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魔法の森学園乙女ゲーム狂騒譚  作者: 深月 涼
学園入学から前期まで~ゲームの始まり~
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オープニングストーリー

 それは森の中の奥深く。

 神秘の湖、その中央。

 かつて城砦都市として機能した建造物群をそのまま流用したというその学園は、当時権勢を誇ったとある国の大公爵の妻が私財を投げ打ち設立したといわれている。

 中央には天まで届く魔法の塔を内包し、時を重ね、当時より200年ほど経った現代においても魔法学の研究に余念がない。


 創立者亡き現在、管理するのは世界の中心とも言われる中央大陸最大国家、セントラール。

 国家の威信を懸け、富める者も貧しき者も身分を問わず、才有る者を求め続けた。

 そして今年、新たに入学してきた6人の若者たち―――


 1人は、太陽王子の名も眩しいセントラール王国第2王子、アルフレア。

「父上……私は貴方より譲られたこの“仮面”の力で、誰よりも強く気高き正義の味方となり、必ずや全ての“人類”に幸福をもたらして見せる」


 1人は、南大陸にある皇国サザンバークロイツからの留学生、水の皇子(みこ)とも呼ばれる皇太子シャリラン。

「この学園にいる間、吸収できるものは全て吸収しなければ。……永久(とこしえ)に続く自国の繁栄の為にも。……さしあたってはまず、情報収集からかな」


 1人は、セントラール王国の守護を担う将軍家次男坊であり、太陽王子の護衛役ヴィクトール。

「俺は、いずれこの国を背負って立つ貴方の為、己の全てを懸け、その礎を守る騎士となりましょう」


 1人は、東方イーステランド諸島の血を引きながら、セントラール王国宰相にまで上り詰めた大貴族の息子、グーリンディ。

「今度こそ、今度こそ、ボクだってやれば出来るってとこ見せるんだ!弱虫だったボクはもうおしまい!目指せ、学園デビュー!!……でもやっぱり……ちょっとだけ、怖いかなあ……」


 1人は、セントラール王国内でも有数の広い領地を抱える侯爵の跡取り息子でありながら、石人形(ゴーレム)に並々ならぬ情熱を燃やす少年、ラビ。

「ここをこうして……っと。はあー、早く入学できねーかなあ。新しい知識に新しい学友!もうオレ、楽しみすぎて眠らんねーよ。……“オマエ”も、もっともっと強くなりてーだろ?」


 そして、一般公募から選抜された庶民の少女―――ふわりと揺れる金の髪にそばかすの散った顔の、天真爛漫な少女セイラ。

「今日からここが、わたしの―――」


 彼らが出会った時、どんな物語が紡がれるのか――――――



 さらには―――


「死亡フラグのない悪役なんてチョロすぎよ。―――このあたしが証明するわ。悪役(あたし)のままでもヒロインの代わりに―――逆ハーレムを作れるって事をね」


 転生した少女は不敵に笑う。

 心操る魔法を携え、彼女は何を為そうとするのか―――

 かつての『悪役令嬢』は、セントラール大公爵の“愛”娘―――クルエラ。





 そうして―――


 それを見ていた、青いドレスに白いエプロンの金髪少女は―――



「ふうん?どうやら“種”は無事芽吹いたようね。でも……ちょっと予想以上におもしろくなってきたかもしれない。……ふふっ、さて、いよいよ始めましょうか!!」


 取り出したのは、1つのプラスチックパッケージ。

 乙女ゲーム『school of Magic forest~きらめく愛の魔法~』を手に、少女は酷く楽しげに頭の大きなリボンをふるりと揺らす。




 かくして―――ゲームの封は、開かれ(幕は上がっ)た。








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