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再びクリスティーナ視点から始まります
私は前世の記憶を思い出した淑女、クリスティーナ・ミュースラット。
メイドのマーヤと王宮に聖哲式を行いに来て、王宮Qualityのお菓子の美味しさに感激した。
お菓子を食べついつい寝てしまった私は、 背後から近づいてくる第二王子殿下に気が付かなかった。
私は特に何もされてないけど目が覚めたら・・・
寝起きが悪すぎて第二王子殿下に過去一怖い(マーヤ談)般若面を晒してしまった。
このままでは私の断罪も近いかもしれない、あるかわからないけど。
たった一つの命を大切に見た目は子供、精神年齢も大して高いとは言えない、
その名は、恥晒しのクリスティーナ!!
ここからどうやって第二王子殿下からの印象をリカバリーするのか⁈そもそもそんなことできるのか?
ーーーー
「「「・・・・・・」」」
私、マーヤ、第二王子殿下は暫く沈黙していた。護衛の方と王宮の侍女には角度的にあの顔は見られていないから何が起きたのか不思議そうな顔ををしている。
「え〜と、もっと早く起こしてあげなくてすまなかった。頭を机にぶつけていたけれど大丈夫かい?」
気まずそう言い出したたのは第二王子殿下だった。
「第二王子殿下にあのようなお見苦しい姿をお見せしてしまいお恥ずかしい限りです。申し訳ありません」私は項垂れるように頭を下げた。
ううクレア先生ごめんなさい。ここからどうやってこの印象をプラスに変えるのかわかりません。
「いや第二王子殿下なんて堅苦しい呼び方でなくて、リヒトと呼んでくれたら嬉しい」
「わかりました。リヒト殿下、私のことはクリスティーナとお呼びください」
「わかった、クリスティーナ嬢・・・何か好きな花はあるかい?」
これクレア先生のレッスンでやったところだ!!
「薔薇です。薔薇ってエディブルフラワーと言って食べられる花なんです。ローズティーとか薔薇ジャムとか、とにかく美しいのに実用的って凄くないですか⁈」
良い!澱みなく言えた
「ははっ、実用的だから好きか。我もその考え方には賛成だな」
・・・一人称、我なんだ。
王族だからって言ったらそういうもんかってなるけど、第一印象では「僕」とか言いそうな感じしたけどなぁ。心なしか口調も少し変わった気がする。
「光栄です、リヒト殿下のお好きな花はなんですか?」
「向日葵だな。栄養価が高いし何より種がうまい」
ひまわりの種食べる王子様っているんだ!いいなー私も食べたいなー
「聖哲式はあんなに人がいて気が滅入っただろう。王宮の菓子はなかなかの味だ。何が食べた・・ん?」
どうしたんだろ?リヒト殿下
「・・・ところでクリスティーナ嬢はその、婚約のことについては何か知っているか?」
こんなに直球で来られるとは思わなかった。
「はい、まぁ少し」一応正直に答えておく
「そのことが関係しているのだろう。シェフが変に気を回していつも1種類につき一人一皿ずつ用意される菓子が今日は二人で一皿分しかない」
あっっっ
「二人で半分こしろというらしいんだが、どうだ?我は構わないが」
(ごめんなさい!一人一皿ずつあったけど私が半分食べちゃったせいです!)
「私も構いません。少食なので少しだけいただいてもよろしいですか?」
・・本当のことなんて言えない。オホホと笑いながらさりげなく口を触ってお菓子がついてないことを確認する。・・・よしっ大丈夫。あとは王宮の侍女の視線が痛い気がするけど、お願いっ同じ乙女としてリヒト殿下にこの事だけは知らせないでっ!
「我のマナー講師がこの様子を見たら激怒するだろうなぁ」リヒト殿下は愉快そうにそう言った。
クレア先生が見たら・・・ヒェッ考えないでおこう。
優しいリヒト殿下は全てのお菓子をクリスティーナのために取り分けてくれましたとさ。口の堅い侍女はクリスティーナの秘密を守ってくれましたが、殿下に対してだけ口の柔らかい護衛はポロッと本当のことをリヒト殿下に伝えてしまいましたとさ。




