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アナザーハッピーエンド? Why is a man and a date? (なぜ男とデートをするのか)

人によっては完全な蛇足回になるかもしれないです。

「またか……幸助……」


「はい……」


幸助が今日は俺の家に来ている。


別に珍しいことではない。知り合ってから2人で過ごすことは結構あった。


今日は幸助の相談に乗っているのである。


普段は幸助に世話になってばかりで、たまには相談に乗らねばならない。


ただ幸助は、友人関係、家族関係も良好で、成績もよく、将来は家を継ぐという目標もあって、あまり悩むことは多くない。


ただ、そんな幸助が俺に相談を持ちかけてくる数少ない事例が今回の相談である。


「また男に告白されたんだって?」


「そうです……」


幸助の数少ない悩み。それはその愛くるしい容姿による、男からの告白を受けることである。


それでも、大抵は名前を言うなり、男だというなり何らかの対策をすれば、あきらめてもらえるのだが、たまに、理解してくれない人や、あきらめない人がいる。


「今回は男だって言ってないのか?」


「言ったけど信じてもらえませんでした……」


まぁ男子の制服を着ているならまだしも、私服では幸助を男と判断するのは難しい。


別に私服もスカートを履くわけではないのだが、幸助は暑がりなので、肩が出るトップスや、短めのパンツを好んで着るので、男性らしくない白い肌や、細い体のラインがよく分かるようになる。本人は気にしているが、16歳なのにほとんど毛の無いスベスベ肌なのである。


おまけに、肩までかかるサラサラヘアーまで絡んでこれば、どう考えても女性に見える、俺も寝ぼけてたら間違える。


「孝之の作戦を使ったほうが早いんじゃないか?」


「下半身を露出するなんてできないですよ! 捕まりますよ!」


いや、俺も冗談だよ?


「もう4日も連続で家の前にいて……、お父さんが怒ってて大変なんです」


「今回のはなかなかしつこいな」


「だから、嘘をついたんです。僕には彼女がいますって」


「まぁ妥当なところか」


さすがに彼女がいると言えば、男だと思うし、万が一、幸助を女だと思っても、真理亜みたいな趣味の人間だと思って、近づこうとはしないはずだからな。


「でも、その人は……」


「ん? なんだ。それでもあきらめないか? それとも、彼女に会いたいとか?」


まぁ幸助なら、女性の友人も多いし、恋人の代わりをしてもらうことも難しくないだろう。


「うーん、ちょっと違うんです」


「? どういうことだ?」


「その人は僕を女だと思って、疑ってなかったみたいで……、僕に彼氏がいるって聞き間違えて……」


「おい、まさか……」


「だから、翔先輩、恋人役をやってください」


「こういうケースはさすがに初めてだな」


「高校生になって、少しは男らしくなったと思ったんですけどね」


ちなみに、幸助は高校生になって、よりいっそう可愛らしくなっていたりする。


どこかというと、ちょっと髪が長くなったのと、周りの身長が大きくなっているのに、幸助の身長があまり伸びていないので、上目遣いのレベルが上がっているの2点。他にもなんとなく理由はありそう。


