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Endless Sphere Online  作者: てんぞー
二章 帝国-闘技大会編
31/64

三十一匹目

 正面から刃が迫る。それに対して横へと踏み出しながら右手の刃を後ろへと引き、そして刃を潜るように両足を曲げて、一気に体を落とす。その状態から抜けて行く相手の手に合わせ、カルマ=ヴァインを振るう。手首を裂かれた相手が刃を落とすが、残った左手で攻撃しようと、動かしているのが解る。即ち殺さないと戦闘を止めないタイプ。それを察し、相手の背後へと抜ける様に踏み込みながら、動きに合わせて線を描く様に斬撃を加える。剣を握っていた手が真っ二つに肩までぱっくりと割れ、血が溢れだす。それに一切気にする事なく相手の悲鳴を無視し、背後へと回り込んだところで振り返りながら横に一線、


 首を刎ね飛ばす。


 一瞬で刎ね飛ばした状態から返り血が体にかからないようにバックステップを取る。魔剣を一回振るい、ついた血を落としながらステータス画面を開く。周りに溢れかえる歓声を耳にしつつも、歓声自体にはそこまで興味がない。やれやれ飽きない人達だ、なんて事を思いながら控室へとステータスを確認しつつ歩く。


 名前:フォウル

 ステータス

  筋力:56

  体力:60

  敏捷:58

  器用:59

  魔力:61

  幸運:36


 装備スキル

  【魔人:22】【創造者:21】【明鏡止水:22】【支配者:21】

  【血戦血闘:22】【高次詠唱術:11】【魔剣保持者:5】【侵食汚染:5】

  【咎人:1】【業の目覚め:1】【剣聖:1】


 SP:18


 この数日の闘技場通いはいい経験になっている―――不安になる事もあるが。その原因は【剣聖】にある。【片手剣】と【長剣】が50になって上位スキルを取得しようとしたときに、メッセージで【侵食汚染】の効果を受ける、と出てきたのだ。そうやって何かを入力する前に、二つのスキルは吸収される様に変化して【剣聖】というスキルが出てきたのだ。そうやって全く聞いたこともないスキルが生み出されたことによって、気が付いたことがある。


 ―――【侵食汚染】の最適化ってもしかしてスキルにまで影響するのではないだろうか。


 【剣聖】を取得したら【魔剣保持者】まで上昇した事を考えると納得できる理由でもあった。おそらくは過去の所持者に近づけば近づく程、スキルが上昇して行くのだ。ある意味デスカウンターと言ってもいいのかもしれない、このスキル達は。ただ、とてつもない不安が残って新しいスキルを習得する事が出来ないでいるのが問題なのだが。ここは勇気を出して何か取得するべきなのかもしれないが、そんな気分にはなれなかった。それに―――最適化が進んだら勝手にスキルを覚えそうな、そんな気もするのだ。



                  ◆


 そんな事もあったりするが、闘技大会に向けて毎日闘技場に通い詰める日々が続く。


 ダイゴとリーザは言う必要もなく、ニグレドもステップアップの為に闘技場に通っている。パーティーやチームとしてではなく、闘技場はバラバラに、個人として参加している。ここしばらくは馬車でずっとパーティー行動を取っていたため、ある意味良かった。個人での戦闘方法を見直したり、調整する時間が欲しかったのだから。【侵食汚染】を通した成長やスキルの変化に多少気持ち悪さを感じたりするも、それでも、闘技場での戦闘は順調だった。


 ランクは全員がB判定―――あのリーザでさえもそうだった。ファイトマネーは基本的に銀貨で払われ、一試合五から十銀貨程度を稼げる。この程度の金額に命を賭けている、人を殺していると思うと少々発狂したくなる人もいるかもしれないが、それでも殺人に対する忌避感はこのゲームの世界の中限定で、たいへん薄れていた。生きる為に戦うのは当たり前、という認識が世界として存在するのか、或いはそういう忌避感に対する低下の干渉がシステムとして存在するのか、そういう感覚はあった。


 そういう事もあり、試合が終わったら控室へと戻り、試合の追加を申請する。即座に試合が行われるわけではないが、闘技場側で試合を他の同ランク相手にマッチングしてくれる。一試合の時間は長くて十数分ほど、一試合をその程度の時間で休憩時間に五分でローテーション、次に登録されている闘士に出番が回ってくる。そうやって数十分ほど待っていると、また自分の順番が回ってくる。


