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第四十七話 オーク討伐 中

「グルルルル…」


 小屋から出てきたオークが・キングは威圧感があり、キングとしての風格があった。まあ、〈威圧〉というスキルのおかげだと思うが、ここはキングとしての風格ということにしておこう。


「グウルル!!」


 オーク・キングがいきなり雄たけびを上げた。すると、別のところにいた大剣を持ち、防具を付けたオーク十体、杖を持ったオーク・メイジ十体が来て、オーク・キングを守るようにして立った。


「これが〈統率者〉ってスキルの効果か…」


 しかも大剣を持つオークが前、オーク・メイジが後ろになるように配置されている。


「ユート、俺らが足止めするから魔法を撃ってくれ」


 赤き龍の三人がオーク・キングに気がつき、近づいてきた。


「分かった」


 別に撃つだけなら足止めは要らないのだが、防具をつけているやつはそれなりに耐えそうだし、そのオークを盾にしてオーク・メイジの魔法が飛んで来たらめんどくさいので足止めはありがたかった。


「よし、じゃあ撃つぞ!」


 俺は向かってくるオークに向けて〈氷槍(アイスランス)〉×六十を撃った。それに合わせて赤き龍の三人もオークに攻撃を仕掛けた。


「グギャアアアア!!!」


 まず俺の〈氷槍(アイスランス)〉が顔に向かって飛んでくる。それを防ぐために大剣を顔の前に出したオークは赤き龍の三人によって次々と倒されていく。

 そして、赤き龍の方を警戒したオークは俺の〈氷槍(アイスランス)〉によって次々と倒されてく。


「グギャゴォギャゴォ…」


 背後でオーク・メイジが詠唱(?)を完了させ、〈火矢(ファイアアロー)〉や〈土弾(ロックバレット)〉が飛んでくる。さっきのオーク・メイジの魔法と違ってしっかり魔力が込められたものだ。それが計七十個近く飛んでくる。一部は赤き龍の三人の元へ飛んでいくが、そこまで多くはないのでみんな普通に叩き落していた。一方俺の元には四十個ぐらい飛んでくる。〈結界(シールド)〉を強めに張れば防げるが、ここまで強くなった俺ならわざわざ防ぐ必要もない。俺は追加で〈剣術〉、〈風強化(ブースト)〉を使うと白輝の剣で全て切り落とした。


「じゃ、お返しだな」


 俺は〈火矢(ファイアアロー)〉×三十をオークメイジに撃った。


「グギャアアア!!!」


「ガゴァアア!!」


 飛んで行った〈火矢(ファイアアロー)〉はオーク・メイジに次々と命中し、倒していく。

 生き残ったやつもいたが、そいつは赤き龍の三人の餌食となった。これで残っているのはオーク・キングだけとなった。


「グガアアア!!!」


 オーク・キングは仲間がここまで早く倒されたことに対する戸惑いと、殺されたことに対する強い殺意を持っているようだった。


「じゃ、やるか…」


 俺は頭めがけて〈氷槍(アイスランス)〉×十を撃った。ただ、さっきまでのオークと同じようにオーク・キングも特に慌てることなく大剣を顔の前に出すことで防いだ。

 だがこれは予想の範囲内。俺はもう一度〈氷槍(アイスランス)〉×五を撃つと、その隙にオーク・キングに近づいた。


「はあっ」


 俺はオーク・キングの左足に切りかかり、そのまま切断した。


「グギァア!!!」


 オーク・キングは痛みで顔を歪めながらも俺めがけて大剣を振り下ろした。


「よっと」


 俺はそれを横にステップすることで回避した。

 一方オーク・キングは片足がない状態で大剣を思い切り振り下ろしたことで、そのまま横に倒れてもがいていた。


「これで終わりだっ」


 俺はオーク・キングを首めがけて白輝の剣を振り下ろした。


「グ…ガ……」


 オーク・キングの首はきれいに切り落とされた。これでここの主は倒すことが出来た。周りを見てみると他のオークも次々と冒険者たちによって倒されていき、全滅は時間の問題だろう。


「後は逃げだしそうなオークからどんどん倒していけば大丈夫そうだな」


 そう思った俺はこの場所から周りをじっと観察した。すると、冒険者たちがどんどんこの集落の中心に向かっていくことによって、二か所の出入り口に冒険者が誰もいなくなった。そして、そこからオークがこっそりと逃げ出そうとしていた。


「逃がさないぞ!」


 俺は素早く近づくと跳んで、オークの首を切断した。そして、それを目の前で見ていた他のオークは逃げ腰になっている時に目の前で仲間のオークが瞬殺されたことで怯えていた。

 ここまで戦意を喪失していると殺すのを躊躇いそうになるが、かと言ってここで逃がしたらまたオークの集落が出来かねないので、そのまま瞬殺することにした。


「グガ…」


「グゴォォ…」


 これで逃げようとしていたオークも倒すことが出来た。

 周りを見てみるとオークは全滅していた。そして、冒険者たちが小屋の中からさらわれた女性たちを外に連れ出していた。見た感じ十数人はいそうだ。みんな出てこれたことに安堵しており、中には泣き出す人もいた。


「よかった…」


 俺はさらわれた人たちが無事だったことに安堵した。

 その後、ここの中央にいるザクさんから集合の合図を受けた俺はザクさんの元へ小走りで向かった。

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