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第二十四話 パワーレベリング

「よっと。ここがマリノの森だ。ここにあの煽り――フォレストモンキーがいるんだ」


 あいつらは格上が相手でもしっかりと煽ってくる。煽りに命を捧げるような魔物だ。あの時にちょ~とだけキレて、瞬殺したことは今でもしっかり覚えている。


「じゃあ、俺がちょっと行って、捕まえてくるから、少し待っててくれ」


「分かったわ」


「うん。分かった!」


 俺は二人の返事を聞くと、〈気配察知〉で気配を探った。そして、気配があった場所に猛スピードで向かった。




「え~と……いた!〈影操作(ダークシャドー)〉!」


 俺は〈影操作(ダークシャドー)〉で作った漆黒の鎖で、七体全てを捕獲すると、〈空間操作(スペーショナル)〉でクリス達の元に転移した。


「クリス、捕まえてきたよ。あ、ちょっと弱らせとく」


 俺は再生(リバース)を巧みに使って、体力が一になるように調節しながら殴った。地味に難しかったが、ノアの為に頑張った。


「よし。体力が一になるように調整しといた。後はこれでぶすっと刺してくれ」


 俺は〈アイテムボックス〉から白輝の剣を取り出すと、それをノアに渡した。


「いいか? これは危ないものだから、扱いには十分気を付けるように」


 俺はしっかり念を押した。


「うん。分かった」


 ノアは元気よく頷いた。

 その後、ノアはクリスに指導されながら、白輝の剣を構えた。


「えいっ!」


 ノアは白輝の剣で刺突した。


「ギャ!」


 フォレストモンキーは首から血を流して倒れた。


「えいっ! えいっ! えいっ!」


 ノアは残り六体も同じように剣を刺突して倒した。



「よし。完璧だ。さて、ステータスはどうなったかな……」


 俺はノアに〈鑑定〉を使った。


 ーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 ノア 人族 LV.19

 体力 460/460

 魔力 910/910

 攻撃 510

 防御力 480

 俊敏性 580

 スキル

 ・身体強化LV.1

 魔法

 ・風属性

 ーーーーーーーーーーーーーーー


「うん。ちゃんと上がっているな」


 俺はノアのステータスを満足気に眺めた。


「ええ。あとはこれを十日ほどやれば、最低限身を守れるくらいには強くなれると思うわ」


「最低限か……」


 それでは強い奴に狙われた時に対処が出来ない。前のようなことにならない為にもめっちゃ強くしないと……


「よし。クリス! 次の場所に行くぞ! そこでノアめっちゃ強化させる!」


「え、ええ。分かったわ」


 クリスは少し引き気味に頷いた。


「よし。〈空間操作(スペーショナル)〉!」


 俺はみんなと共にティリアンのダンジョンに転移した。それも、百階層にいるエンシェントドラゴンがいる部屋の前だ。


「ん? ここは……ダンジョン?」


「ああ、そうだ。目の前にある扉の奥にいる魔物がレベル上げに丁度いいんだ」


「そうなんだ……分かった。早速やりましょう」


「ああ……いや、その前にノアの耳と目を塞いでくれ。ノアからしてみれば威圧感がヤバすぎる魔物だから」


 この先にいるエンシェントドラゴンは見た目だけでもかなりの威圧感を持っている。だが、それだけでは飽き足らず、LV.MAXの威圧のスキルを持っているのだ。とてもじゃないが、ノアに耐えられる代物ではない。クリスでも萎縮してしまうレベルだろう。


「クリスも怯えるんじゃないぞ」


「ユートと言う非常識の塊を見てきた私が今更怯えることはないわよ。それに、これでも何万年と生きているんだから」


 クリスは自信満々にそう言った。


「……そう言えばそうだったな。じゃあ、行くか」


「ええ」


「はーい」


 二人の元気いい返事を聞いた俺は、扉を開けると、中に入った。


「よし。〈重力操作(グラビティ―)〉〈雷強化(ブースト)〉〈身体強化〉」


 俺はスキルと魔法を使うと、神速でエンシェントドラゴンの真上に行った。


「〈重力操作(グラビティ―)〉!」


 俺は即座に千倍の重力をエンシェントドラゴンにかけた。


「グルアア!」


 エンシェントドラゴンは苦しそうに咆哮を上げた。


「はあっ!」


 俺はそのままエンシェントドラゴンを素手で殴った。気持ちとしては、〈再生(リバース)〉で調整したいのだが、こいつは光属性が弱点なので、使うことが出来ない。その為、頑張って調整する必要があるのだ。そこら辺は、もう気合でどうにかした。

 そして、何とかエンシェントドラゴンの体力を六にした。流石に一にするのは厳しかった。


「〈影操作(ダークシャドー)〉!」


 その後、素早く漆黒の鎖でエンシェントドラゴンを拘束した。こいつの場合は炎を吐かれないように、口もしっかり縛ってある。


「おーい! 終わったからとどめを頼むー!」


 俺はクリスたちの方を向くと、手を振った。


「え、ええ……分かったわ……」


 クリスはノアの頭を抱きかかえながら、震えていた。


「怯えないんじゃなかったっけ?」


 俺はからかうように言った。


「う……流石にこれは予想外よ……ユートのバカ……」


 クリスは顔を真っ赤にすると、顔をそむけた。


「まあそうだな。すまない……じゃ、ノア。思いっきり振り下ろすんだ」


「はーい。えいっ!」


 ノアはエンシェントドラゴンに白輝の剣を振り下ろした。

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