 闘技場の入場ゲートを抜け、闘技場の大地に立つ。観客は日が進むにつれて増える一方。やはり誰もが闘技大会なんてものを楽しみにしていて、それまで我慢できないから普通の闘技場を見に来ているのだろう。そんな事を思いながら対面側へと向ければ、そこには対戦相手となる存在が見える。左腰の鞘から長剣、魔剣を抜く。それを右手でだらり、と下ろしつつ、向こう側にいる相手を見る。


 そこにいるのは魔導書を片手に握ったローブ姿の相手。それだけで判断するのは少々危険だが、恰好的には魔術師の類だ。接近戦が出来ると考えた方がいいだろうか? いや、自分の様に誘い込んで十絶の陣なんて手段を取ってくるかもしれない。うかつに魔術師には近づけない。こういう場合、剣士の方が遥かに接近しやすいと思う。ともあれ、ここは魔法戦、召喚戦の方向で狙うか、と決断する。


『―――それでは試合開始!』


 今まで聞き流していたアナウンサーの声、その部分だけを明確に拾う。


 同時に、自分も相手も動き出す。左全身を前に出す様に、左手で印を組みながら突き出す。


「力を貸せ、ロノウェ!」


『御意に』


 背後に豪華な服装にマントを装着した優男が出現する。出現と同時に消える男は力だけを譲渡し、魔術の行使を支援する。直接の魔術の行使ではなく悪魔という仲介者を経ている為に【支配者】の効果が乗る。


「ゲシュペンストッ!」


 黒い風が闘技場を薙ぎ払う。その中から閃光が闇を突き破るように出現し、それが収束して此方へと向けられてくる。レジスト、或いは相殺したらしい。そのまま腕を振り払えば、黒い風が逆巻く様に襲い掛かる。横へとステップを取りながら魔剣を振るう事で光のレーザーを切り払い、前へと距離を詰めて行く。光の爆発が黒い風を打ち破るのを確認する前に踏み出しながら手を掲げる。


「ジャッジメント」


 すっかり十八番となった複合召喚魔術を放つ。閃光と質量が頭上から圧殺する様に降り注ぎ、一直線に魔術師を潰す様に動き―――反応が出来る前に潰れて死んだ。そうやって死んでしまった対戦相手の姿を見て、溜息を吐き、そして明らかな失望を感じる。この程度で死んでしまった。まだ戦い始めたばかりなのに、たったこれだけで。足りない。敵の強さも、そして―――燃え滾る様な魂の熱も、足りない。


 そう、もっと、もっと心の底から叫べるような、そんな魂を持った相手と戦いたい。


「……何考えてるんだ俺は……。キャラじゃないだろ」


 溜息を吐きながら闘技場に背を向け、出口へと向かって歩き始める。今の戦闘で成長がないのかを確認する為、ステータスを開く。


 名前:フォウル

 ステータス

  筋力:56

  体力:60

  敏捷:58

  器用:59

  魔力:61

  幸運:36


 装備スキル

  【魔人:22】【創造者:21】【明鏡止水:22】【支配者:21】

  【血戦血闘:22】【高次詠唱術:11】【魔剣保持者:5】【侵食汚染:6】

  【咎人:2】【業の目覚め:5】【剣聖:1】


 SP:18


「ん? 今まで全く上がらなかった【咎人】と【業の目覚め】が上がっているし、何か【侵食汚染】も上がっている……人を殺したからか?」


 条件が良く解らないが、何かしらこのスキルを成長させるための条件を満たした、という事なのだろう。今日は一日中闘技場で戦うばかりの一日だった。昨日もそうだが。一体何が違うのだろうか。ともあれ、闘技大会はすぐそこまで迫っている、そろそろ切り上げて装備のメンテとか調子を確かめたり、一般闘技場から手を引いた方がいいのかもしれない。


 隠し切れない残念な気持ちを胸に、闘技場の歓声とアナウンサーの声を無視し、出口へと向かって行く。何故か解らない。だが酷く萎えた気分だった。今日はもう、闘技場で戦う気にはなれない程度には萎えていた。



