1.プロローグ
よろしくお願いします!
「あー、今日もよく働いた」
私はスマホの画面を見ていた。最近なんだか横文字が横行して、仕事に差し障りが出てくるといけないので、チェックをするのが日課のようになっている。
「あー、久しぶりじゃない?美幸?会いたかったぁ」
……私は会いたくなかった。
この子は、伊織。幼稚園からの腐れ縁。そんな縁は切ってしまいたいと思うのだが…。
伊織は悉く、私から奪っていくか、私よりもランクが高いものを持ち歩く。マウントを取る?
歴代の私の彼氏は皆伊織が奪っていったし、最近ではスマホも私よりも少しランクが高いものを持ち歩く。
そんなわけで会いたくなかった。
そのとき、私のスマホから光が…‼
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「皇太子、わが国ももうこの方法しかありません。召喚された子には申し訳ない気がしますがそれはそれ。『聖女』を召喚できるのならば……」
「仕方ないか……。では、儀式を執り行おう。昔の文献にある魔法陣を描き、魔術師は術を唱えよ」
「「「御意」」」
眩い光の中、魔法陣の上には少女が現れた。見たことのない服装をした少女が…二人。
いったいどちらが『聖女』なのだろう?
「ねぇねぇ、これって『魔法と花の円舞曲』の冒頭のシーンじゃない?」
あぁ、クソゲーだと思って途中でやめたギャルゲーか……。伊織が私から盗った?
「して、『聖女』はどちらだ?」
「はいはーい!、私が聖女です!」
やたら元気に返事をしたな、伊織。また私から『奪う』のか……?
「その証拠は?」
おお、なかなか一筋縄ではいかないなぁ、この世界。
「『聖女』というからには治癒魔法ができるんですよね?私、多分できる!」
マジかよ?私かもしれないけど?大丈夫なの?
伊織が一人の戦士の傷を癒した。
「「「おお、『聖女』だ」」」
「では、イオリ殿を『聖女』と認定する」
かなり適当だな。私についてはあんまり鑑定とかしないんだなぁ。
「それじゃあ、もうお一人の召喚に巻き込まれた少女は名を何という?」
「あ、美幸です」
「ミユキは好きに生きてくれ」
はぁ??私は金貨数枚と護衛を一人つけられて放逐された。
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