お見通しでした。
何これ?なにこれ?ナニコレ?私、いつおへそに落書きしたんだろう。
いや、してないよ。さっきおへそのあたりが熱かったこととかかわりがあるってこと?でもなんで熱くなったんだっけ?・・・・・・・・・・キス?へー、キスすると模様が浮かぶんだ。・・・・・ってそんなわけあるか!
「あのー、ネージュ!」
いつの間にかネージュは歩き始めていたが、その歩みを止めて振り返ってくれた。
『どーした?』
いや、どーしたじゃないよ!この模様は何なんだ。それは、わかって聞いているのか?
「おへそのとこにもようがあゆんだけど。」
綺麗な大輪の花が描かれているよ。頭じゃなくてお腹にお花が咲きました。綺麗だけど、バカにされてる気がする。
『あぁ。それは、我との契約の印だ。さっきので我はおぬしのものとなった。』
・・・・・・・・ネージュと一緒にいる代償はお腹の華か。まぁ、そんな見える場所じゃないからいいか。それよりも早く帰らないとそろそろ家族が心配しだすだろう。
「そーなんだ・・。ネージュ、そろそろお家に帰ろう!」
あ、そういえばネージュのことなんて説明しよう。おーい、ネージュ姿を消したりできる?私にだけ見えるとか。ってできるわけないか。どんな特殊能力だよ。
『できるぞ。』
へーできるんだ。すごいな。・・・・・・ん?私声に出してたっけ?
「いや。契約者となら、互いに意識を向けていれば言葉にしなくても会話は可能だ。フィーは無意識に私に意識を向けていたのだろう。」
そうなんだ。結構いい能力備わってるな。
「じゃあ、かえろっか!・・・・ってここがどこかわかやなかったんだよ。」
一番大事なところじゃん!なんで忘れてたんだろう。そういえばここどこだっけ・・・・・。元の扉に戻ろうたって私方向音痴だからたどり着く自信ないよ!!
『ここは、王宮の裏の山だ。知らずにここまで来たのか?』
裏の山?じゃあ家にちかいじゃん!・・・・・てことは、ここに来る途中のなが――――い廊下は王宮の中?え?私やばくない?王宮ってかってにはいってよかったけ。まあ、誰にも会ってないからいいや。
『フィー。そういえば気になっていたんだが、帰る前に聞かせてもらえぬか?』
気になること?いいよなんでも教えてあげる!ネージュかわいいしね!
「なーに?」
『フィーはなぜ力を抑えておる?それだけの力を持ち妖精たちにも愛されておるというのに。それに、おぬしは見たところまだ6歳ぐらいであろう。だがフィーからは血のにおいがする。ナゼだか我は嫌悪感を感じん。妖精に愛されているということは妖精たちも同じなのだろう。その体でできるとは思わんが、仮にフィーが誰かを殺していて、なぜ妖精たちはフィーを愛し続けているのか。教えてくれ。』
びっくりした!まさか力抑えてる事がばれるなんて思ってなかったわ。まぁ、これから一緒に行動するわけだし知ってもらってた方が動きやすいかもね。
「ちからを抑えてるのは平凡な人生を過ごすため。ちからのせいで閉じ込められたり国にりようされたりするのいやだし。んー。わたしから血のにおいがするのはなんでだろ?転生してから誰も殺してないのに。もう少し成長しないと指の長さとか器用さのせいで武器使いこなせないし、作れないし。。。」
そーなんだよねー。実は、私前世で人殺してます!別に相手が憎かったとか言う訳じゃないよ?武器の性能を確かめるためにね?死んだ人ってね綺麗なんだよ?特に私が殺した人はね!相手に合わせて武器を選んでその人に合う死に方にしてあげるの。だからかな?変なあだ名がついたんだよねー。
たしか・・・・黒の葬儀屋だったかな?私の殺し方が死に化粧を施して殺したようだからだってさ。
『転生?フィーは前世の記憶があるのか?』
おっと考え込んでしまってた。前世の記憶?ありまくりだよ。
「うん。あるよ!前世では何人か殺したけれど、そのせいかな??」
前世の血のにおいが今でも取れてないってことなのかな??
『そうか。たぶんその時の殺しが魂に刻まれたのだろう。しかし、その様子を見ると憎しみや狂気などにも呑み込まれず純粋な殺人をしていたたためお前の魂にけがれは一切ない。それが妖精や我が引き付けたのかもな。』
ふーん。そんな事があるんだね。
まぁ、疑問も解決したとこで、帰りましょか。
「ネージュ、いい?今からお家に入るから姿は消しててね!」
みつかって、戻してきなさいなんて言われたらたまったもんじゃない。ばれないうちに自分の部屋に入ればばれないかな?
『承知した。』
そういったものの、私から見て消えた気配はないがネージュを信じよう。
そーっと、そーっと。ゆっくりと足音をたてないように気をつけながら進んでいく。
「フィーっ!!」
ビクッ!
この声は・・・・・ヴァン兄だ。まさかの見た目とを裏切る真っ黒な方と出会うとは。家の外に出たのばれたかな??ばれてませんよーに!!
「ヴァン兄様どーしたの?」
せめてもの抵抗に、首をコテンッと傾げて知らないふりをする。
「・・・・へぇ?わからないの?」
一瞬口を閉じたが、すぐににんまりとした微笑を浮かべる。
怖いよ・・・・。笑っているけど、オーラが怒ってる。に、逃げてもいいかな。ここは逃げるが勝ち!っといいたいが、私の足で逃げ切れるとも思えないし状況が悪化するだけなので謝っとく。
「し、心配かけてごめんなさい。」
ウルウルと瞳を潤ませ(怖さによる涙だ。)体を小さく縮める。
はぁ。
静かな空間に大きめの溜息の音が聞こえた。
「フィー、今回は許すけど次はないからね。」
そう言って頭をなでてくれる。なんだかんだいって優しんだよなー。まぁ、そうゆうヴァン兄が大好きなんだけどね。
「・・・・はい。」
ここは素直に返事をしとく。そーいえばネージュにはきずいてないってことはやっぱ見えないんだすごいなー。
私がヴァン兄と話している間中、ネージュは階段の上の方でこちらの様子をうかがっていた。
「で、どこに行ってたの?」
え。その質問なんて答えればいいの?扉が王宮につながってました?王宮に不法侵入してましたって?
言えるわけがないよ!!
「え・・・っと、お家を探検してたら迷子になっちゃって・・・」
うん。ウソは言ってない。誰もお家で迷子になったとはいってない。正しくは、お家を探検して王宮に迷い込んだだけどね。
すると、なぜかヴァン兄がとても冷めた目でガン見してくる。え?なんで??魔王再来?
「最初から、間を省かず、ちゃんと、ちゃんと、説明しなさい。」
はい。兄様には全てお見通しだったようです。だてにずっと一緒にいるわけじゃないんだね。家族ってすごいね。一句ずっつくぎって、しかも「ちゃんと」を強調されて言われました。