                  ◆



「―――髪がちょっと伸びてきたな」


 ログアウトし、洗面所の鏡で自分の姿を確認する。ゲームと現実は違う、というのは良く解っている。それでもこうやって確認しないと不安になる事がある。ともあれ、髪が伸びてきた感じはある。そろそろ床屋へ髪を切りに行った方がいいのかもしれない。そんな事を考えつつ自分の部屋、リビングに持ってソファに座り込む。テレビをつけてそれをBGM代わりにスマートフォンを手に取り、


 そして掲示板サイトを開く。


「さて、そろそろ帝国の闘技大会に関する話題も出ている筈だよな……っと、あったあった」


 WIKIやら掲示板を確かめていると、探している話題に関するスレをいくつか発見し、それを確認する。




   【帝国】お前がナンバー29だ……!【闘技大会】


・このスレは帝国で開催される闘技大会に関するスレです

・宣伝は良いですが荒らさないようにご注意

・GM出没警報中、帝都でも歓迎の舞を踊っている様でした

・最強議論は余り白熱し過ぎないように


前スレXXXXX/xxxx/xxxx

WIKI enfi.wiki.com


454.名前:名無しの冒険者

 個人的には帝国人よりも王国人の方が優勝者の可能性は高いと思う

 確かに帝国式魔導銃は高性能だけど、王国連中の方が戦闘力がヤバイ

 何がヤバイってあの連中俺達の固定概念をぶっ壊すだけぶっ壊して

 そのうえで有効なガチ戦術を組んでくるんだもん


455.名前:名無しの冒険者

 後衛職が近接できるのはあたりまえって話だろ?

 だけど所詮はその程度だろ

 やっぱり戦いってのはアウトレンジから攻めるのが一番有効だよ

 それは何よりも俺達の時代で証明されている事だろ?


456.名前:名無しの冒険者

 >>455 この世界、転移魔術があるんすよ……

 アウトレンジからの狙撃マンセーしてると転移で背後取られて一瞬で死ぬぞ

 はい、喰らったのは私です


457.名前:名無しの冒険者

 それに最近では色々とスキルが出回って戦術も広がっているからな

 魔術師やガンナーによるアウトレンジ最強の時代ももう既に終わっているし

 スペルインターセプトや攪乱の方法がある以上、アウトレンジを封じ込められるしな


458.名前:名無しの冒険者

 個人的には魔剣召喚師さんをプッシュする

 もう既に闘技場にインしているのを見て戦い方を見たけど、洗練されてたわ

 召喚術、魔術、そして近接戦闘が全て高い水準で高まってたわ


459.名前:名無しの冒険者

 >>458 魔剣召喚師さんって王国で帝国大使館襲撃したあの人かw

 あの人も凄いけどパーティーメンバーが全員凄いからなw


460.名前:名無しの冒険者

 ヴァルキリーやらドラゴン召喚したりで結構話題に上がるよな、あの人

 パーティーメンバーについては余り話を聞かないけど固定メンバーでもいるの?


461.名前:名無しの冒険者

 >>460 うん、王国の王女と一緒に旅をしている

 闘技場で魔法を殴り飛ばしながらメイジ殴り殺してたし

 アレは絶対に参加するわ。というか参加しないのが想像できない


462.名前:名無しの冒険者

 なんで王女が国外しかも敵国にいるんだよwwww


463.名前:名無しの冒険者

 相変わらずすげぇ一族だよなぁ、あそこはwww


464.名前:名無しの冒険者

 なお他の二人も負けず劣らず殺意が高い。

 アサシンちゃんは戦闘開始と同時に姿消して急所を狙って必殺しに来る。

 しかもある程度なら物理攻撃を透過するっぽい


 侍さんはなんというか……説明する言葉がないな!

 前に出てぶった切るってしかやってないのに、それで全部終わらせてるんだわ


465.名前:名無しの冒険者

 間違いなく優勝候補の一角だよなぁ……他には何がいたっけ?


