第十一話 少しずつ強くなっていく魔物たち
「ん~……よく寝た……」
俺は背伸びをしながらそう言うと、羽毛布団と枕を〈アイテムボックス〉に入れて、代わりに串焼きを数本取り出して口にした。
「は~……今日はどうするか」
俺は串焼きを食べながら今日のことを考える。
(う~ん……今日中にLV上げの足しになる魔物が出る階層に行きたいな……)
Aランクの魔物が普通に出る階層はステータス的にまだ厳しいとおもうが、Bランクの魔物ぐらいなら何とかなると思っている。
その為、俺はBランクの魔物が出る階層に今日中に行くことを目標にした。
「じゃあ行くか」
ローブを羽織り、靴を履き、変装用の魔道具が機能していることを確認した俺はテントを〈アイテムボックス〉に入れると、テントを建てる為のの足場にしていた〈土壁〉を〈アイテムボックス〉から取り出した白輝の剣で破壊すると、〈身体強化〉、〈風強化〉、〈剣術〉、〈結界〉を使うと二十四階層に下りた。
「ん~と……あいつらはいなくなってるか」
昨晩に俺の安眠を邪魔して二十四階層に武器ナシ&気絶の状態で放置された六人組の男冒険者はいなくなっていた。
ただ、あいつらが着ていたと思われる防具の破片が散乱しているのを見るに、あいつらは全員魔物に喰われたのだろう。
「ま、自業自得だな」
俺はそう呟くと奥に向けて猛スピードで走り出した。
所々に魔物がいるが、右腕を振り回すだけで次々と倒れていく。そして、死んだ魔物は魔石を除いて直ぐにダンジョンに吸収される。
俺はその残った魔石を〈アイテムボックス〉に回収する。
俺はこれを三十階層の奥にあるフロアボスがいる部屋の前までやり続けた。
二十一階層から三十階層で出てきた魔物は十一から二十階層で新たに出てきた魔物が半分。そして、もう半分はそれよりも少し強くなった魔物だ。
例えば、体長百七十センチメートルほどの二族歩行のトカゲ。体は暗緑色で、右手には槍を持っている。
〈鑑定〉をしてみると、
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名前 リザードマン LV.34
体力 4000/4000
魔力 0/0
攻撃 5000
防護 2500
俊敏性 4000
弱点
・水属性
主に六から二十の群で行動する。
知能がやや高い。
獲物には集団で襲い掛かる
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と表示された。
見た感じこいつはゴブリン系の上位互換のような魔物だ。
まあ、耐久力が低いので簡単に倒すことが出来た。
他には、岩の鎧に覆われた虎がいた。
〈鑑定〉をしてみると、
ー--------------
名前 岩虎 LV.35
体力 4000/4000
魔力 0/0
攻撃 5100
防護 6100
俊敏性 1000
弱点
・水属性
高い耐久力を利用した捨て身の突進を主な攻撃手段としている。
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と表示された。
こいつの場合は剣よりも魔法の方が倒すのがラクなので、〈氷槍〉を使って倒した。
「さて、ここのフロアボスは誰だろうか?」
俺はそう言うと扉を開けて中に入った。
「……あれか」
部屋の中央にいたのは漆黒の法衣を身にまとったスケルトンだった。右手には漆黒の杖を持っている。
〈鑑定〉をしてみると、
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名前 リッチ LV.48
体力 4000/4000
魔力 14000/14000
攻撃 100
防護 2100
俊敏性 1700
弱点
・光属性
スキル
・超速再生LV.7
魔法
・火属性
・土属性
魔力がより大量に集まることで生まれるスケルトンの上位種。
魔石と体の接続が切れない限り何度でも再生する。
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と表示された。
「んーなるほどね」
魔力の高さに一瞬驚いたが、他のステータスはかなり低い。
超速再生は厄介だが、スケルトンと同じように白輝の剣でバラバラに切り刻んだ後に魔石を回収すれば問題ないだろう。
そう思っていると、
「グガ……ガ……ァ……」
リッチがうめき声を上げた。その次の瞬間、リッチは〈火矢〉を数十個撃ってきた。どうやら今のうめき声は詠唱のようだ。
「ん?オークメイジよりも威力があるな」
マリノの森で討伐したオークメイジよりも高い威力でリッチは魔法を使っていた。
「ま、〈火矢〉ならこれぐらいでいいかな?〈土槍〉×四十!」
俺はリッチの〈火矢〉を〈土槍〉で迎え撃った。
リッチの撃った〈火矢〉は全て破壊され、〈土槍〉の一部がそのままリッチの方へ飛んでいった。
「ガ……ガグガ……」
リッチは再び詠唱(?)をすると、〈土壁〉を使って〈土槍〉を防ぎ切った。
だが、リッチは〈土槍〉に夢中になっていたせいで俺が今どこにいるのかを分かっていなかった。その為――
「ガ……」
リッチはこっそり背後に回っていた俺によってバラバラにされてしまった。
その後、直ぐに魔石を回収したことでリッチは再生することが出来ずに動かなくなった。
そして、それと共に部屋の奥に扉が出現した。
「よし、勝った」
俺は小さくガッツポーズをとると、扉の前に立った。
そして、扉を開けて部屋の外に出た。
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