月の私は君と永久
テーマ:小説
貴方の隣にいる私はしっかり貴方の恋人役を演じきれているだろうか?
大好きな貴方。貴方のためならこの命も惜しくない。
私がジッと見つめると
「そんなに見るな。」
冷たい一言で、私を突き放す。
私が愛してるって囁いたとしても、貴方には届かない。
私は貴方を周りから守るための偽の恋人。
「バルコニーに行きたいわ。」
パーティーの大勢の人、人、人。
みんな、私と貴方の機嫌を伺って、微笑むのよ。
あの人たちも、私と貴方のように嘘つきなのよ。
本当は心では微笑んでない。偽の姿をさらけ出す。
ワインのグラスを二つ受け取ったあなたは私に片方を渡し
バルコニーへ私をエスコートする。
外は、太陽と月が一緒に現れる独特の時間。
見た事ないかしら、太陽と月が同じ空間にいるところを。
でも太陽は月を待たずにさっさと過ぎ去ってしまい、月は寂しそうに
太陽のいない暗い地球を悲しみの青白い光で照らす。
まるで、貴方と私のようね。
私が追いかけても追いかけても、あなたは待ってはくれない。
愛してるわ、貴方のこと。
ずっと貴方のそばにいるわ。利用されていると知っていても。
そっと貴方の冷たい唇にキスをした