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第三話 初めてのダンジョン

「よし、飯も食ったしダンジョン前の広場に行くか~」


 今は午前七時三十分。集合時間まであと三十分となった俺は朝食を食べ終わるとライザたちとの待ち合わせ場所であるダンジョン前の広場へ向かった。

 ダンジョンはティリアンの中央にあるということを昨日地図で確認してある。

 神の涙に見つからないようにする為の変装だが、流石にライザたちの前で女性の姿になるわけにはいかない為、変装用のネックレス型魔道具は〈アイテムボックス〉に入れた。代わりにフードはしっかりかぶってある為、よほど近づかれない限りは見つからないと思う。





「お、あれがダンジョンの入口かな?」


 目の前に百メートル四方の広場があり、そこには多くの冒険者がいて、それぞれダンジョンに入る準備をしていた。

 そして、この広場の中央には横幅が三十メートルはある巨大な階段があり、その両脇には衛兵が一人ずついて、冒険者はみんなその衛兵に冒険者カードを見せてから階段を下りている。


「う~ん……ここからライザたちを探すのは大変…じゃないんだよな~」


 変なところで運がいい俺はライザたちを一瞬で見つけることが出来た。

 今回はしっかりサルトもいる。サルトは朝に弱い為、Dランク昇格試験の時は二人よりも遅れて冒険者ギルドに来ていたので、内心「今日も遅れて来るんだろうな~」と思っていたが、杞憂だったようだ。


「みんな、昨日ぶり!」


 俺は手を振りながら近づいた。


「お、ユート。やっと来たのか。よし、みんな集まったしさっさと行くぞ」


「そうだな」


 そう言うと俺たちは階段を下りてダンジョンの中に入った。


「ほう……広い洞窟って感じだな」


 ダンジョンは、道幅が五十メートルほど、天井までの高さが二十メートルはある巨大な洞窟だった。

 そして、天井や壁には薄紫色に光る五十センチメートルほどの魔石のようなものが埋め込まれてあった。


「ああ、五階層までなら大した魔物が出るわけじゃないからさっさと行こうぜ」


 ライザは早く先に進みたいらしく、俺たちを急かしていた。


「はぁ……ライザ。そうやって突っ走って昨日天然の罠(石につまずく)にかかったでしょ」


「ライザ。流石にちょっと落ち着こうか」


 他の二人から叱られて、流石のライザもおとなしくなった


「じゃ、じゃあ行くぞ~」


 俺は今の光景に苦笑いしながらも先に進んだ。







「んー最初は全然強くないね」


 俺は次々と襲い掛かってくる魔物を白輝の剣で瞬殺していた。

 ここでは魔物がどんどん生み出されるので、いきなり真横に現れるなんてこともあるそうだ。だから、俺は常に白輝の剣を持ち、〈身体強化〉を使っている。


「はぁ……俺たちの役割が残党狩りになってるんだけど……」


「何かユート。前よりも強くなっている気がする」


「ははは……もう少し残してくれると嬉しいなあ……」


 後ろの三人は前と同じようにため息をつきながらあきれていた。

 俺はその言葉を半笑いになりながら聞いていた。

 一応サルトの要望に応えて残す量をさっきの四割増しくらいにしておいた。






「お、ユート。あれが二階層への階段だ」


 大体歩いて一時間ほどで無事一階層を攻略することが出来た。

 一階層ではレッドゴブリンの色を暗い緑にしただけの魔物が主に現れた。〈鑑定〉してみると、

 ー--------------

 名前 グリーンゴブリン LV.6

 体力 300/300

 魔力 0/0

 攻撃 300

 防護 250

 俊敏性 500

 主に六から二十匹の群れで行動する。

 知能はやや高い。

 獲物には集団で襲い掛かる。

 ー--------------

 と表示された。

 こいつは俺たちを見つけると一斉に襲ってくる。そして、不利を悟ったらすぐに逃げるといった行動をとる。ライザたちは「こいつらレッドゴブリンよりも逃げ足速いからめんどくさいんだよな」と言っていたが、俺はこいつらが逃げるという思考にたどり着く前に殺しているので特に問題はなかった。


 次点で多かったのは岩の鎧で覆われた体長二メートルほどの狼の魔物だ。〈鑑定〉をしてみると、

 ー--------------

 名前 岩狼(ロックウルフ) LV6

 体力 500/500

 魔力 0/0

 攻撃 700

 防護 900

 俊敏性 4000

 弱点

 ・水属性

 主に四から八の群れで行動する。

 毛皮が岩でおおわれているので剣は通りにくい。

 ー--------------

 と表示された。


 ライザたちは「剣で切ることは簡単なんだが剣が早く傷むしニナの火属性の魔法は効きにくいからあまり相手にしたくないんだよな」と言っていたが、俺が使っている剣は白輝の剣というよい品質の剣だし、〈剣術〉のスキルLVが高いので、岩に覆われていない関節部分を正確に狙うことが出来るから問題はなかった。





「なあ、取りあえず今日は何階層まで行く予定なんだ?」


「ん?取りあえず五階層まで行ってそこで一晩過ごしてから帰るって感じだな」


「分かった」


 こうして一階層を攻略した俺たちは二階層へ下りた。

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