四つ切りぱん
今日、初めて四ツ切り麵麭と言うものを食べた。
どうやら一斤の麺麭を何と贅沢に四枚にしたものらしい。
ザリザリ
トーストにして、表面に牛酪を塗りたくる。
そして一口、
ザク
「……うん、うん。」
口いっぱい、麥畑になった。ご飯をいっぱい含んでいるようだ。いつもは六ツ切りだから、不思議な感じがした。
「美味しいですか?」
「あぁ、美味しい。」
私の妻は私の言葉に滿足したのか、臺所へと移動した。
また一つ、
ザク
私は小供がビー玉で游ぶように、麵麭を頬張り續けました。
一寸食べ過ぎたみたいです。けれど、麵麭はまだ殘っている。
あと少しと言う所、私は私自身、喉を渴いていることに氣付き、湯呑みをガッと持ち、グイッと水を飮み干した。
「……叔父さん、」
「あぁ……!どうしたんだい?僕に何かようかね。」
そう言えば今日は甥が來ていたんだった。困っていると、口元に付いていた麵麭くずがポロリと落ちた。
「…………。」
麵麭くずの行方を見ていると、甥はどこかに行ってしまった。小供というのは、ああでなければ。
「…………ふぅ。」
この日記は誰かに讀まれたく無い。恥を晒しているようなものだ。
「……。」
皿の上に乘っている麵麭の殘骸を見た。
私には、四つ切りがちと多いようです。胃痛にならないことを願う。
やっぱり麵麭は、六つ切りでなければ。