「わかったわかった。俺が協力してやる」


「え、いいんですか……」


幸助が意外そうな顔をする。


「何で驚くんだ? 幸助が頼んできたんだろ?」


「はい、でも少しは嫌がられると思いました。だって、翔先輩は元会長先輩に……」


「……、まぁそれはそれ、これはこれだ。幸助にはいつも世話になってんだし、協力しないわけにはいかん」


それに、俺が断れば、多分違う男に頼むことになるのだろう。それはそれで不本意だし、相手の男次第では、より面倒なことにもなりかねん。


相手が話を聞かないうえに、しつこいというのも気になる。別に幸助とデートがしたいわけではない。決して。だって幸助と出かけるなんて、頻繁にあったし。大丈夫だし。



と、いうわけで日曜日。


「どうもはじめまして。こいつの彼氏で、桂川翔です」


待ち合わせを幸助がしていた場所に、俺は幸助と一緒に来る。


「ど、どうも北山高校の金原です」


俺の挨拶に相手も礼儀正しく返してくる。うーむ、ちょっとしつこいというから気になったが、別に見た目はさわやかだし、話が通じない感じもしないな。


「今日はどうすればいいんだ?」


「と、とりあえず、2人に同行させていただけますか? 2人の様子を見て、あなたが堀田さんにふさわしいと分かればあきらめます!」


すげー話わかるやつじゃん。何で幸助のことは信じないんだよ。


「おい、幸助、どうすればいい?」


俺は小声で幸助に耳打ちする。


「いつもどおりにしててくれれば良いですよ。僕も余計なアドリブが入ったら聞かないんで」


それはそうなのだが、いつもどおり過ごしているだけで、デートに見えるのだろうか?


「さてと、今日はここにすっか」


3人で電車に乗り、(電車賃などないので、この路線の定期を持っている人から借りた。そいつは、学校の近くの友人の家に泊まるから、今日の夜返してくれればいいということだった。ありがとう)隣の町に来た。


いつもの町ではないのは、俺と幸助のことを知っている人が多い町を歩くことはややリスクがあるためだ。


いや、その人たちから、幸助が男だよって言ってもらえれば早いからいいじゃん。と思うかもしれないが、余計な噂を立てられるほうが俺にデメリットが大きい。もうここまで来たなら、最後までしっかりやるのが1番いい。


「さてと、堀田さんに桂川さん、どこに行くんですか?」


到着したのは、大きなデパートである。俺はめったに来る事はないが、この辺りでは最も大きいらしい。


「どこいく? 3階のショッピングモールか? 2階のゲーセンか? 1階の雑貨屋か?」


「? 翔先輩、ここに来たことありましたっけ?」


「別に、昨日目的地をお前が話ててるときに、この場所を予習しただけだ」


「……、用意周到なのはすばらしいですが、まだまだ僕は負けてませんよ!」


えー、こんなことに勝ち負けあんの? 優希先輩をきちんとエスコートできなかった反省を生かして、予習しただけなのに。


「とりあえず、適当に見て周ろうぜ」


「そうですね!」


パート1 ファッションフロア


「堀田さんに似合う服を選んであげますよ! 僕けっこうセンスいいんです!」


「あー、こいつは自分で服買わないからさ。ここは用事無いな」


服は全部幸助の両親の趣味である。


「……そうですか」


パート2 ゲーセン


「あれ欲しいですね」


クレーンゲームの景品にコケッピーがあった。あいつまだ生きてたのか。


「お任せください! 僕がとって見せます!」


金原さん、2000円で取れず。


「俺がやってやるよ、100円よこせ」


「え、堀田さんから取るんですか?」


「俺んち貧乏だから金が無いんだよ。別にいいだろ。100円でとれりゃ、ほらよっと」


1発で成功する。俺はじっくりと人のクレーンを見て、見よう見まねでクレーンのスキルを鍛えた。1円も持たずに、ゲーセンをうろうろしたり、友人に誘われてもずっと眺めるだけだった昔を思い出す。


「ありがとうございます。副会長先輩に見せてあげましょうね」


「ああ、あいつは喜ぶかもな」


幸助は別に可愛いもの好きじゃなかったと思ったが、生徒会へのおみやげか。いい奴だな。


パート3 昼食


「えーと、このパフェとケーキを」


「あのー、桂川さん、昼食ですよね? 何でケーキ屋に?」


「ああ、こいつはお菓子が主食だから。学校でお昼に饅頭とかだけを食べてるのはよくあるぞ」


「そ、そうですか……」



「ちょっとお手洗いに行ってきますね」


デートというか、ゲーセンに行った以外は、うろうろとウォーキングしていて、お昼も甘いものを食べている。本当にいつもどおりだ。


「うーん、どうやら僕の負けです。どうも桂川さんと堀田さんは相性が抜群のようですね。あなたの欠点は、重箱の隅をつつくようなことをしても、見つかりませんし、何より堀田さんがずっと楽しそうですから。僕がどうこうできるもんでもなさそうですね」


金原さんがあきらめモードに入った。これで終わりかな。


「では、最後に。あなたは堀田さんと将来的には、結婚されるのですか?」


唐突になんだこいつは!? 


