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 昨日は早くに寝たからか6時くらいに自然と目が覚め、いつもと違う私にマーヤも驚愕していた。私も、起きてから全ての所作に自然と気を巡らせていることに気づいたとき普段の私との違いに少し驚いた。あ、そういえば寝起きが悪いフリ(般若面)するの忘れてた。今まで前世の記憶思い出したことを隠すために以前のクリスティーナの振る舞いを心掛けてたのに・・・まぁもう必要ないかな?


 ・・・初めてこんなに早く起きられたから今日はお父様とお母様と初めて朝食を食べた。両親は何処か落ち着かない様子だったけど何事もなく無事に食事を終えて今は王宮に向かう馬車の中にいる。お母様自慢の私の縦ロールはいつになく強固に巻かれている。


 

 

  ────あれから緊張しているはずなのに何処か心がシンと静まり返っているような気がする、けれど気分は意外と悪くない。

 すべてが完璧に調和しているような、その静かな幸せな瞬間を、しばらくはじっくりと味わっていた。




 馬車が王宮に到着した。



 この一歩を踏み出した時から、完璧な淑女として、恥じることなくその場にふさわしい存在であり続けなければならない。


 「今日はあなたの大切な日。あなたが名乗るとき、必ず誇りを持って。ティーナちゃんの名前は、それに値するものだから」お母様のその言葉に、私は小さな胸の中で高鳴る鼓動を感じつつ頷いた。名前を名乗る。私にとって、それはただの言葉ではない。私の存在を、すべての人々に示す瞬間だからだ。


 王宮へ向かう道を歩きながら、周りの景色がどこか夢のようにぼんやりと映る。大きな門が開かれ、白く輝く宮殿の中に足を踏み入れた瞬間、私は心の奥で思わず息を呑む。大広間には華やかな装飾が施され、周囲には様々な貴族たちが集まっていた。彼らの視線が私に集まり、少しだけ胸が高鳴る。私は、完璧な淑女として、どんな状況でも冷静でなければならない。


 儀式が始まると、私は堂々と祭壇に立つ。全員が静まり返り、国王陛下が私を見つめる。私は深呼吸をし、心を落ち着けようとした。


 そして、ついにその時が来た。



 私はゆっくりと歩き出し、背筋を伸ばして国王陛下の前に立った。

目の前に置かれた私の背丈ほどの水晶に触れると水晶は赤く輝き出した。その様子に全員がざわめき出したその瞬間、私はクレア先生と共に体に叩き込んだ完璧なカーテシーをし、静かな声で言った。

 「私は、クリスティーナ・ミュースラット。ギョクコウ王国の一員として、ここに立つことを誇りに思います。」


 その言葉が空気を切り裂くように響いた瞬間、心の中で何かが解き放たれるのを感じた。名前を名乗ることで、私はただの少女ではなく、貴族の一員としての重責を背負うことを実感する。私の名前はただの呼び名ではなく、この場にふさわしい存在である証だ。

・・・この儀式を終えた後、私はもう一人の少女ではなく、一人の淑女として堂々と歩む。周囲はまだ驚きでざわめいている。・・・魔力量が多い順に夜空が紅>赤>紫>青>藍の色に見えるがこの特別な水晶もまた手が触れることでそのものの魔力量によって色が変化する。

 魔力量が増えたのは最近だからその事はまだ全員には伝わっていなかったらしい。


 王宮の侍女に連れられ私とマーヤは第二王子殿下であられるリヒト・フォン・ギョクコウ殿下に会いにその場を後にした。

 扉を抜けた瞬間私はようやく深呼吸をした。これで、私の新たな人生が始まる。




 少し歩くと王宮の庭に案内された。第二王子殿下は少し遅れてくるらしい。紅茶を一口飲むと落ち着いてついウトウトしてしまいそうになる。ここからが本番なのだから気を引き締めなければいけないのに。

 ご自由にと言われたのでスコーンを食べ始める・・



  えっっ


 おいしすぎる。

 このサクサク感と香ばしさ、今まで食べたどのスコーンよりも美味しい。これが王宮Quality ・・


 チーズケーキを食べ始める。



 えっっ

 


 おいしすぎる。

 一口食べると濃厚でクリーミーなチーズの風味が口の中で広がり、今まで食べたどのチーズケーキよりも美味しい。これが王宮Quality ・・・


 ティラミスを食べ始める。



 えっっ

 

 おいしすぎ───







    ーーーー



    

 






 なんだか少し眠くなってきたかもしれない。さりげなく爪で手を刺して痛みで起きているのももう限界かも・・・い、や・ダメだ・・・あ、



 



  背後から近づいてくる足音に気がつかないまま、私は静かに意識を手放した

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