466.名前:名無しの冒険者

 聖剣士さんが聖国の方から参戦するってよ

 調教師さんがドラゴンのテイミングに成功しているし、

 それに乗ってパーティーで飛んでくるってさ


467.名前:名無しの冒険者

 聖剣士さんって聖国で勇者認定された人か。可哀想に

 あの国、ウチの親分に聞いたら下は善良でも上はクスリ漬けだってよ


468.名前:名無しの冒険者

 親分という言葉で大体誰の部下か察したけどお前王国人かよ……


469.名前:名無しの冒険者

 まぁ、聖剣士さんの勇者プレイに関しては置いておくとして、

 結局プレイヤー側からの優勝候補ってどんなもん?

 帝国側からだと十三将が出場するって聞いてるけど


470.名前:名無しの冒険者

 トッププレイヤーは大体皆参加だよ

 王族も出場したいとかみんなで駄々こねてた


471.名前:名無しの冒険者

 ホントあの国の王族はフリーダムの塊だよなぁ……


472.名前:名無しの冒険者

 個人的にはプレイヤーの誰かをプッシュしたい所だけどな、

 ぶっちゃけこの世界の人間、俺達がチートの様な恩恵を受けていたとしても、

 それを無視して殺しに来る生命力と適応力の持ち主だからな


 案外蹂躙されるの俺らじゃね? って思うんだよなぁー……




      【313スレ目】スキル調査部【デスマーチ】

・このスレはスキルの情報提供、調査を行うスレです

・今日も笑顔でデスマーチ

・発狂してからが本番

・逃げ場などない、調査部に死ぬ時間なんてない

・GMを見つけ次第拘束せよ、繰り返して言う、拘束せよ

・調査部は何時でも君の犠牲を待っているぞ!


前スレxxxxx/XXXX/xxxx

WIKI enfi.wiki.com


101.名前:名無しの冒険者

 【咎人】ってなんだよ! 【業の目覚め】ってなんだよ!!

 答えろよ魔剣召喚師さんよぉ!! 答えてくれよ!!

 俺達はデスマーチを始めたばかりなんだ!!


102.魔剣召喚師さん

 【咎人】は闘技場で人を殺したら上がったよ。

 それ以外はなんか条件が解らなくてごめんな……


103.名前:名無しの冒険者

 逃がさない……逃げるな……逃げるなぁぁあ!!


104.名前:名無しの冒険者

 発狂組うるせーよw

 情報提供乙。WIKIの充実に繋がるんで情報提供助かります


105.名前:名無しの冒険者

 【魔剣保持者】だったら他にも取得している人がいるんだけどね

 【傾国】とか【神判者】とか【原罪】とかのユニークスキル持ちはどうにもならん

 最近は結構ユニーク報告が増えて嫉妬が減っている感じするけど、

 それでも取得方法不明なのは悔しいよなぁ


106.名前:名無しの冒険者

 魔術関係の複合スキルがややこしすぎる

 【ルーン魔術】と【精霊魔術】に【錬金術】を組み合わせて

 【霊幻魔導】を取得したけど、なんで【仙術】カテの気功とか使えるんだ?


107.名前:名無しの冒険者

 調査結果というかアレだ、ちょっとした俺の憶測だけど

 スキルってのは”何ができる”ってのを見せるもんじゃないんだと思う

 スキルは”この法則が使えます”って感じなんじゃねぇのか?