「答えてください!」


「いや、しねぇよ。あいつ男だし」


あ、やべ、勢いで言っちまった。


「何を言ってるんですか……、そういえば堀田さんも同じようなことを言ってましたね……、さてはあなた達僕をだますために、偽カップルを」


「まぁそうだな」


「全く、堀田さんが女だなんて嘘をついて、偽カップルまでやって、そんなに堀田さんは僕のことが嫌いなんですかね」


勝手に不機嫌になる金原。ちょっとむかついた。


「おい、あいつのことを悪く言ってんじゃないぞ。お前を傷つけるのかが悪いと思って、俺に頼んできたんだ」


「何を……」


「あいつの名前ちゃんと聞いたか? 堀田幸助だぞ。こうすけ! それに、これはあいつが男子生徒の制服を着ている写真だ! ほんとに好きなら、ちゃんと幸助の話を聞け!」


なぜ写真を持ち歩いているかという突っ込みはしてはいけない。


「え……、男……なんですか?」


金原はこの世の終わりみたいな顔になる。ちょっと言い過ぎたか?


「あんなに可愛らしくて? 男?」


「ああ、男だよ。一緒に着替えたこともあるから間違いねぇよ」


さすがに裸は見たことはないが。普段同じ教室で着替えている後輩男子の教育に実に悪いだろう。


「……そうでしたか……。ご迷惑をおかけしてすみません。僕……、本当に堀田さんのことが好きだったんです。男って言われて……、振られるにしてもそんな嘘をついてまで、断られたってことが信じられなかったみたいです」


金原は頭をテーブルにつけて謝る。


「2人ともお待たせ。あれ? どうしたの金原さん」


幸助が戻ってきた。


「すいません堀田さん、僕がきちんと話を聞かなくてご迷惑をおかけしたみたいですね」


「ん? 翔先輩?」


「ああ、幸助が男って分かってもらえた」


「そうですか。ごめんなさい金原さん。でも僕を好きになってくれてありがとうございます」


くそー、可愛いな。金原さんも男って分かってんのに頬染めてるし。


「では僕は失礼しますね」


「ああ、別に会いに来たかったら、いつでも来な」


「ご冗談を。堀田さんと桂川さんのイチャイチャを見たら、傷心が悪化しますよ」


「イチャイチャって……、男同士だぞ」


そんなこと言われたら照れる。そして、右で幸助も照れてるし。


「あなたはいい人ですよね、男の彼氏の振りをしているなんて。僕は正直言って、2人とも男だとしても、お似合いだと思ってますよ、ではでは」


そう言って、金原は去っていった。あいつ、最後に余計なことを……。


「……帰るか?」


「そうですね。今日はありがとうございました……」


そして、俺達も帰路についた。


ちなみに、幸助を家まで送ったら、2人でデートしていたことを、幸助の両親に根掘り葉掘り聞かれることになった。


晩御飯ご馳走になれるんだったら、そりゃ断れませんって。


楽しく盛り上がって、幸助に見送られて、家路につく。


「今日はありがとうございました。楽しかったです」


「気にすんな。俺はいつも幸助に迷惑をかけてばかりだ。このままじゃ誰にも好かれはしないだろうな」


「そんなことありませんよ。少なくとも、『誰も』ってことはないですから」


幸助が笑顔でそう言ってくれるだけで、俺はまた明日を頑張れる気がした。



HAPPY END?








なぜこのような話を書いたかというと、当初はこの方向性で物語を書こうとしていたからです。1万文字も書けずに断念してしまいましたが。


お蔵入り予定でしたが、この作品のきっかけとなった話なので、少し修正して投稿しました。


これで完全に完結です。


現在4作品ほど執筆、推敲しております。またよろしければお付き合いください。





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