疲労。
ココから『』内は心での会話
コンコン
ん?ノック?誰だろう。
「はーい。」
ガチャ。入ってきたのはヴァン兄だった。なんで?迎えに来てくれてのかな??
「フィー迎えにきたよ。・・・・うん。やっぱりそのドレスは似合ってるね。フィーの良さがよく出てるよ。」
私が今着ているドレスは濃い藍色のドレスに細かい白のレースが袖口などよく見ないとわからないところに付けてあり銀色の糸で刺しゅうがしてある。とても高そうだ・・・・
「そ、そうかな?ヴァン兄様が選んでくれたの??」
これだけ自慢げに言うってことはそうなんだろうけどね。
服の細かいところがヴァン兄の仕事などのこまやかさが伝わってくるよ。
「あぁ、フィーの特徴を伝えてデザインしてもらった。そろそろ行こうか?」
え。わざわざ作ってもらったの?どんだけだよ・・・・。
仕立て屋さんこんなめんどくさいの頼んですいません。
『ネージュ。後ろ付いてきてね。』
ベットの上にくつろいでいるネージュに向かって心の中で語りかける。
『あぁ』
うー、やっぱりいつ見てもネージュはかっこいいなぁ。あーモフモフしたい!
パーティーが終わった後にお願いしよっと。
ヴァン兄にひかれてパーティー会場に来てみると結構な人がいた。うん。うじゃうじゃと。
なんでただの誕生会にこんなに人がいるんだよ。
「いっぱい人がいるね・・・・」
しかも私の知らない人ばっかり・・・
「うん。今日は殿下の誕生日でもあるから。殿下の誕生日と合同で行っているんだよ。」
だからか・・・・。なぜそんな大物と一緒にしたんだ。
「ちょっと僕は挨拶に行ってくるからご飯食べておいで。お母様もお父様もラルムもこの会場にいるから困った時は誰かに言うんだよ?知らない人にはついてっちゃいけないよ?あと・・・「わかったから!!」・・・そう?じゃあいってくるね。」
どれだけ信用ないんだよ私。
とりあえず近くの侍女の人に料理を取ってもらい一人でテラスに出る。
「うー、人が多くて疲れる」
はぁ。溜息をつき手すりにたっているネージュを見る。
『ネージュ。お願いがあるの』
庭の方を見ていたネージュがこちらに振り返りよってくる。
『なんだ?』
よってきたネージュの顎をなでて、できるだけ上目づかいで見る。
『あのね、帰ったらモフモフしていい??』
モフモフ!こんなストレスがたまるところにいたんじゃそのうち倒れるよ!ご褒美がないとね!
『・・・・・好きにするがいい。』
やった!!!やったよ!!嬉しすぎて軽く飛び跳ねてしまった。周りから見たら変人だ。心の中で押さえておこうとしてもニヤけ顔が・・・。
「おい、おまえなにニヤニヤしてる。」
ん?なんか後ろから声がして振り返ってみるとそこには藍色の髪に漆黒の瞳の少年。