4.美男美女の爆誕
「うーん、ステータスかぁ」
「どうしたの?イーゼル?」
「多分、王宮の方でもステータス表示の方法を勉強するはず。そうすればイオリ殿が『聖女』ではないことがわかるだろう?真の『聖女』であるミユキ殿を血眼で探すはずだ」
イーゼルの読みは合っていた。でも私はそんな枠に囚われずに、自由に治療院で治療をしたいと今は思っている。
「イーゼル、なんとかして追っ手をまきましょう?」
「かなりの無茶を言うなぁ」
イーゼルは頭を抱えた。そりゃあ、文官タイプじゃないもんね。
「私さぁ、貴賤に関わらずに治療をしたいんだよね。あ、お金持ちからはガッツリ報酬を取るよ?で、貧困層の人にはそんなにお金取りたくないし」
「それは皇太子殿下の元じゃできないね、それで追っ手を撒きたいと?」
私は首肯した。
「そうだ!整形できるはず!多分。イーゼルは超イケメンにしよう。希望のイケメンある?二重とか?」
「特に……」
「ちょっと顔貸してね」
なんか、喧嘩を売るみたいだ。違うの、顔を変えてしまえという大胆な発想。
私はイーゼルの顔に手を当てた。イーゼルにはもちろん屈んでもらってます。届かないもん。
「おおっ!イケメンが誕生した!鏡ないの?痛いとかあった?」
「いや全く」
二人してそこらのショーウィンドウを見た。
「「誰?」」
「あ、俺か。イーゼルです(笑)」
イケメン爆誕。そこらの女性が二度見をする。なんなら逆ナンされそうだ。
「じゃ、次は私」
イメージは往年の大女優。何で年取ってるのに美人なの?と思う。
私は自分の顔に手を当てて、思ったようにした。
「どうかな?イーゼル?」
「超美人です。ある意味警護が必要かと…。誘拐目的とか。一人でそこらへん歩くの危ないんで、必ず俺と一緒に!」
あはは!美男美女だ!!ところで、私の顔は?
私はショーウィンドウを見た。
なるほど、これは暴行目的誘拐があり得る顔だ。と思う。治療院としてもOKだと思う。