強くなってきたな」


 ようやくAランクぐらいの強さのまものが出てきた。

 これなら後の階層はLV上げがしやすいだろうと思った時、ブラック・タイガーが「グルルゥ!」と咆哮を上げると、〈火矢(ファイアアロー)〉を数十個撃ってきた。


「じゃ、俺もやるか。〈土槍(ロックランス)〉×四十!」


 俺は飛んでくる〈火矢(ファイアアロー)〉を〈土槍(ロックランス)〉で全て破壊した。

 そして、破壊しても〈土槍(ロックランス)〉は止まることを知らず、そのままブラック・タイガーに襲い掛かる。


「グルァ!」


 しかし、ブラック・タイガーは「遅いな」と言ったような顔をすると、それらをいとも簡単に避けた。

 だが、俺はその隙にブラック・タイガーの後ろに回った。そして、白輝の剣を振り下ろした。


「グ……ガ……」


 ブラック・タイガーは「信じられない」とでも言いたそうな顔をしながら地面に落ちた。

 その後、ブラック・タイガーの死骸は塵となり、魔石が残った。

 俺は魔石を回収すると、こいつを倒したことで出現した扉に向かった。

 そして、扉を開くと部屋の外に出た。

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