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幽霊と神様にこんにちは  作者: 明智 颯茄
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はじめに……

 霊感といえば、幽霊が見える。と何となく想像すると思う。怖いとか気味が悪いとか。そんな気持ちを持つだろう。


 霊感がない頃は、私も極端に恐怖を感じていた。なぜなら、感じるのに姿が見えないからだ。例えばこんな風にだ。


 墓地へ行く。目に見える人間は四人しかいない。それなのに、自分を様々な方向から見ている視線を感じる。まるで人混みの中で注目されているような感覚だ。


 私の住んでいた古い実家は、『奥の部屋』と家族が呼んでいる間があった。北側にしか窓がなく、薄汚れレールから少し外れたカーテンが締め切ってある。見ようによっては人の顔のように見える木目の大きなタンスが部屋の一面を埋め尽くす。


 三面鏡が合わせ鏡を作り出し、異界へ引きずり込みそうな幾重もの姿を映す。そうして、きわめつけは仏壇。しかも、トイレの隣の部屋という立地。


 家族は誰も怖がっていなかったが、私は近寄るだけでもビクビクしていた。十代になっても、夜中にトイレに行く時は、毛布をかぶって背中を覆わないと、怖くて仕方がないほどだった。


 髪を後ろで結うために、毎朝三面鏡を使うことになったが、斜め後ろにある仏壇から視線を感じる。家族でないのはわかっている。じっとりと冷や汗をかくような恐怖に駆られて振り返るが、もちろんそこには誰もいない。


 しかし、ある日、霊感を手に入れてからは、私は幽霊がさっぱり怖くなくなった。なぜなら、目に見えるようになり、話もできるようになったからだ。得体の知れないものには恐怖を覚えるが、正体がわかってしまえば、鬼に金棒なのである。


 ちなみに、あとで詳しく出てくるため、ここでは軽く触れるが、奥の部屋で感じた視線は、きちんとそこに成仏していない幽霊がいたのである――


 ということで、私の霊感は最初感じる程度のものだった。次回は、なぜ霊感が磨かれたのかを具体例を出して話そう。

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