おかえし
「...で。シンジは一体誰から告られたのかしら?」
「んー、お前に話さなきゃいけないこと、それ?寝る前にも言ったけどさ」
「話さなきゃいけないわ!
私はシンジの幼馴染であり、義妹。
知る権利があるわ」
「知る権利...ね。なんか、憲法の国民の、
知る権利みたいだな」
「で、誰?そこが一番重要ね!」
「学園のマドンナ...」
「マドンナ!?」
「うん、そう。マドンナ」
「学園一の美少女であり、モテ女の
マドンナ水原紫苑に告白されたのね...」
明らかに。ヒナタの
声のトーンが下がった。
だから俺は。
その声のトーンを上げてやることにしたんだ。
「真実を話すと。練習台だってば、俺。
ただの告白の練習台。
マドンナはさ、学園一のイケメンに告白する
予定なの。で、その前フリとしての
俺に練習をさせてくれってことで。
なんか、俺を前にしても全然緊張せずに
告白のセリフが言えそうだからってことで。
で、
チョコは、将来、有名パティシエになるって
文化祭で俺、英語のスピーチしたじゃん。
だから、味見てくれってことで渡されただけだかんな」
「...シンジのばかぁ..」
この言葉の後。
ヒナタのちいさく泣きじゃくる声。
俺は慌てて、ヒナタを抱きしめ返した。
バックハグのおかえし。
この行為だけで、ヒナタは安心したらしい。
「心配して損した!!」
けろりとして。可愛い八重歯を見せて笑い。
このあと。
俺にイチャイチャを滅茶苦茶仕掛けてきたのでした!