 だとしたら法則を運用、応用するだけでできる事はいっぱいあるだろ


108.名前:名無しの冒険者

 >>107 あー……言いたい事は解る。

 ライターで火を付けるのと、マッチで火を付けるのと

 道具は違うし方法も違うけど結果としては同じって奴か


109.名前:名無しの冒険者

 >>108 そういう事

 だからスキルの意味する事を一番効率よく出来るし、その為のスキル

 だけど別にそれにこだわる必要ないって感じだと思う

 【長剣】のスキルを取っても投げれば若干経験値入るだろ? そういう感じ


110.名前:名無しの冒険者

 まぁ、だとしたら結構納得できるんだけど、それを意識すればできる事増えそうだな


111.名前:名無しの冒険者

 というか無意識的にやってそうだけど……


112.名前:名無しの冒険者

 最上位スキルの存在確認してきたよー

 いやぁ、図書館デスマーチは強敵でしたねぇ……

 今のプレイヤーの大半がやっている上位スキルの上に、

 更に最上位スキルが存在するらしいよ。上位スキルの上限が70らしい


113.名前:名無しの冒険者

 >>112 乙


114.名前:名無しの冒険者

 >>112 乙


115.名前:名無しの冒険者

 >>112 お疲れ様


116.名前:名無しの冒険者

 >>112 乙


117.名前:名無しの冒険者

 >>112 本当にお疲れ様


118.名前:名無しの冒険者

 これでスキルに関して色々と発見できたな

 まず最初に覚える下位スキル、

 下位を消費して習得できる上位スキル、

 その上位スキルを消費する事で習得できる最上位スキル


119.名前:名無しの冒険者

 それに付け加えて特殊な条件でスキルが変化する変異、

 魔剣や聖剣保有プレイヤーで発生するスキル吸収、

 スキル周りのシステムがすさまじく複雑というかなんか、やり応えが滅茶苦茶あるなぁ


120.名前:名無しの冒険者

 スキルの報告確認ー。【魔人】の取得者確認、これで三十人目ですわ

 プレイヤー総数が万単位に対して三十人ってレアってレベルじゃねーよなぁ


121.名前:名無しの冒険者

 まぁ聖剣とか魔剣拾ったプレイヤーはオンリーワンな訳だが


122.名前:名無しの冒険者

 クッソ羨ましいわ


123.名前:名無しの冒険者

 此方聖国潜入中の調査部です。聞こえますか……

 今私は……あなた方の……心に訴えかけています……

 休みを……休みをください……くっころ


124.名前:名無しの冒険者

 >>123 おう、さっさと成果報告しろよ


125.名前:名無しの冒険者

 >>123 十分に休んだな? 出撃だ123マン!


126.名前:名無しの冒険者

 >>123に対して一切の遠慮も容赦も行わないスレ


127.123

 お前ら馬鹿だ;;


 という古いネタは置いておいて、

 教会の倉庫に忍び込んだら聖剣が置いてあったから何本かパクった


128.名前:名無しの冒険者

 >>127!?


129.名前:名無しの冒険者

 >>127!?


130.名前:名無しの冒険者

 >>127ちょwwwwwいいぞwwwww


131.名前:名無しの冒険者

 >>127真の勇者現れるwwwww


132.123

 ちょっと指名手配されちゃったけど性能テストに帝国闘技大会逝くね☆

 これから聖剣四刀流を名乗るわぁー

 いやぁ、これで聖剣関係のスキルの調査捗りますわぁー


133.名前:名無しの冒険者

 やめろ、俺の腹筋を殺しに来るのはやめろwwww


134.123

 証拠のSS upload/enfi/xxx/xxxx


135.名前:名無しの冒険者

 聖剣をwwwww股間にwww挟むなwwww


136.名前:名無しの冒険者

 きたねぇ事してんじゃねぇよwwww

 聖剣が暗く輝いているじゃねぇかwww


137.名前:名無しの冒険者

 聖剣の方がくっころ状態じゃねえかよwww


138.名前:名無しの冒険者

 闘技大会には興味なかったけど俺も見に行くわwww


139.名前:名無しの冒険者

 これは見に行かなかったら損だわwwww



                  ◆



 そこまで読んだところで、スマートフォンを消してスレを閉じる。何というか、実に阿鼻叫喚というか、地獄というか、そんな感じの光景が繰り広げられていた。これ以上はあんまり情報も入らないかなぁ、と思ったところでテレビへと視線を向ける。


 テレビではEndless Sphere Onlineの特集が行われていた。それを数十分眺めてから、


 胸のもやもやが消えないのを感じる。


 完全に不完全燃焼だった。もっと、あのキレスの様な、心に芯を持った存在と戦いたい。そんな気持ちが胸には強くあった。きっとそれは自分の立ち位置をしっかりと定めてくれるだろうと。そんな風な熱が自分の中で、確かに湧き上がってくるのを感じている。それを深呼吸をする事で落ちつけてから軽く欠伸を漏らす。


「明日は闘技大会だし、それに備えて寝ておくかぁ……」


 リアルで寝るのは久しぶりだなぁ、なんて事を思いながらベッドへと向かった。

 久々の掲示板。そりゃあ目立つ事やってるんだから話題になるわよ。そして話題に上がる他の有名プレイヤー達。


 闘技場はバトルジャンキーの聖地よー

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