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厨二病の魔導書

作者:

いま、一人の青年が異世界の草原に佇んでいた。


彼の名前は、御手洗ヨシオ18歳。160cmの黒目黒髪のオタルックの青年である。


彼は、何故ここに自分がいるのか理解できなかった。はじめは夢かとも思ったが、そよぐ風は肌に心地よく、踏みしめる草原からは青臭いに良いがしている。


「ここは、どこなんだ。俺は家のトイレにいたはず・・・」


そうして、ヨシオは今朝の出来事を振り返るのだった。


◆ ヨシオの回想 ◆


オカルト好きな俺の日課は、トイレで朝のウ〇コをしてからその場で魔術の瞑想すること。


用を足したあとのリラックスした状態で、まず四拍呼吸を行うのである。


(なんだか芳しい香りが漂よっているようだが気にしてはいけない・・)


四拍呼吸とは、数を数えながら行う呼吸である。


リズム的には、4⇒2⇒4⇒2 であり、


鼻から吸う⇒呼吸を止める⇒口から吐く⇒呼吸を止めるの繰り返しである


これを吸うときは、足元から背骨を伝わり頭へと光を流れる様にイメージし


頭の上でいったん止める


それから頭から霊的中枢であるチャクラを通るイメージをしながら足元に戻していくのである。


さて、瞑想での大事な要素の1つに音がある。


俺はトイレで行っているが、トイレとは家の中で贅沢な部類にはいる場所であるからだ。


四方には柱を配した坪単価で言えばそれなりに高い。


そして、手頃な狭さで音響もばっちりだ。


流す音楽は、アフリカの原住民が鳴らすような太鼓の音である。


音域的には、低周波。8~15Hzあたりである。


この音は、自然界では地震や雷の発生時に出る音域らしく、聞いているだけで脳のα波がでやすくなるそうだ。


余談だが、最近の研究でイギリスのストーンヘッジはこの低周波に共鳴することがわかっており。外周で太鼓をならすと、石が共鳴して音を増幅させ、ストーンヘッジ内のかがり火をそのリズムと同じようにストロボさせるらしい。


瞑想も佳境に入り、彼は目を開け目の前の扉に視覚化した五芒星魔法陣を描き出す。


先ほど呼吸でイメージした光を指先にまとい何もない虚空に、描く。


視覚化とは、自分の望む幻像をリアルにある様にイメージすることである。


たとえば、手のひらにリンゴが載っていることをイメージする。


リンゴの色や形、重さや匂いなどをさも手に載っているかの様にイメージするのだ。


さて目の前のドアに描いた五芒星魔法陣を炎が包むようにイメージする。


炎の色は、赤・青・碧・橙・金と変化させていく。


ここでの色は四大精霊などを顕し、赤は火。青は水。碧は風。橙は土。金は人間である。


五という数字は、四大精霊と人間との調和をあらわしている。


さて一通り炎を視覚したヨシオは、いったん目を瞑りその魔法陣の中に自分という存在を投影していく。


五芒星の中の五角形に、逆向きの五芒星を画く。そしてさらにその五芒星の中の五角形に五芒星を描く事を無限に繰り返していく。


ヨシオが無数の五芒星を描く事に集中していると、けたたましくドアが突然叩かれた。


ドンドンドドン・・


「ヨシオ、いつまで入ってるのよ!早く出なさい!」


ビクッとしながら、俺の集中が解ける。


「はい、今出ます。」


慌てて尻を拭いて、ズボンを上げてドアノブに手をかけた。


ガッチャ・・


そう、あわててドアを開けるとただ真っ暗な空間があってそこに吸い込まれた。


そして今に至ると・・・


これは、俺が望んていた非日常ってやつに違いない。









お読みくださり、ありがとうございます。

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