表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/162

第四話 初めての依頼完了

「よし、何とか片付いた…」


 俺の目の前には討伐証明部位、魔石、その他の三つがそれぞれ山積みになって分けられていた。

 討伐証明部位と魔石を〈アイテムボックス〉の中に入れ、その他に分類される内臓、皮は燃やして埋めておいた。これらは元々多すぎるということで迷惑をかけない為にも売らないつもりだ。なのでかなり雑に解体してしまった。その為死骸は見るも無残な光景になっている。


(そういえばこれだけLVが上がったんだし何か別の魔法を覚えていてもおかしくはないよな……)


 最後に見たときと比べると、LVは倍以上に上がっている。

 そう思いながら俺は使える魔法を見た。





 結果としては光属性以外の属性で使える魔法が一つずつ増えていた。光属性は既にニつ持っているので、増えなくても仕方がないと思った。

 それはさておき新たに使えるようになった魔法は、〈火矢(ファイアアロー)〉、〈氷結(フリーズ)〉、〈風強化(ブースト)〉、〈土壁(アースウォール)〉の4つだ。


「よし、まずは〈火矢(ファイアアロー)〉!」


 そう言うと、目の前に長さ三十センチメートルほどの火をまとった矢が現れたかと思うと、そのまま目の前にある木に当たり、そのまま木を貫通した。その勢いで後ろの木にも当たった為、ニ本の木が燃えてしまった。このままだと他の木に燃え移ってしまうと思い、直ぐに〈水球(ウォーターボール)〉で鎮火させた。


「なるほどな……〈火球(ファイアボール)〉は燃やして倒すみたいなやつだけど〈火矢(ファイアアロー)〉は貫いて倒すって感じか…」


 〈火球(ファイアボール)〉では倒せない相手、例えば毛皮が燃えにくい森狼(フォレストウルフ)とかも火属性の魔法で倒せるようになった。


「次は…〈氷結(フリーズ)〉!」


 そう言うと、自分から五メートル離れた場所に高さ三メートルほどの氷の山が出来た。氷が下からせりあがるように凍っていく光景はきれいなものだった。氷の山が出来るのにかかる時間は僅か三秒だった。


「水属性ではようやく戦闘に向く魔法が出たな」


 というか直接的に凍らせるんだから結構強い。更に、発動距離も少し意識すれば十メートルまで伸ばすことが出来る。


「そして、〈風強化(ブースト)〉!」


 そう言うと、風が吹く。とかそういうのはなく、体の周りに風をまとっていた。


「んーどういうことだ?」


 名前通りなら何かを強化するものなのは分かる。〈身体強化〉と似たようなものかと思ってその状態で動いてみたら、〈身体強化〉発動中と同じくらいの速度で走り回ることが出来た。他にも素手で岩にひびを入れられるくらいには強化された。ただ、〈身体強化〉のように耳がよくなったり、頭の回転が速くなったりするわけではなかった。


「最後は…〈土壁(アースウォール)〉!」


 そう言うと、目の前に高さ三メートル横幅も三メートルはある大きな土の壁がせりあがってきた。出来るのにかかる時間は三秒ほどだった。


「こりゃまた壮観だな……」


 試しに〈身体強化〉と〈風強化(ブースト)〉を使っている状態で思いきり殴ってみたら、大きくへこんだが、壊れることはなかった。流石にニ度目は耐えられなかったが…


「なかなか強い魔法がそろったな」


 この調子でいくと最終的にはどんな魔法が使えるようになるのだろうか…


(災害級の魔法を使えたり…)


 何か怖くなってきた。まあ、もし使えるようになったとしてもホイホイ使うことはない…と思う。


 空を見上げると、もう日が沈みかけていた。


「もう夕方か…早めに街に戻るとするか」


 俺は〈身体強化〉を使って街へ猛スピードで帰った。








 冒険者ギルドの中は今朝よりも多くの人がいて、にぎわっていた。酒を飲み、笑いあっている人もいる。

 俺はそんな人達を眺めながら通常受付へ並んだ。夕方で、依頼を終えて帰ってくる人が多い時間帯ということもあってかかなりの列になっていた。





 十分ほど並んだところで、俺の番になった。


「常時依頼のレッドゴブリンと森狼(フォレストウルフ)の討伐をしてきました」


「それでは、討伐証明部位を出していただけませんか?」


 俺は大量のレッドゴブリンの右耳と森狼(フォレストウルフ)の犬歯を〈アイテムボックス〉から取り出した。


「ず、ずいぶん多いですね…数えるので少々お待ちください」


 受付嬢は目の前の光景に驚いているようだったが、直ぐに丁寧に数え始めた。


 三分ほど経ち、


「レッドゴブリンが三十五匹、森狼(フォレストウルフ)が三十頭なので、報酬金は九万五千セルになります。それでは冒険者カードの提示をお願いします」


 俺は〈アイテムボックス〉から冒険者カードを取り出し、受付嬢に手渡した。


「こ、こんなに倒せるのにEランク…あ、失礼しました。冒険者カードはお返しします。あと、こちらが報酬金九万五千セルです」


 俺は冒険者カードと報酬金を受け取ると、〈アイテムボックス〉にしまった。


「この調子なら直ぐにDランクになれそうですね。DランクになるためにはEランクの間に依頼を百回こなした後に試験を受けて合格する必要があります」


「百回ってずいぶん大変そうですね…」


 俺が今日やったのはレッドゴブリンと森狼(フォレストウルフ)の討伐のニつだけ。先は長そうだ。

 そう思っていると、


「いえいえ、あれは一匹で一回とカウントされるのであなたはあと三十五回で試験を受けることが出来ますよ」


 今の言葉にうれしくなって叫びそうになったことは秘密にしておこう。


「分かった。色々ありがとう」


 俺は受付嬢に礼を言い、その場を離れようとしたら…

読んで下さりありがとうございます。

ブックマーク登録をして下さるとモチベが上がるので、ぜひお願いします!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